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- “シルバーコレクター”返上なるか…単独首位で迎える吉田優利が運命の最終日へ
2位以下に4打差をつけての首位スタートだった吉田優利。3日目は思うようにスコアを伸ばせず、1バーディー、5ボギーとスコアを4つ落とす。通算イーブンパーとなったが、最終18番パー4でバーディーを奪い、2位と2打差の単独首位をキープ。自身初のメジャー制覇へ大きく前進した。
ルーティンを最後まで貫く
◆国内女子プロゴルフ<ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 5月4~7日 茨城ゴルフ倶楽部 西コース(茨城県) 6780ヤード・パー72>
スコアを4つも落としたことで気落ちしているかと思いきや、ホールアウト後に見せた吉田優利の表情は意外なほど明るかった。
「4オーバーは打ち過ぎですが、自分的にはスコア以上に納得したゴルフができたと思っています」というのがその理由だ。
吉田が語る“納得したゴルフ”とはどういうことなのだろうか。

3日目は最大瞬間風速15.3m/sという数字が示すように、明らかに2日目よりも風が強かった。選手によっては、強風に対していろんな対策をしていたが、吉田はあえて普段通りのゴルフを貫いた。
「アゲインストで低い球を打ちたくなりますが、それだとボールをつぶしてしまうスイングになるので、いつも通りのスイングで番手を上げる戦略で回りました」
いくらプロといえども、ちょっとしたことでショットが不調になることは珍しくない。通常のショットでは当然風の影響を受けるため距離感の計算が難しくなるが、目先の利益を優先することはなかった。それが吉田にとっての矜持なのだろう。
たとえメジャーに勝つチャンスが目の前にあっても、自分のゴルフをブラッシュアップして、どれだけいいものにできるかが勝負だと考えているのだ。
もちろん、試合に勝つことを諦めているわけではない。むしろその逆で、自分のゴルフを見失わなければ自然と勝利が転がり込んでくるという信念もある。裏を返せば、昨シーズンは2位が5回あったが、それらの試合では自分のゴルフをできなかった悔いが心に残っているのだろう。
そんな思いもありながら、自分のゴルフを極めるために吉田なりの試行錯誤も行っている。2週前から付け加えたルーティンもその一つだ。アドレスに入る前に、一度クラブヘッドを胸の高さまで上げる動作なのだが、実はこれ、ジュニア時代に行っていたという。
「自分の中心からクラブが外れたアドレスをしていると感じたので、それを確認するために行っています」と吉田。強風下のラウンドだと、つい打ち急いでスイングに誤差が生まれやすいだけに、そのようなルーティンが1つ加わることで自分なりのリズムを作れるメリットもある。
吉田と4打差の3位タイには、同じ辻村明志コーチ門下の上田桃子がいる。「同組で回れませんが、すごい楽しみです。いつも背中を見て練習してきた先輩と大きな大会で競えるのは幸せなことです」とワクワクが止まらない。もちろん、先輩だからといって遠慮するつもりはない。
「(2位以下との)差はないと考えていますし、全選手の中で一番いいプレーをしたいと思います」と悪天候やプレッシャーに負けず、最後まで自分のゴルフを貫けるかどうかが栄冠へのキーポイントだ。
吉田 優利(よしだ・ゆうり)
2000年4月17日生まれ、千葉県出身。2019年プロ入り。西村優菜、古江彩佳、安田祐香らと同学年の“プラチナ世代”の一人。21年「楽天スーパーレディース」でツアー初優勝を飾り、同年の「ゴルフ5レディスプロゴルフトーナメント」でも優勝を遂げた。エプソン所属。
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