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- プロゴルファーは他のプロ競技と比較して過酷!? ギャラリーには見せないツアープロの光と影とは?
一見華やかなツアープロの世界ですが、予選落ちすれば賞金はゼロで赤字になってしまうなど大変な部分も数多くあります。
PGAツアーで復活優勝を遂げたばかりの選手が自ら命を絶った
5月にショッキングなニュースが飛び込んできました。2024年1月のPGAツアー(米国男子ゴルフツアー)「ソニーオープン・イン・ハワイ」で7年ぶり2勝目を挙げたグレイソン・マレー選手が30歳で急死したのです。その後、マレー選手の両親はPGAツアーを通じて死因が自殺だったことを公表しました。
マレー選手は5月23~26日開催の「チャールズ・シュワブ・チャレンジ」に出場し、初日2アンダー11位タイでプレーした後、2日目の途中で体調不良を訴えて棄権しました。その翌日にマレー選手が亡くなったことが発表されました。

自ら命を絶った理由は本人にしか分かりませんが、はた目から見れば今季のマレー選手は順調なシーズンを過ごしていました。1月の「ソニーオープン・イン・ハワイ」で待望のツアー2勝目を手に入れ、13試合に出場して8試合で予選通過。獲得賞金は247万1532ドル(約3億7995万円)で、フェデックスカップポイントランキング39位につけていました。
2017年7月の「バーバゾルチャンピオンシップ」でPGAツアー初優勝を挙げたマレー選手でしたが、その後は思うような成績が残せずに苦労した経験があります。アルコール依存症とうつ病の症状に苦しみ、治療に取り組んでいたそうです。しかし2023年のコーンフェリーツアー(米国男子下部ツアー)で年間2勝を挙げてPGAツアーに復帰し、PGAツアーでも復活優勝を遂げました。
そこからわずか5カ月後に自ら命を絶つ道を選ぶとは誰も予測していなかったでしょうが、ご本人にしか分からない苦悩があったのだと思います。
ツアーの舞台は華やかだが光と影のコントラストが強い
PGAツアーをはじめとする世界各地のゴルフツアーは、すべてのゴルファーが憧れる華やかな舞台ですが、華やかであるからこそ勝者と敗者のコントラスト、強者と弱者のコントラストが際立ちます。
毎週100人以上の選手が出場する中で優勝の喜びを味わえるのはたった1人です。敗れた選手たちは悔しさをかみしめながら次の試合へと向かいます。
ツアーに出場しただけで賞金が稼げるわけではありません。国内男子ツアーおよび女子ツアーは基本的に予選を通過できなければ賞金はゼロです。優勝すれば高額賞金を手にするチャンスがある一方で、予選落ちが続くと赤字が雪ダルマ式にふくらむ強烈な格差社会なのです。
そのような過酷な戦いに果敢に挑む若者を支援するためスポンサーに名乗りを上げる企業もありますが、すべての選手が十分な支援を受けられるわけではありません。注目度の高い選手、活躍が目覚ましい選手にスポンサーが集まり、成績が残せない選手からはスポンサーが離れていきます。
ある日本人男子選手を取材したとき、「他のスポーツ選手と比べてこんなにキツイ仕事はないですよ」という本音を聞いたことがあります。野球やサッカーなどのチームスポーツのプロ選手は、試合に行くときの交通費と宿泊代はチームが負担します。試合に勝っても負けてもチームから給料が出ます。
しかしプロゴルファーは個人事業主ですから、交通費も宿泊代も自腹です。それなのに予選落ちすると収入はゼロですから、実力と胆力を兼ね備えた選手じゃないと活躍することができません。
2022年にスタートした男子ゴルフの新リーグ「LIV(リブ)ゴルフ」は、選手たちが3日間予選カットなしの54ホールストロークプレーで争う個人戦と、4人1組に分かれての団体戦を同時進行します。その試合形式が世界ランキングのポイントを付与しない理由になっていますが、逆にいえば予選カットなしで賞金がもらえるのはプロゴルファーにとって非常に魅力的なフォーマットということなのでしょう。
ゴルフファンは毎週どこかで行なわれているゴルフツアーを何気なく見ていますが、その試合に出場している選手たちは想像以上のプレッシャーと戦っているのかもしれません。
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