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コラム

マキロイが1年たっても“改訂”を知らなかったルールとは? “2罰打”回避のためにしっかり復習

2024.02.06 小関洋一
ルール ローリー・マキロイ 米国男子ツアー

「AT&Tペブルビーチプロアマ」でマキロイが2罰打を食らったルールの間違い。2023年の年明けから改定されたドロップの処置ですが、実は半年ほど前にもフィル・ミケルソンが似たような状況で“無知”をさらしています。2罰打を回避するためにしっかり復習しておきましょう。

アンプレヤブルから「後方線上の救済」を選択

 ローリー・マキロイはトッププレーヤーであると同時に、欧米ツアーとリブゴルフの統合問題などでは、その見解が注目される大きな存在です。そんな彼ですが、ことゴルフルールについては案外“無知”であることが露見する出来事がありました。

AT&Tペブルビーチプロアマ初日のローリー・マキロイ 写真:GettyImages
AT&Tペブルビーチプロアマ初日のローリー・マキロイ 写真:GettyImages

 その出来事があったのは、先週のPGAツアー競技「AT&Tペブルビーチプロアマ」でのこと。同大会は今季から始まった、限られた選手数(70~80人程度)による高額賞金・フェデックスカップポイント高配点のシグネチャーイベント(昇格競技)の第2戦で、米ツアーのトッププレーヤーがずらり顔をそろえました。

 大会初日、マキロイはスパイグラスヒルGCの10番ホールからスタート。折り返し後の7番パー5でティーショットを大きく左に引っかけてしまいます。ボールは深いラフの中に立つ、小さな松の木の下にありました。そのままではグリーン方向へはもちろん、フェアウェイ方向に出すことも困難でした。

 そこでマキロイはアンプレヤブルを選択。1罰打で、ホールとボールがある箇所を結んだ後方線上に救済のドロップを行い(規則19.2b「後方線上の救済」)、結果、そのホールをボギーとしました。

 ところが、ラウンドを終えたマキロイがスコアカード提出所に到着すると、そこにはルールオフィシャルが待っていました。そして、7番ホールの救済について尋ねたのです。

 ご存じの方も多いと思いますが、マキロイが選択した「後方線上の選択」は2023年に改訂されています。改訂後は、プレーヤーは「元の球の箇所とホールを結ぶ線上で、その元の球の箇所の後方にドロップすることができる」となっています。つまり、プレーヤーはボールがあった箇所とホールを結んだ後方“線上”にドロップしなければなりません。そして、その落下地点から方向に関係なく1クラブレングス内が救済エリアとなり、同エリア内にボールが止まれば救済完了となります。

 しかし、この救済は改訂前は、「ホールと元の球の箇所を結ぶ後方線上を通る基準線に基づく救済エリアにドロップすることができる」として、プレーヤーは後方線上に任意で選んだ地点を基点(ティーのようなものを使用してその地点を示すべきとされていた)に、それよりもホールに近づかない1クラブレングスの範囲が救済エリアで、そのエリア内にドロップし、ボールが止まれば救済完了となっていました。

 そこで、このときのマキロイですが、後方線上に下がったあと、バッグからドライバーを取り出して1クラブレングスを測る姿がテレビ中継で映されました。これを見たルールオフィシャルはその手順に疑問を感じ、確認のためマキロイのスコアカード提出を待っていたというわけです。

 確認の結果、マキロイは「改訂されたことを知らなかった」と自らのミスを認め、このホールを「一般の罰」の2罰打を加えた「8」=トリプルボギーとしてスコアカードを提出したのです。

昨年の全米プロでミケルソンが同様のミスで危うく2罰打

「後方線上の救済」の救済エリアは、後方線上に選んだ基点からホールに近づかない1クラブレングスの半円ではなく、現在はプレーヤーが後方線上にドロップした地点が基点となり、そこから方向に関係なく1クラブレングスの円になります。

 この「後方線上の救済」の処置の誤りは、昨年の全米プロでフィル・ミケルソンがやらかし、話題になりました。

 ミケルソンの場合は、レッドペナルティーエリアの池に打ち込んだ後に選択した「後方線上の救済」でした。彼はレッドペナルティーエリアの赤線をボールが最後に横切った地点とホールを結んだ後方線上に1本のティーを刺し、次にそこから1クラブレングス横の地点にもう1本のティーを刺し、その間にドロップを行いました。

 そして、次のストロークの準備をしているところに、1人のオフィシャルが急ぎやって来て、「そのドロップは正しくない」と注意したのです。

 ところが、マキロイ同様、規則の改訂を知らなかったミケルソンは、「そんなことはない。正しく半円の救済エリアにドロップした」と反論。さらに、オフィシャルが説明しても一向に納得せず、自分の処置は間違っていないと主張しました。

 そこでオフィシャルは無線でルールオフィシャルを呼んで詳しく説明してもらうと、初めてミケルソンは「今年から変わった? 知らなかった」と自分の誤りを認めたのです。

 この場合、ストロークを行う前であれば、無罰でボールを拾い上げ、正しい救済処置を行うことができます。オフィシャルがそう助言するとミケルソンはあらためて「私の誤りに気付いてくれてありがとう」と感謝しました。

 当時、この出来事はちょっとした話題になったのですが、この頃、マキロイはミケルソンなどリブゴルフに移った選手たちに嫌悪感を示していましたから、この出来事にも関心を寄せなかったのかもしれません。しかし、その結果か、ミケルソンと同じ誤りをすることになってしまったのでした。

【動画】これがマキロイが“”間違ったドロップ処置”をした実際の映像と正しい処置の解説です
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【図解】後方線上ドロップの正しい処置と2023年ルール改訂3つの変更点をおさらい
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