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ゴルフ史最大級40億円被害の真相(6)“畑違い”の弁護団に違和感…被害者たちが団結できなかった理由【小川朗 ゴルフ現場主義!】
1000人以上が総額40億円にも上る被害を受けたゴルフ界を激震させた「ゴルフスタジアム事件」。発覚から7年にわたり取材を続けてきたゴルフジャーナリストの小川朗氏が、最終局面を迎えた事件の全貌をリポートします。1000人超の被害者は方向性の違いからいくつかのグループに分かれて訴訟を提起することになりました。なぜ全員が一致団結できなかったのでしょうか。
和解の場合、通常は請求しない遅延損害金を払えという業者も
7年の月日を経た現在の心境を西村団長に直撃すると、こんな答えが返ってきました。
「われわれが団結することによって、(信用調査で)ブラック(リストに載ること)になる恐怖心を取り払ったということが一番大きいところ。毎月の支払いは止めることができて、それはやっぱりみんなが一緒にいてみんなと話ができるという部分での安心感です。一人だったら不安になってできないです。同業者の中で結局みんながつながって、そこで一回、頭が冷えて、ある種冷静になって被害者の会で団結できたっていうのは非常に大きなメリットだったということは間違いありません」

「『破産を選択する以外ない』って、どの弁護士からも言われた最初の大パニック状況から(被害者が)団結することで、一番大きいのはブラック(リストに載ること)になりにくかったってことですね。それでみんな、パニックにならなかったっていうメリットを受けていたんですね。一人ひとりがバラバラだったら、みんなブラックになって、チリジリバラバラになって破産するか事業をやめるかっていう状況があったのを、それをさせなかったってことが今回の団結の一番のメリットだったんじゃないかと思います」
確かに初期段階において、全国に広がる1000人超の被害者たちの受けたショックは大きく、その取り乱し方も相当なものだったことは多くの証言から明らかです。その一人ひとりに今西代表らが電話をかけ、被害者を守る会は結束していきました。ただ「団結に一部傷がついた結果」(西村弁護士)、名古屋と東京の法廷戦術は対照的なものになっていきます。東京の被害者の会がはるかに規模が大きいことも、時間のかかる原因の一つとは言えるでしょうが、先に名古屋が和解を完了。このことは、東京の裁判にも少なからず影響してきます。
「確かに名古屋を参考にした裁判官もいました。でも、(債務を)3割カットの判決まで書いてくれた裁判官もいたわけだから、全部が名古屋基準であったことではないわけです。(名古屋が)東京と一緒にやったら100%勝てましたかって聞かれたら、正直に言えば勝つのもあるし、負けるものもあったでしょう。和解した人は最初に言っていた通り負けるんだから、これでいいんだっていう理屈でしょう。でも、(勝つことに向けて)まったく旗を立てないってことは、最初から負けているってこと。僕らは一応、旗を立てて一審判決は全部行ったわけです。その結果は確かに予想外に悪かったけど、全部負けではなかったわけだから、それでも得るものは少しあった。ただし、損害金で勝ったところが全部黒く塗られてるっていうことはありますね。和解を選択すべきだったということについては、これから私も総括するつもりです」
「名古屋は僕らの足を引っ張った部分があると思いますけど、それを批判するつもりはない。そういう全国で団結する運動に抵抗したってところは僕は批判しますけどね。足を引っ張ったっていう表現は別にしたくない」と語る一方で、こうも語っています。
「判決が出た後、結果的に彼ら(名古屋弁護団)からすれば(裁判で争っても)もっと不利な和解しかできないよって言われたのを、ちゃんと(名古屋と)似たような和解には持っていったということですよ。ただ一部の相手方がそういうことを許してくれないっていうのは確かにあるんですけど、それはほとんど数が少ないですから。団結したことを、間違ったと言う人はいないでしょう。和解が進展してきたっていうのは、逆に言うとみんなお金を稼げて、その財源ができたっていうこと。それはわれわれの功績ではないかと最近は思っています」
一方で、裁判で争っている間に刻一刻と加算されていく遅延損害金に関しては、西村代表も怒りの色を隠せません。
「大勝利ではないんだけど、中ぐらいの勝利をしたのに100%以上払わされる可能性が出てきているという……。この低金利時代にめちゃくちゃですよね。3割勝って7割払うっていう判決をもらったときに、5年頑張ると仮に年20%だから100%増えて、7割が倍になって140%の事件になってしまう。しかも上訴してまた同じ判決が繰り返されるとすると、ますますそれが増える。今の流れからすると70%にするのでも大変なんだから、それをゼロにするのは今の運動のパワーだと、なかなかできない」
長期戦で頑張ったにもかかわらず、そのしわ寄せを被害者側が払わされるという、なんとも理不尽な現実がここで起きているわけです。しかも、通常、和解の場合には請求しない遅延損害金を払えと言い続けている業者もあるというのです。
「遅延損害金がどんどん増えるんだから、それでいいや、と。3割カットされても粘れば粘るほど、俺たちは回収できるんだと居直ってるわけですよ。いまだにめちゃくちゃな和解案を出してきている。和解するとしても損害金の8割払えと」
7年に及ぶ法廷闘争の最終局面。和解交渉も大詰めを迎えています。
【ゴルフスタジアム事件】
レッスンプロやゴルフ練習場などにゴルフスタジアム社の営業が訪問し、「HPを実質無料で作成運営できる」と説明。ゴルフスイング解析ソフトのローンを組ませたり、リース契約を結んだ後、月々の支払はHPへの広告掲載料を振り込むことで相殺していた。しかし2017年の2~3月頃から掲載料の振り込みがストップ。被害者は1000人以上、被害額も約40億円に達した。
取材・文/小川朗
日本ゴルフジャーナリスト協会会長。東京スポーツ新聞社「世界一速いゴルフ速報」の海外特派員として男女メジャーなど通算300試合以上を取材。同社で運動部長、文化部長、広告局長を歴任後独立。東京運動記者クラブ会友。新聞、雑誌、ネットメディアに幅広く寄稿。(一社)終活カウンセラー協会の終活認定講師、終活ジャーナリストとしての顔も持つ。日本自殺予防学会会員。(株)清流舎代表取締役。
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