- ゴルフのニュース|総合ゴルフ情報サイト
- 記事一覧
- コラム
- 世界No.1は“ルールの理解もNo.1”!? シェフラーが“救済の救済”を使って大ピンチからパーセーブした手順とは?
現地時間の16日まで開催されたタイガー・ウッズのホスト大会にして、格上のシグネチャーイベントでもあるPGAツアー「ジェネシス招待」。世界No.1ランカーのスコッティ・シェフラーも出場し、プレーの実力だけでなくルールの理解にも秀でていることを見せつけました。
シェフラーが無罰の救済を2つ使ってパーをセーブ
ルドビグ・オーベリが逆転で優勝した「ジェネシス招待」。その2日目のこと。松山英樹、コリン・モリカワとラウンドした世界No.1ランカーのスコッティ・シェフラーは、11番パー3でティーショットを左に引っかけてしまいます。打球はカート道路で大きく跳ね、左奥の12番ティーのすぐ横、深いラフのなかに飛び込みました。

パーセーブは難しい状況でしたが、そこで彼は無罰の2つの救済、ドロップとプレースを受けることができ、結果、整備されたティーボックスの芝のライから第2打のアプローチショット。ボールはピン横1メートルほどについて、難なくパーをセーブしています。
そこで彼が選択できた無罰の2つの救済と何だったのか? TV放送等で観戦するファンの間からは、いぶかる声が多数挙がったようです。
むろん彼は規則に反したわけではありません。その一部始終をPGAツアーがYouTubeでシェアしていますから、確認してみてください。
救済のドロップ後に救済のプレースをして打ちやすいライに
さて、最初の救済のドロップですが、これは大会のローカルルールが定める「臨時の動かせない障害物」(TIO)からの救済です。
シェフラーが12番ティー近くのボールにアドレスすると、ティーの脇に設置された看板(クーラーボックスの囲い?)が、彼が意図するスタンス、もしくはスイングの障害になったようです。
この看板はローカルルール(ローカルルールひな型F-23)が指定する「臨時の動かせない障害物」(TIO)。そのため、彼はその障害を避けられる救済エリアに無罰でドロップすることができます。
その救済処置は、まず看板が物理的な障害にならず、かつ介在の障害(ボールとホールを結んだ直線上に介在すること)にもならない、「完全な救済のニヤレストポイント」を決定します。動画では、白旗の小さなフラッグが立った箇所がそれでしょう。
そして、そこを救済の「基点」として、ホールに近づかない1クラブレングスが「救済エリア」になります。ただし、この「救済エリア」もそのTIOによる物理的な障害と介在の障害の両方から完全な救済になっていなければなりません。動画では、シェフラーのドロップを後方からチェックするオフィシャルの姿が見られます。彼は、ボールの真後ろから「介在の障害」の有無、つまりドロップしたボールとホールを結んだ線上に看板が介在しないことを確認していると思われます。
TIOからの救済を選択したシェフラーですが、1クラブレングスの端に12番ティーボックスがかかることが分かると、「救済エリア」のマーキングに長い時間をかけています。
それが2つ目の「救済」に関係するからです。
この日はすべてのコース上で「プリファードライ」の救済が採用されていました。つまり、ボールがジェネラルエリアのフェアウェイの長さかそれ以下に刈られた部分に触れているとき、プレーヤーはそのボールの箇所を基点に、基点よりホールに近づかない1クラブレングスの「救済エリア」にプレースすることができるのです。
そこでシェフラーは何としてもドロップしたボールを(芝が短く刈られた)ティーボックスに止め、そこから次に「プリファードライ」の救済でプレースしたかったのです。
動画からは、シェフラーが2つのローカルルールを利用して、ボールをより良いライに置こうと腐心する様子がうかがえます。
そして、結果は見事にパーセーブ。最終成績も優勝したオーバーグと3打差の3位タイという見事な成績でした。
最新の記事
pick up
ranking