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- 「アンプレヤブル」の処置は適当にやってたらモッタイナイ! 知って得する頭脳的ドロップの方法とは?
アンプレヤブルのボールの救済は1罰打ですが、ルールを熟知すれば、次をより有利な箇所からプレーできる可能性があります。あまり深く考えたことのなかった「アンプレヤブルの救済エリア」について、規則のおさらいです。
「異常なコース状態」の救済はボールがあったコースエリアと同じエリアに限定
アンプレヤブルのボールの救済は1罰打ですが、ルールを熟知すれば、次をより有利な箇所からプレーできる可能性があります。あまり深く考えたことのなかった「アンプレヤブルの救済エリア」について、規則のおさらいです。

「アンプレヤブル」の前に、よりお世話になることが多い「異常なコース状態(「動かせない障害物」や「一時的な水」を含む)」からの無罰の救済について。
その「救済エリア」は、ジェネラルエリアのボールの場合、「完全な救済のニヤレストポイント」を基点に、ホールに近づかない1クラブレングスの範囲で、そのエリア内にドロップができます。ただし、基点と「救済エリア」はともにジェネラルエリアでなければなりません。
また、バンカー内のボールの場合も、「完全な救済のニヤレストポイント」と「救済エリア」は、そのバンカーの中でなければなりません。
ただし、1罰打を付加すれば、ボールとホールを結んだ、バンカー外の後方線上にドロップすることができます。その場合、ドロップする地点は後方線上であれば距離に制限はなく、またどのコースエリアでもかまいません。つまり、ジェネラルエリアだけでなく、ペナルティーエリアやほかのバンカー内にドロップすることも規則上は可能です。
なお、このときの「救済エリア」は、ドロップしたボールが最初に地面に接した地点から方向に関係なく1クラブレングスの円内で、かつドロップした地点と同じコースエリアでなければいけません。つまり、ジェネラルエリアにドロップしたボールが「救済エリア」内のバンカーやペナルティーエリアに転がり込んだ場合は、再ドロップをしなければなりません。
「アンプレヤブル」の救済はどのコースエリアも選択可能
ここからが本題。アンプレヤブルの「救済エリア」について、です。
まず、アンプレヤブルの1罰打の救済は、ボールがジェネラルエリアかバンカー、もしくは(常識的には考えられませんが)グリーン上にあるときに限られます。ボールがペナルティーエリアにあるときは、アンプレヤブルの救済は不可で、そのままプレーするか、ペナルティーエリアに止まったボールの救済(規則17)を選択するしかありません。
そこで、ジェネラルエリアでのアンプレヤブル(規則19.2)の「救済エリア」ですが、次の3つになります。元の箇所に戻っての打ち直しとなる「ストロークと距離の救済」と「後方線上の救済」、そして「ラテラル救済」です。
このうち「ラテラル救済」(規則19.2c)の場合、その「救済エリア」は元のボールの箇所を基点に2クラブレングスの範囲です。
ただし、これには制限があって、
「基点よりホールに近づいてはならない」
「どのコースエリアでもよい」
「基点から2クラブレングス以内にコースエリアが複数ある場合、その球は救済エリアにドロップしたときに最初に触れたのと同じコースエリアの救済エリアに止まらなければならない」と規定されています。
つまり、2クラブレングスの「救済エリア」にバンカーやペナルティーエリア、(非現実的ですが)グリーンがあれば、そこにもドロップできるということ。ですから、バンカーショットが得意なプレーヤーであれば、「深いラフよりは簡単だから」と、バンカー内にドロップすることが可能です。
また、グリーン周りのラフに止まったとき、「救済エリア」にグリーン周りのカラーがかかっておれば(もちろん、グリーンでも可)、あえて1罰打で、次はカラーからアプローチパットという選択が考えられます。
「後方線上の救済」(規則19.2b)も同様です。選択したプレーヤーは距離の制限がなく、後方線上のジェネラルエリアやバンカー、ペナルティーエリア、そしてグリーンのどこにでもドロップできます。そして、この場合の「救済エリア」は、ドロップしたボールが最初に地面に接した地点から方向に関係なく1クラブレングスの円内です。
ただし、「ラテラル救済」「後方線上の救済」とも、ドロップしたボールは最初に接したと同じエリアの「救済エリア」に止まらなければなりません。
最後に、バンカー内のアンプレヤブル(規則19.3)ですが、「救済エリア」はジェネラルエリア(規則19.2)と同じく、「ストロークと距離の救済」「後方線上の救済」「ラテラル救済」の3つ。ただし、後者2つの「救済エリア」はそのバンカー内に限られます。しかし、さらに1罰打(計2罰打)で、バンカー外の後方線上も選択できます。その場合の「救済エリア」は、前述の規則19.2bと同じです。これについては全米ゴルフ協会(USGA)の公式インスタグラムでも詳しく解説されています。
ということで、アンプレヤブルの「救済エリア」は、ジェネラルエリアにおいては、コースエリアの制限がなく、プレーヤーはより有利or得意なドロップ箇所を選択できます。いつそうしたチャンスがあるとも限りません。頭の中にとどめておいてください。
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