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- プロゴルファーでも悩み続ける“パッティング” 新人プロが語った「パット巧者が見ている世界」とは?
アマチュアだけでなく、プロも悩んでいる人が多い「パッティング」。パットがうまい選手はどのような思考で毎回ストロークしているのでしょうか。
プロでも短いパットが毎回入るわけではない
国内女子ツアー「ダイキンオーキッドレディス」は前年覇者の岩井千怜選手が後続に4打差をつけて大会連覇を果たしましたが、一時は首位に4~5人が並ぶ大接戦でした。バックナインで短いパットを外した選手から順番に、優勝争いから脱落していきました。
優勝した岩井選手の最終日のパット数が26パットだったのに対し、2位タイの木村彩子選手が29パット、申ジエ選手が30パット、菅楓華選手が32パットと、パット数の差がストローク数の差に直結しました。

試合会場の琉球ゴルフ倶楽部(沖縄県)のグリーンが、芝目が強くてラインが読みづらいコウライグリーンだったということもありますが、1メートル前後の短いパットが次々と外れ、選手たちが首をかしげる姿を見ていると、「パッティングというのは本当に難しいんだな」ということを思い知らされました。
パッティングは狙ったところに打てば入るというものではありません。ラインの読みとストロークの強弱が一致したときに初めてカップインの心地よい音が響き渡ります。
実況アナウンサーは、グリーンを狙ったショットがピンそば2~3メートルに止まるたびに「これはバーディーチャンスだ!」と伝えます。ピンそば2~3メートルは遠目から見ると確かに近いように感じますが、その距離のバーディーパットが必ず入るかというと、そんなことはありません。「おっと、カップに蹴られた!」というアナウンサーの悲鳴にも似た叫びとともに、ギャラリーの落胆のため息がこぼれます。
7~8メートルのバーディーパットが惜しくもカップの脇を通り抜け、1メートル前後の距離が残った返しのパットも油断できません。選手たちはフェースの向きを丁寧に整え、ボールを真っすぐ打ち出しますが、フェースがほんの少し開いたり閉じたりしただけでボールは無情にもカップインしません。
その1ストロークで賞金が100~200万円どころか1000万円以上違ってくることもあるわけですから、本当に大変な職業です。
パットが苦手だとストロークばかり考えてしまう
女子ツアーのシーズン開幕前に発売された「JLPGA公式女子プロゴルフ選手名鑑2025」にも、ツアールーキーたちがパッティングの難しさを語る場面がありました。
2024年最終プロテストトップ合格の寺岡沙弥香選手、2位タイ通過の徳永歩選手、都玲華選手の3人は、選手名鑑に収録されている「新人クロストーク」でいずれもパッティングが課題だと告白しています。
寺岡選手は「プロテストの時も第1日目のスタートの20分くらい前に持ち方を変えて、最終日にもう1度変えて、テストが終わってからはグリップを換え、QT(ツアーの予選会)でも握り方を変えました」とパッティングスタイルが定まっていないことを打ち明けました。
徳永選手は「私はプロテストの1、2番ホールで短いパッティングを外した時に、クロスハンドで握っていたのを途中で順手に変えました。そしたら途端に入り出しました」というエピソードを披露しました。
都選手も「私もパッティングが課題です。特に短い距離で外すと気が滅入ってグリーンに行きたくないと思ってしまうくらいです」とつらい心境を吐露しています。これに続く言葉がとても印象に残りました。
「パッティングがうまい人を見ていると、構えた瞬間から“カップ側に世界が広がっている”感じがあります。(中略)私は怖くて自分の近くばかり見てしまう。ストロークのことばかり考えてしまうんです」
ストロークのことばかり考えてしまうというのは、ショットに置き換えるとスイングのことばかり考えてしまうということです。でも、ショットで大事なのは弾道をイメージし、イメージどおり打つことです。パッティングも体の動きやヘッドの動きを気にするのではなく、ボールの軌道をイメージし、イメージどおり転がすことが大事なのでしょう。
アマチュアはパターの練習量が圧倒的に不足しているので、プロのパッティングをマネするのは到底無理ですが、このような考え方を参考にすることはできるかもしれません。
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