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- 法律違反じゃないの!? 茨城県つくばみらい市が市職員の「ゴルフ場での副業」を解禁した理由とは?
ゴルフ場では人材不足が問題となっています。キャディーは派遣が多く、外国人の技能実習生が働いていることも珍しくありません。最近では、スキマバイトで応募してきた人材が活躍していると聞きます。そんな中、茨城県のつくばみらい市が公務員である市職員に市内ゴルフ場での副業を認めるという報道がありました。早速、つくばみらい市の担当者に話を聞いてみました。
コースの人材不足解消は市のためでもある
つくばみらい市とゴルフ場との関係性について市の担当者に話を聞くと「ゴルフ場は関係人口創出や税制面で、市のこれまでの発展に寄与してきた地域資源となっています。ゴルフ場の声としては、コースのメンバーが減るというよりも、この先コースで働く人がいなくなることを懸念しています」(つくばみらい市職員)

つくばみらい市には、「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」が開催されている茨城ゴルフ倶楽部を初め、常陽カントリー倶楽部、筑波カントリークラブ、そして取手国際ゴルフ倶楽部と、いずれも名門といわれる歴史ある4つのゴルフ場があります。そして、いずれのコースもインターネットなどでのビジター集客などを積極的に行っていないことでも共通しています。
それゆえに市民がプレーする機会も限られていて、ゴルフ場との接点が少なく市民にとって「職場としてのゴルフ場」が候補に上がりにくい現状があるそうです。
一方で、4つのコースからはゴルフ場利用税による収入(茨城県と市の税収となる)や、利用者が近隣飲食店に立ち寄ることによる地域振興などもあり市に大きく貢献している存在といえます。
だからこそ市内ゴルフ場の人材難は、つくばみらい市にとっては一企業の問題と静観するわけにもいかないということのようです。
プレー機会の増加は市民とゴルフ場双方のメリットになる
ゴルフ場の人手不足は、ゴルフ場利用者に対してもデメリットになることがあります。
「つくばみらい市内のゴルフ場では、メンバーが予約なしにプレーに来ることがあります。その際にキャディーがいないとなるとプレーができず、機会損失につながっているという現状もあるそうです」(つくばみらい市職員)
メンバーであれば予約なしにプレーを受け付けるコースもあり、会員となるメリットの一つでもあります。ところがコース側にその準備ができていないと、売り上げや税収減につながってしまいます。
そこでつくばみらい市が、市職員のゴルフ場での副業を認めるという英断に踏み切ったわけです。もちろんキャディーやコース管理といったゴルフ場特有の職種もあるため、副業する人材がゴルフ場でどこまで活躍できるかは、今後注目になります。
つくばみらい市では副業の解禁とともに、市内公立中学校の職業体験も計画しているようです。また筑波カントリークラブではレストランのシェフが腕を振るったクリスマスケーキを、市内のこども食堂にプレゼントといった企画を実施。市民とゴルフ場の交流機会は増えてきているそうです。
地域を守りたい他の自治体にとっての試金石となるか
つくばみらい市と市内4つのゴルフ場とは包括連携協定を結んだ段階であり、実際に副業がスタートするのはまだ先とのこと。それまでに決めるべきことは、たくさんあるようです。
例えば日給や時給について聞くと、「そこはこれから決めることになります。ゴルフ場との調整が必要になるかと思いますが、4つのゴルフ場の雇用条件に大きな差が出ないようにしたいと考えています。実際に職員がゴルフ場で副業する時期についても、これからの決定になります」(つくばみらい市職員)との回答。
ゴルフ場が地域の資源となっている自治体は他にも多くあります。そのうち多くの自治体では、従業員の高齢化などによるゴルフ場の人手不足は悩みの種となっているはずです。そういった問題解消の活路として、今回「市職員による副業解禁」や「市民との積極交流」は一つの試金石になりそうです。
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