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- プレーを急ぐあまり“ショットを打つ人より前に出る”人が増えた気が… 失明のおそれもある「打球事故」の恐ろしさとは?
先月開催されたPGAツアー「ZOZOチャンピオンシップ」で、松山英樹選手のショットが女性ギャラリーに当たる事故が起きました。プロですらショットを曲げて打球事故を起こす危険性があるのですから、アマチュアは細心の注意をはらう必要があります。
危険なプレーをするゴルファーが増えている?
ボールが同伴者やキャディーに当たってしまう「打球事故」は恐ろしいものです。未然に防ぐためには「ショットを打つ人の前に出ない」ことが大切ですが、最近ではこのマナーを守れていないゴルファーがいるようです。
筆者はコンペに参加する機会が多いので、初対面の人と一緒に回ることがけっこうあります。そうすると自分のボールに先回りする人に、何回かに一回の割合で遭遇します。そんなときは自分のスコアメイクを諦め、先回りする人にボールを当てないマネジメントに徹します。
アマチュアのラウンドの原則は、ショットを打つ人の前に一歩たりとも出ないことです。筆者がゴルフを始めた25年前は、そのことを口がすっぱくなるほどいわれたものです。しかし最近は、平気でショットを打つ人の前に出るゴルファーがいます。プロのトーナメントでは飛距離の出る選手が自分のボールに先回りしますから、それが正しいと誤解しているのかもしれません。
前方に先回りする人がいるときは「後ろから打ちます!」と大きな声で伝えます。すると左サイドか右サイドにほんの少しよけてくれます。本当は木の後ろなどに隠れてほしいですがそこまで要求するのは難しいので、相手がこちらを見ていることを確認したうえでショットを打ちます。しかし左前方に人がいたらどうしたって右方向に打つことになりますし、右前方に人がいたら左方向に打ちます。
自分のボールに先回りする人は、上級者にもビギナーにもいます。上級者は自分のショットの精度がそれなりに高いので、同伴者のショットもそこまでひどくはないだろうと思い込んでいるフシがあります。ビギナーは、スロープレーへの懸念から先回りしようとする傾向があります。
しかし冷静に考えてみれば、アマチュアのショットの精度なんてたかが知れています。プロゴルファーですら、ショットを曲げてギャラリーに当ててしまうことがあるのですから。先月開催されたPGAツアー日本開催の「ZOZOチャンピオンシップ」でも、松山英樹選手のショットが女性ギャラリーに当たり、流血する事故が起きました。
自分のボールに先回りする人は、「自分のところには飛んでこないだろう」「飛んできてもよけられる」と過信しています。そのような過信が打球事故につながるケースを、筆者はこれまで何度か目撃しています。
打球事故で出血したり、失明したり、死亡するケースも
筆者が目撃した打球事故は脚や腕にボールが当たった打撲程度で済みましたが、ゴルフ場関係者の話では打球が顔に当たって出血したり、目に当たって失明、頭部に当たって死亡する事故などが実際に起こっています。
先日久しぶりにキャディーつきプレーのコンペに参加しましたが、そのときのキャディーさんはスタート前に「ショットを打つ人の前には絶対に出ないでください」と注意喚起していました。そのキャディーさんに「お客さんの打ったボールが当たったことはありますか?」と質問したところ、「何度もありますよ。めちゃめちゃ痛いですよ」と顔をしかめていました。
「私たちは4人のお客様のボールの行方を見ながら順序よくテキパキ動かなければならないので、ショットを打つ人の前に出ざるを得ない場面があります。そのときはもちろんショットの邪魔になる場所に立つことはありませんし、ボールの行方から目をそらすこともありません」
「しかしグリーン方向に飛ぶと思っていたショットがシャンクしてこちらに飛んでくると、さすがによけきれません。頭と顔を守るのが精いっぱいで、体に当たってしまうことがあります。お客様にはゴルフを楽しんでいる最中にそんな痛い思いをしてほしくないですから、ショットを打つ人の前に出ないでという注意は必ずお伝えしています」
ゴルファーのボールの行方を見守るプロフェッショナルであるキャディーでさえ、ボールをよけきれないときがあるのです。アマチュアがボールをよけられる保証はどこにもありません。ボールが飛んでこない場所で待つのが鉄則といえるでしょう。
ちなみにショットを打つ人の前方に木があるときは、木に当たって跳ね返ることもありますから、ショットを打つ人の前に出ていなくとも用心が必要です。いずれにしても打球事故が起こって良いことなんて一つもありませんから、みなさんくれぐれも安全第一でラウンドを楽しんでください。
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