- ゴルフのニュース|総合ゴルフ情報サイト
- 記事一覧
- ツアー
- 女子ゴルフで7年ぶりのオーバーパー優勝 厳しいコースセッティングの狙いは? 宮里藍はどう見た?
2016年の日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯以来の優勝スコアがオーバーパーとなった今大会。4日間大会で3日目を終了した時点でのアンダーパーがいなかったのは、12年の日本女子オープン以来だった。今大会はなぜこれほど厳しいコースセッティングとされたのだろうか。
コースの罠をむき出しにするセッティングに強風が拍車
◆国内女子プロゴルフ<ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 5月4~7日 茨城ゴルフ倶楽部 西コース(茨城県) 6780ヤード・パー72>
吉田優利の鮮やかな逃げ切りVで幕を閉じた今年のワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ。優勝スコアが1オーバーと、大会史上最多優勝スコアとなったが、オーバーパーでの優勝も、2016年の日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯以来、7年ぶり48度目のツアー記録となった。

スコアが伸びなかった要因に、コースセッティングが厳しかったことがある。すっぽりとボールが埋まってしまうほど長いラフに、硬く仕上げた高速グリーン、グリーンエッジから数ヤード以内に切られたピンポジションなどだ。
開催コースの茨城GC西Cは砲台グリーンが多い上に、アゴの高いバンカーがグリーン周りに配されている。しかもグリーンは小さく、微妙なアンジュレーションを持つ。セッティングが厳しくなければ、そんなことを気にせず、どんどんピンを狙っていけたかもしれないが、ボールをグリーン上に止めにくかったぶん、コースが本来持つ難易度の高さが浮き彫りになった。また、グリーン周りの芝を短く刈り込み、少しでも手前に落ちたりオーバーするとラフや池につかまるように仕上げられていたことも難易度を上げた要因の一つだろう。
予選カットラインも9オーバーと大会史上最多スコアとなったが、茂木宏美コースセッティングディレクターによれば、7オーバーを予想してのセッティングだったという。
「昨年のカットラインが6オーバーだったので、今年は世界で戦うために昨年よりも難しいセッティングにしたいと思い、7オーバーの想定でした。ただ、風が予想以上に吹いて、かなり難しくなったんだと思います」
確かに2日目は最大瞬間風速が13.9m/s、3日目はさらに強くなって15.3m/sだった。風が強く吹いたことで、グリーンの表面が乾き、より硬く、より速くなったことは間違いない。当然、ショットやパットにも大きく影響した。さらに最終日は雨風に加えて寒さもあり、スコアが伸びないのはやむを得ない状況だった。
この経験がペブルビーチでの全米女子オープンに生きる!?

厳しいコースセッティングに賛否両論あったが、茂木ディレクターにはある狙いがあった。
「今年の全米女子オープンが開催されるペブルビーチGLを以前回ったとき、雨、風がすごく、その難しさに衝撃を受けました。今大会を経験したことで自分はやれるんだという自信を持ってほしいと思い、難しいセッティングにしました」と語る。
ペブルビーチGLという難コースに加え、全米女子オープンを主催する全米ゴルフ協会は、時折サディスティックなセッティングをして選手から批判を浴びることも珍しくないだけに、出場選手にとってはいい経験になったのかもしれない。
元世界ランキング1位の宮里藍によれば、「久しぶりにこれだけ厚みのある深いラフのセッティングで、選手にとってもまた違うタフさのあるメジャーになったし、すごくいい1週間だったと思います」と肯定的だ。ラフが深いことで、ティーショットのプレッシャーやコースマネジメントが普段とは大きく異なり、それが選手の成長にもつながるという考えだ。
選手からはセッティングに対する不満は聞こえず、むしろ厳しいセッティングに対応できなかったことを素直に受け止め、自分の技術を上げることに目を向けていた。久しぶりの我慢大会となったが、シーズン前半にこのような大会があることでツアー全体のレベルが上がるなら大成功だったといえるだろう。
最新の記事
pick up
-
マキロイが使うボールはアマチュアにも有効? テーラーメイド「TP5」「TP5x」&「プレイヤーズ グローブ」使用者リアル座談会<PR>
-
【連載コラム】「MODUS3」の誕生から共に歩んだ男… 全6モデルへの思い入れを日本シャフトの担当者と振り返る<PR>
-
クラブと体の「接点」は重要! テーラーメイドのツアーボール「TP5」「TP5x」と「プレイヤーズ グローブ」は細部までこだわった逸品<PR>
-
ナイスショット連発で上重アナも仰天!? キャロウェイ「ELYTE」シリーズをラウンドで使用するとアマチュアにとって大きな恩恵が!<PR>
-
6/22まで【クイズに答えて200名さまに抽選で当たる!】Taylor Made Golf(テーラーメイドゴルフ)ボール
ranking