- ゴルフのニュース|総合ゴルフ情報サイト
- 記事一覧
- ツアー
- 米国から30年遅れでも確かな前進 女子ゴルフツアーに“スポンサー付き託児所”ができた大きな意味
米国から30年遅れでも確かな前進 女子ゴルフツアーに“スポンサー付き託児所”ができた大きな意味
子どもが楽しく遊ぶすぐそばで集中して仕事をし、子どもに何かあればすぐに駆け付けることができる――子育てには理想的な環境整備に向けて、ようやく日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)が第一歩を踏み出しました。
米ツアーを転戦し育児環境を見てきた小林浩美会長の思いが結実
シーズン最初の公式戦、ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップの舞台となった茨城GCの一角にできた託児所。出場していた若林舞衣子選手の長男、龍之介くんが笑顔で遊ぶ姿も見られました。
保育士さんがしっかりと子どもを見てくれる環境も整っています。4歳の龍之介くんを実際に預けた若林選手は「(託児所の)取り組みが(JLPGAツアーで)現実的に始まったのはすごく大きな一歩前進だと思います。私の場合は預ける人(家族)がいるので、託児所がなくても困ることはありませんが、息子を連れて(家族がプレーを見るために)ついて回るのは大変だと思うし、託児所があることで連れてきてくれる人も私を応援することができます」と、新たな試みを歓迎しています。
これまでにも託児所が設けられた大会はありました。同大会でも同様ですが、いずれも大会主催者が設置したもの、つまり、単発的なものでした。今回はツアーを主管する日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)が、住友商事と共同で開設し、今後への広がりが期待できるものとなりました。どの大会になるかは調整中とのことですが「今年は5~10試合で開設することをイメージしています。選手として出場している人だけでなく、解説やイベントなどの仕事で大会に来ている会員も利用できる方向で考えています」(JLPGA事務局)と、ツアーに根付かせる方向に向かっています。
「JLPGA Welcome babies & Kids Project Supported by 住友商事」として始まったこの託児所について、小林浩美JLPGA会長はこう話しています。
「住友商事さんのご支援が受けられて、働く女性であるJLPGA会員を応援してもらえてうれしいです。今は、結婚して子どもを産んでも仕事をするのが当たり前の時代。人生設計を幅広く考えられるようになればいいと思います」
米女子ツアーでは、1994年から各大会に託児所を設置していました。90年から同ツアーを転戦していた小林会長は、朝、託児所に子どもを預けて試合に出て、ホールアウト後や練習の後で迎えに行くプロ仲間の姿を日常的に見ていました。
スポンサーをつけての託児所設置は、旅暮らしの選手たちが家族と一緒過ごしながらプレーできる素晴らしい環境でした。同時に、ツアーにとっても、女性が働く場所としての存在感をアピールすることができました。だからこそ、スポンサーもついてきたのです。
米女子ツアーでの託児所は、ゴルフ場のクラブハウスだけでなくオフィシャルホテルのカンファレンスルームや近隣の教会など、さまざまな形で続いてきました。それを見て、小林会長は「日本でも」という気持ちを以前から漏らしていたのですが、なかなか実現には至りませんでした。住友商事のサポートを得て、それがやっと実現したのです。
「住友商事はDiversity、Equity & Inclusion(編注:多様性、公平性、包摂性)を掲げ、多様な人材の活躍を推進しています。子育て中のママさん選手を含め、すべてのアスリートが活躍できる環境づくりを目指すJLPGAの思いに賛同し、今回の託児所共同開設に至りました」と、ニュースリリースには書かれています。
詳しい話を聞くと「多様な価値観とさまざまなライフスタイルを持つ一人ひとりが、仕事とプライベートによる生活全体を充実させ、最大限のパフォーマンスを発揮できるよう、今回の託児所開設がその一助になればという思いでJLPGAとともに取り組んでまいります」と、広報部は答えてくれました。
最新の記事
pick up
ranking