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- ボールが小石だらけのビーチへ! 世界No.1が大ピンチをスマートに切り抜けた「ルースインペディメント」のルールとは?
「AT&Tぺブルビーチナショナルプロアマ」2日目、スコッティ・シェフラーがルールをしっかりと理解したスマートさで窮地からパーをセーブする場面がありました。
ボールがペナルティーエリアにあるとき暫定球をプレーすることはできない
ローリー・マキロイが存分に実力を発揮し、圧勝で今季初優勝を飾った「AT&Tぺブルビーチナショナルプロアマ」。そのマキロイが「彼のような、ミスの少ないスマートなゴルフをしたい」と目標にしていると明かしたのが、右手のケガから復帰し、同大会が今季初戦となったスコッティ・シェフラー。いうまでもなく、現在、世界最強のプレーヤーです。

大会2日目、ペブルビーチゴルフリンクスをラウンドしたシェフラーは、そのスマートさで窮地からパーをセーブする場面がありました。
ペブルビーチの18番パー5はティーイングエリアからグリーンまで左手が海沿いの美しいホールです。海岸の縁は低い断崖で、崖の下は基本的に岩場。ところどころでゴロゴロと石が転がる砂浜が見られます。
そのホールでシェフラーはティーショットをやや引っかけ、ボールはビーチの方向に飛んでいきました。
「落ちどころを見てたけど、岩に当たったようでもないし、水しぶきも上がらなかった」とシェフラー。そこで彼は、キャディーのテッド・スコットと「落ちたと思えるあたりには砂地もあるから、ストロークできるかもしれないけど。暫定球をプレーできるのかな。あそこまで300ヤードも歩いて、プレーできないからって、またここに戻ってくるのは嫌だからなあ」と話していたそうです。
彼が近くにいたルールオフィシャルにこの後の処置を尋ねると、オフィシャルの答えは「打球はティーの少し先でペナルティーエリアのラインを横切った。ボールはハザード(レッドペナルティーエリア)にあるから、暫定球をプレーすることはできない。(ボールを確認して)もし打ち直すことになれば、横切った地点まで、私がカートに乗せてあげるから」というものでした。
ルール上、ボールがペナルティーエリアにあることが分かっているか、事実上確実な場合、プレーヤーは暫定球をプレーすることはできません。
にもかかわらず「暫定球」としてプレーした場合、その一打は「ストロークと距離」の罰でプレーされたボールになります。そして、初球は放棄されたことになり、ストローク可能な状態で見つかってもプレーはできません。
砂や土にくい込んだ石も簡単に拾い上げることできればルースインペディメント
さて、シェフラーのボールですが、石だらけの砂浜の石と石の間に止まっていました。でも、そのままでは安全・確実に打てそうにありません。
そこで彼はオフィシャルに相談しながら、ボールが動くことのないよう慎重に周りの石を取り除くことにしました。
旧ルールでは、ハザード内にある石や木の葉などのルースインペディメントは、触れたり動かすことはできませんでした。しかし、現在のルールでは、ルースインペディメントはコース上のどこでも、プレーヤーは取り除くことが許されています。ただし、グリーン以外では、その取り除きが原因でボールが動いたときは1罰打で、ボールはリプレースしなければなりません。
また、このケースのように砂の上にある石は、砂や土に埋まっていても簡単に拾い上げられる状態であれば(固く食い込んでいなければ)、ルール上のルースインペディメントとして処理することができます。
シェフラーはボールの周囲の石を丁寧にクリア。ボールはあるがままで、第2打でフェアウェイに戻し、結局このホールを3オン・2パットのパーでホールアウトすることができました。そして、最終的には9位タイの好成績で、このタフなフィールドのトーナメントを終えています。
オフィシャルに相談しながらも、トラブルを冷静に対処したお陰でした。
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