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- 失敗が許されない舞台になっている!? 女子プロテストは果たして今のままでいいの?
ライブ配信を開始するなどの新しい試みもあり、例年以上に注目度が高かった2023年JLPGA最終プロテスト。20位タイまでという合格圏内を目指し、多くの女子ゴルファーがしのぎを削りました。
プロテストがスタートではなくゴールのように見える
今年のJLPGA(日本女子プロゴルフ協会)最終プロテストは第3ラウンドと最終ラウンドをユーチューブチャンネルでライブ配信しました。
プロテストの合否に注目している人は、出場選手の家族や関係者だけでなく、ゴルフファンにも大勢います。ライブ配信は大賛成です。同週開催のTOTOジャパンクラシックをテレビで視聴しながら、プロテストのライブ配信をパソコンの画面に映していました。
最終ラウンドの18番パー5は、このホールのスコアで合否が決まるということもあり、手に汗を握りながらパソコンで選手たちの一挙手一投足を見守っていました。
合格ラインの通算5アンダー以上でフィニッシュした選手にはホッと胸をなで下ろしましたが、1打足りなかった選手の表情を見ると何ともいえない気持ちになりました。
中でも通算6アンダーで18番パー5を迎えたものの、痛恨のダブルボギーで4アンダーにスコアを落とした大村みなみ選手のボギーパットが外れた瞬間は胸が張り裂けそうになりました。
以前であれば、最終プロテストで不合格になっても、翌年のツアー出場権をかけたクォリファイングトーナメント(QT)で上位に入ればツアープレーヤーとして試合に出場する資格を得ることができました。
ところが2019年度からQTの受験資格がJLPGAの会員のみになりましたから、プロテストに合格しないとQTを受験することができなくなりました。
この規定変更の目的についてJLPGAは「会員の価値を担保すること」と語っていました。その意図はもちろん分かります。
ただ一方で、プロテストに合格しないとQTを受験できない今の仕組みが本当に好ましいのか考えるべき時期に来ているような気がします。
プロテストに過度なプレッシャーがかかりすぎている
今年の最終プロテスト合格者21人の中で一発合格の選手は7人のみです。14人は2回以上受験しています。最多受験回数は6回(石田可南子選手と高木優奈選手)です。
合格時の年齢は石田選手が29歳で高木選手が25歳です。ゴルフは何歳からでも活躍できるスポーツではありますが、若い選手たちが次々と台頭する今の女子ツアーでプロテスト合格にこれほど長い年月がかかるのはどうにかならないのでしょうか。
高木選手は2020-21シーズンにTP(トーナメントプレーヤー)単年登録の資格で45試合に出場し、2745万425円を獲得して賞金ランキング60位に入ったものの、ツアーで優勝するか賞金シードを獲得すれば正会員になれるという条件を満たすことができませんでした。翌シーズンのQT受験が可能であれば違った展開になっていたかもしれません。
気になっていることがもう一つあります。プロテストとQTが以前の仕組みだった時代は、日本女子アマチュアゴルフ選手権の優勝者と日本女子オープンゴルフ選手権のローアマチュア獲得者は、プロゴルファーになってから活躍するかどうかは別にして、ほとんどの選手がプロテストに合格していました。
ところが近年は、アマチュア時代に日本タイトルを獲得した選手がプロテストに失敗する事例が相次いでいます。今年の日本女子アマ覇者の飯島早織選手は通算イーブンパー48位タイ、日本女子オープンでローアマチュアを獲得した中村心選手は通算2オーバー61位タイで不合格でした。
2022年日本女子アマ覇者の寺岡沙弥香選手も通算4アンダー22位タイで1打足りずに不合格となりました。寺岡選手は昨年も1打足りずに不合格で、プロテスト失敗はこれで4回目となりました。
今のプロテストには実績のある選手たちをも萎縮させてしまうほどの緊張感があるのでしょう。プロテストに過度なプレッシャーがかかりすぎており、選手たちのプレーがものすごく縮こまっているように見えました。
その壁を乗り越えてこそ大きく飛躍できるという意見もあるとは思いますが、若い選手たちの成長を促すには、失敗が許されない舞台よりも失敗を積み重ねることができる舞台をたくさんの用意してあげたほうがいいのではないかと感じました。
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