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- 70歳以上の割合は10年で約2倍に! ゴルフ場の来場者数が激減するという“2025年問題”は本当に起こるの?
ゴルフ場業界が危惧している「2025年問題」。実際、現場ではどのような対策を考えているのでしょうか。
2025年になっても来場者が急に減るとは思っていない
ゴルフ場業界がかねてから危惧していた2025年問題。ゴルフ場の来場者の中で主軸を担ってきた団塊の世代(1947~49年生まれ)が75歳以上の後期高齢者となり、ゴルフをやめる人が急増するのではないかと懸念されていました。その2025年がいよいよ到来しました。2025年問題は本当に起こるのでしょうか? ゴルフ場関係者の率直な意見を訊いてみました。
「ゴルフ場の来場者における高齢者の割合が増えているのは事実です。うちのゴルフ場は2024年の来場者の中で70歳以上の割合が26.4%でした。この割合は2016年の時点で14.1%でしたから、8年前と比べて12.3%増えています」
「一方で、新型コロナウイルスの流行を機に、ゴルフは三密を避けて楽しめるスポーツということで注目を集め、2021年から来場者が急激に増えました。2024年は来場者の伸びが落ち着きましたが、過去最多を記録した2023年と同水準の来場者が訪れました」
「そんな中、団塊の世代の人たちは今でも元気にプレーしているんですよね。うちのゴルフ場では団塊の世代が30人くらい集まるコンペが毎月開催されていますし、その世代の人たちが中心になって開催している各企業のOBコンペも毎週行なわれています」
「2025年になったからといって、その人たちが急にゴルフ場に来なくなるという実感は今のところありません。日本人の健康寿命が何歳くらいか分かりませんが、ゴルフをしている人たちの健康寿命は平均よりもかなり長いと思います」
厚生労働省が2024年12月に公表した2022年の健康寿命の推計値は、男性72.57歳、女性75.45歳でした。ちなみに健康寿命とは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間のことです。
この年齢だけを見れば、団塊の世代は健康寿命の推計値を超えていますが、ゴルフ場ではたくさんの70代以上の人たちが元気にプレーしている姿を見かけますから、ゴルフ場関係者にとって実感が湧かないのも当然かもしれません。
対策としても非常に効果的です。
来場者が徐々に減ることは想定して対策を立てている
そもそもゴルフ場業界で最初に危惧されていたのは2015年問題でした。団塊の世代が65歳以上になり、仕事をリタイアしてゴルフのつき合いが減ると同時に、収入が少なくなるのでラウンド数も減るのではないかといわれていました。
ところがフタを開けてみると、団塊の世代は仕事をリタイアしてからもラウンド意欲が旺盛で、むしろ平日来場者の主軸を担ってくれました。関係者はホッと胸をなで下ろし、「これなら10年は安泰」とばかりに2015年問題を10年先送りにしました。
そして10年経っても元気にゴルフをしている姿を目の前で見ているわけですから、そんなに極端なことは起こらないだろうというのがゴルフ場の見立てです。
ただし、団塊の世代が10年後も20年後も元気にゴルフをしているかというと、そこまで楽観的な見方はしていないとのこと。
「5年後から10年後の間には団塊の世代がゴルフ場に来なくなる未来はもう見えています。ですから今はシニアのみなさんに少しでも長くプレーしてもらえる環境を整えながら、若い人たちをどうやって育てていくか考えています」
「うちの場合は来場者数を安定させるためにはメンバーさんが今後、重要になっていくんじゃないかと思っています。やっぱりメンバーになっていただくと来場頻度が増えるんですね」
「うちの会員権は相場も名変料も安いですから、会員権を欲しがる方もけっこういらっしゃいます。40~50代の方に入会していただき、今から20~30年ゴルフを楽しんでもらえるような新陳代謝を高める仕組みを作ろうとしているところです」
幸いにも今は若い人たちの間でゴルフがすごくポジティブな印象で見られています。2025年はコロナ禍でゴルフを始めた若者たちを定着させる環境整備が急がれる1年になりそうです。
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