- ゴルフのニュース|総合ゴルフ情報サイト
- 記事一覧
- コラム
- “フジ系”制作の女子ゴルフで時系列の重大な誤りが発覚! トーナメントの録画中継に“演出”はあるのか?【小川朗 ゴルフ現場主義!】
“フジ系”制作の女子ゴルフで時系列の重大な誤りが発覚! トーナメントの録画中継に“演出”はあるのか?【小川朗 ゴルフ現場主義!】
プロ15年目、工藤遥加の初優勝で幕を下ろした「アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI 2025」。苦労人が遂につかんだ栄光に祝福の声が鳴りやみませんでしたが、その裏ではトーナメント中継の根幹を揺るがす事態が起きていました。
現場にいたファンが帰宅後に放送を見て時系列がおかしいことに気づく
3月30日に放送された「アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI 2025」最終日の中継映像が物議を醸しています。U-NEXTのライブ配信とVTR中継(録画)のBS10(制作協力:関西テレビ=以下カンテレ、制作著作:UMKテレビ宮崎)の映像において、表示された小祝さくらと河本結のスコアとホールが明らかに食い違っており、その事実がラジオ番組での投書により発覚しました(編注:BS10に先立ち地上波でもカンテレほか26局ネットでディレイ放送がありましたが、齟齬が最初に確認されたのが夜のBS10での放送)。

U-NEXTの映像では河本が先にホールアウトしており、インスタートの小祝はこの時まだ9番をプレー中だったのに、テレビ中継の映像では小祝が先にホールアウトし、河本がプレー中であるかのように表示されていました。アナウンサーも「現在クラブハウスリーダーが小祝さくらの8アンダー。ですから、河本はここで優勝の可能性はなくなりましたね」と、この重大な誤りを実況で“追認”していました。
大多亮社長が辞任を発表(4月4日)する直前の関西テレビに、一体何が起こっていたのでしょうか。当事者であるスポーツ局長とプロデューサーを直撃すると、驚きの事実が明らかになりました。
※ ※ ※
衝撃の事実が判明したのはFMラジオ局インターエフエム「グリーンジャケット」の4月5日放送分。リスナーのAさんから届いた以下の投稿がきっかけでした。
「18番の(河本の)バーディートライが映し出されたのですが、その実況で『このバーディパットが入らなければ(正しくは入れば)、クラブハウスリーダーの小祝プロに並びます』と(話していましたが)実際に小祝プロがホールアウトしたのは河本プロよりも遅かったのです」(リスナーの投書より)
読み上げたのは、番組パーソナリティーのタケ小山氏。河本が最終ホールでプレーしていた時、すでにインスタートの小祝はホールアウトしており「クラブハウスリーダー」であったというのが実況の内容。この時、画面右下に表示されているリーダーボードにも小祝のスコアの横にホールアウトしたことを意味する「F」(フィニッシュの略)が入っており、河本の「-7」というスコアの右には17ホールを消化して18番をプレー中であることを表す「17H」が明示されていました。
これが事実なら問題はないのですが、この実況もスコアの表示も実際とは違っていました。リスナーの告発はさらに続きます。「現場で私は河本プロがホールアウトしたのを見届けて、9番ホールの小祝プロのプレーを見に行ったのですから、どうしてわざわざこういう構成に(原文ママ)必要なのか理解ができません」(リスナー)
時系列の誤りはライブ配信でトーナメントを中継していたU-NEXTのアーカイブ映像と比較すれば一目瞭然です。こちらはライブだけに、事実に忠実な配信を行っていたため、河本がホールアウトした直後のスコア「-7」と右に「F」が入った時、小祝がまだプレー中で「-8」の脇に9番ホールにいることを表す「8※」(※はインスタートの意味)が表示されていました。
熱心なファンだからこそ、優勝争いをしている河本が18番を7アンダーでホールアウトしてクラブハウスリーダーになったのを見届けたうえで、インスタートからの大まくりを演じている小祝の最終ホールである9番へと駆けつけられたわけです。「私が9番に着いた時、小祝プロは第2打地点でグリーンが空くのを待っていました」(Aさん)。
この後、小祝が8アンダーの単独2位でホールアウトしてクラブハウスリーダーとなります。首位を走る工藤遥加はこの時15番をプレー中でスコアは9アンダー。優勝経験者たちの猛追に遭いながら重圧と闘い続けていました。(最終的に工藤は10アンダーで2位の小祝に2打差をつけツアー初優勝)。そうした現場を目に焼き付けてきた直後だけに、テレビの映像を見て愕然とし、ラジオ番組への投稿につながったわけです。
最新の記事
pick up
ranking