ツアー中継でプロがやってるけど…救済エリアを決めるときはティーを刺したりするのが正式なやり方なの?

小関洋一

2024年7月8日

コラム

プロのトーナメントでよく目にする救済エリアの決め方。ボールが止まった箇所にティーを刺して、そのボールを拾い上げてから、差したティーの位置を確認しつつ、障害が避けられる「完全な救済のニヤレストポイント」を決定……といった手順ですが、本当はアマチュアも見習ったほうがいいのでしょうか?

プロが行う手順はルールで定められたものではない

 罰なしであれ、罰ありであれ、「救済のドロップ」は腕前に関係なくゴルファーには“つきもの”。無縁ではいられません。その「救済のドロップ」の手順をひと工夫すると、プレーのスムーズな進行につながるかも。とりわけビギナーには知っておいてもらいたい手順を紹介します。

ツアープロはティーで目印を付け、慎重の上にも慎重を期してドロップを行うが… 写真:Getty Images
ツアープロはティーで目印を付け、慎重の上にも慎重を期してドロップを行うが… 写真:Getty Images

 まず、救済エリアのドロップに関する規則14.3のa「元の球か別の球を使うことができる」を見ると、罰なしの救済か、罰ありの救済かに関係なく、救済エリアにドロップする際は「取り替えた球」または「元の球」を使うことができるとあります。続けて、「このことは(=元の球か別の球を使うことができる)、この規則に基づいてプレーヤーが球をドロップしたり、プレースする都度どんな球を使用してもよいことを意味している」と書かれています。

「球」というのは、この場合は「(規則)適合球」のことで、「ワンボールルール」(スタートしてからラウンドを終えるまで同じモデルのボールを使い続けなければならないとするローカルルール)の競技でない限り、元のボールと異なるブランドやモデルのボールに取り替えても、違反にならないということです。

 これを踏まえ、救済の際に「別の球」を使うことで処置がよりスムーズに行えることを紹介します。

 例えば、「一時的な水(旧称・カジュアルウォーター)」や「動かせない障害物」、「目的外グリーン」の障害からの救済は、どのような手順で行っているでしょうか。

 プロのトーナメントでよく目にするのは、ボールが止まった箇所にティーを刺して(もしくは置いて)、そのボールを拾い上げてから、差したティーの位置を確認しつつ、障害が避けられる「完全な救済のニヤレストポイント」を決定。そこにもティーを刺し、次に同ポイントを基点に、ドライバーでホールに近づかない1クラブレングスを計測。その端に3本目のティーを刺して救済エリアを定め、そのエリア内に先に拾い上げたボールをドロップする、という手順です。

 プロの場合は、確実の上にも確実が求められるので、各ポイントをマークします。しかし、こうした手順はルールで求められているわけではありません。基本的にルールが求めるのは、「完全な救済のニヤレストポイント」を基点に、ホールに近づかない1クラブレングスの救済エリア内にドロップすること。元のボール位置や基点をマーク(ティーを刺す)することは、規則に定められていません。そして、正しく救済エリアにドロップし、ボールが止まれば救済は完了です。

「元の球」を拾い上げるのは救済のドロップが終わってから

 そこで一般アマチュアにおすすめのスムーズな――もちろんルールに則した――救済のドロップの手順が以下の通りです。

 まず、「一時的な水」の中や「カート道路」「目的外グリーン」の上に止まったボールはそのままに、その障害が避けられる、元のボールから最も近く、ホールに近づかない「完全な救済のニヤレストポイント」を決定します。次に、同ポイントを基点に手に持ったクラブで、ホールに近づかない1クラブレングスの「救済エリア」の見当をつけます。そして、そのエリア内の十分に余裕を持った(=ボールがエリア外に落ちたり、止まる可能性のない)地点にドロップ。それから元のボールをピックアップすれば、救済の処置はスムーズで時間の短縮にもなるでしょう。

 基点からドライバー(46インチ前後)で測れば、ぎりぎりフェアウェイのエリアに達するといったケースはありますが、それはレアケース。ほとんどの場合、短いクラブレングスで測っても不利にはならないでしょう。ドロップのたびに急いでバッグまでドライバーを取りに戻ったり、キャディーに届けてもらうといったことは避けてください。

 救済のドロップは、基本的に「別の球」を使って、救済エリア内の十分に余裕を持った地点で行う。そして、元のボールを拾い上げるのは、ドロップが終わった後に。この手順のほうが時間の短縮になり、他のプレーヤーを待たせず(イライラさせず)に済むかも。頭の中に入れ、併せてポケットの中には予備球を入れておいてください。

【解説動画】これがUSGA推奨の早くて確実な救済の手順です

【図解】後方線上ドロップの正しい処置と2023年ルール改訂3つの変更点をおさらい

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球がレッドペナルティーエリアにあることが分かっているか、事実上確実で、プレー ヤーが救済を受けたい場合、プレーヤーには3つの選択肢がある。それぞれ1罰打で、 プレーヤーは次のことができる。 (1)直前のストロークを行った場所に基づき救済エリアから球をプレーすることによっ てストロークと距離の救済を受ける。 (2)ホールとX点を結んだ後方線上のペナルティーエリアの外に球をドロップすること によって後方線上の救済を受ける。 (3)ラテラル救済を受ける(レッドペナルティーエリアに限る)。救済を受けるための基点 はX点で、球は2クラブレングスでX点よりホールに近づかない救済エリアの中にド ロップし、その中からプレーしなければならない。(ゴルフ規則 17.1dより抜粋)
1.後方線上の救済は「線の上」にドロップしなければならなくなった
2.救済後、風でボールが再び池に入ったら「無罰でリプレース」
3.間違ってインプレーでない球をリプレースしてパットした「2罰打→1罰打」
ツアープロはティーで目印を付け、慎重の上にも慎重を期してドロップを行うが… 写真:Getty Images
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