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雨ゴルフ“キャンセル”をめぐる格差と攻防とは? 「名門vs大衆」「決行派vsやりたくない派」「客vsコース」…/木村和久『ゴルフ=レジャー宣言』
「ゴルフはスポーツか? それともレジャーか?」――600万人ともいわれるゴルファーのなかでは見解はさまざまだと思いますが、あなたはどう考えますか? ゴルフを筆頭に、平成~令和の日本を縦横無尽に遊び尽くしてきたコラムニストの木村和久氏が、浅いのか深いのかよく分からないこの問いを考察していきます。
メガネは曇るし、体は冷えるし、後で風邪をひくかも…
雨のゴルフは嫌ですよね。メガネは曇るし、体は冷えるし、後で風邪をひくかもしれません。レジャーゴルフ派としては、中止やキャンセルを望みたい気分です。

しかし、現実はシビアです。同伴プレーヤーへの義理と人情や高額なキャンセルフィー徴収により、行かざるを得ない場合があるのです。
というわけで、今回は雨のゴルフはどうなればキャンセルになるのか? その境界線を探ります。
1.名門倶楽部とネット予約大衆コース
先日茨城の名門倶楽部で雨の中ラウンドをしたのですが、来場者は5組で、うちらのコンペが4組でした。つまり、桜満開のトップシーズンなのに、プライベートの参加はたった1組だったということです。
しかも実際は小雨で風もなく、ラウンドにさほど支障はきたしませんでした。名門倶楽部はリタイヤしたお金持ちメンバーが多いので、雨が降ればまた来週やれば良いとキャンセルが多いのです。
もちろんキャンセルフィーはなし。恐らく年間のキャンセル損失分を予め計算して、料金設定をしているのでしょう。だから年会費が8万円以上して、ビジターフィーが高いのかも。でも雨は休むというワガママが通用する、メンバーコースって素敵じゃないですか。
一方、ネット予約できる大衆コースは、予約したゲストの顔が見えません。だから、他のコースとダブルブッキングした挙句にキャンセルとかね。天候に関わらず勝手気ままにキャンセルすることが多いので、最近はキャンセルフィーを徴収するようになりました。
これはこれで良いと思います。とりあえず予約しておけのビジターが多いですから。コース側の防衛策としてはアリでしょう。
2.一般のキャンセルとコンペのキャンセル
雨予報の場合、一般のラウンドはプレー前日の昼にプレーかキャンセルかを決めることが多いです。その昔は当日の朝コースに行って決めることもありましたが、今は皆さんそんなに暇じゃないです。
キャンセルするか否かは降雨量の予想で決めます。1時間1ミリがひとつの目安かな。1ミリ以下ならプレー決行、2ミリを超えたらキャンセルを進言します。ゆえに1ミリから2ミリの間が悩みどこか。あとは人間関係とかね。予約者とのしがらみで、プレーしたことは多々あります。
一方、コンペの場合は賞品やゴルフバッグをゴルフ場に前もって送ることが多いです。それをバラすと大変な労力になってしまう。ましてや賞味期限のある食べ物などは、どこに戻せというのでしょうか。
だから、コンペは幹事が「やる」と言ったら参加するようにしています。そもそも雨でバラしたら、莫大なキャンセルフィーを払うことになります。そう考えたら出てあげた方が良いのかな。ハーフだけやって、パーティーをやるのもありです。18ホール回れなくたって、気の置けない仲間の顔を見れば「いと楽し」ですよ。
3.ゴルフ場でのキャンセル&クローズ
プレーヤーは朝ゴルフ場に行っても、チェックインしない限りプレー代は取られません。やっぱり雨が降ってきたからやめるという場合、そのコースの規定のキャンセルフィーを払えば済みます。ただ、当日のキャンセル代はかなり取られますけど。
逆に、スタートして1ホール回り、大雨が降ってきてプレーヤーが勝手にやめても、18ホール分のプレー代を払うことになる場合が多いでしょう。
それでは、ゴルフ場側のキャンセル、すなわちクローズはどういう状態で起きるでしょうか。ずばり、パターが出来なくなったらクローズです。
だから豪雨でフェアウェイが小川状態になっても、カジュアルウォーターの処置で、打てるところから打ってくださいとなります。
大雨予報の時のグリーンのカップ位置は高い場所に切ることが多く、水捌けを良くしています。パターは一つのラインが崩れても、別なラインでパットを打ってくださいとなるのです。
最終的にはカップ周り全方位が水浸しになり、ボールが転がらなくなったら、やっとクローズ宣言を出します。
過去、大雨でプレーしたことがありますが、グローブはハーフで2回替えますか。雨量が多いと、帽子のツバから水滴が滴り落ちて、パットに集中できません。グローブを替えてもグリップは滑るし、ミスショットの連続です。
そして、パットをしてもボールが転がらなくなり、ようやくクローズ宣言が出されました。その時は妙にうれしく、歓声が起こりました。お金を払わなくて済むからです。
クローズになれば、ラウンド中のゲスト全員のプレー代はなしになります(ハーフを消化してたらハーフ料金を取られたりもしますが…)。だから、ゴルフ場はなるべくクローズをしたくないのです。
4.雨のゴルフのメリット
雨のゴルフは嫌ですが、行けば意外な発見があり、勉強になることも。
まず、クラブ選びがシンプルになります。雨なので予備のクラブを持ちにくい。傘も差すので、持ってせいぜい2本かな。シンプルゴルフができるというわけです。
悪いライでのショット、水分を含んだ芝で打つときの戦略、例えばボールは飛ばないので、大きめに打つとかね。いろいろ頭を使います。
そして雨ラウンドは体力を消耗しますから、ラウンドをした達成感もひとしお。まだ自分にはこんなに体力があると再発見できるかも。ごほうびの熱い風呂や、それからのビールなど19番ホールを充実させるのも良いです。
5.キャンセルの裏技
コース側に雨だからキャンセルすると言うのも、なんか弱虫に見えて情けない部分があります。うまいキャンセル方法は、キャンセルと同時に次のラウンドの予約をするのです。そしたらコース側も誠意を感じ、悪い気はしません。
結局、雨のゴルフは「決行派」と「キャンセル派」に別れがち。くれぐれも、それで人間関係を壊さないようにしましょう。
文/木村和久
1959年生まれ、宮城県出身。株式投資から大衆文化まで、さまざまなジャンルで“現代”を切り取るコラムニスト。有名ゴルフ媒体へも長く寄稿してきており、スイング理論やゴルフ場設計にも造詣が深い。近年はマンガ原作者としても活躍。
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