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- 「プレーファスト」が交通標語になっちゃいませんか? スロープレー撲滅への現実的アプローチ/木村和久『ゴルフ=レジャー宣言』
「スロープレー=悪」という認識がゴルファーの間に定着して久しいですが、その割になくならない、古くて新しい問題です。もっと現実的なアプローチが必要ではないかとコラムニスト・木村和久氏は提案します。
いま一度問う「プレーファスト」とは何ぞや
最近ネットでは、スロープレー問題がよく議論されています。ゴルフ場は「プレーファスト」を標語に、速くプレーをしてくださいと言うけど、具体な策を提示しているのでしょうか?
今回はいま一度プレーファストとは何ぞやを考え、どうやったら速くプレーができるかを考えます。
1)プレーファストの起源
もともと英国紳士の間では速くプレーする、他人に迷惑をかけない、スマートにラウンドするのがモットーでした。
日本では白洲次郎が英国留学から帰国後、1982年から軽井沢ゴルフ倶楽部の理事長となり、「プレーファスト」という言葉をはやらせたというのが通説です。

白洲はご丁寧に「PLAY FAST」と書かれたTシャツまで作って売り出す始末。ポロシャツではなく、Tシャツってところがミソでしょ。
白洲の頃の軽井沢ゴルフ倶楽部は、エクスクルーシブなプライベート空間で、服装にもさほどこだわらなかった。Tシャツを着てゴルフしてもいいんだよ、とね。まあ実際、そんな人は少ないと思いますが。あの田中角栄首相が汗っかきで、腰に手拭いをぶらさげていても黙認されていた、それは事実のようです。
以前、軽井沢ゴルフ倶楽部をラウンドしましたが、メンバーが少なくて、スタート時間もあってないようなもの。好きな時間にプレーできたのです。
だからスロープレー問題が起きるはずもなく、たとえ起きても後続組に抜いてもらえばいいだけ。だからプレーファスト思想は白洲亡き後、英国紳士の精神論として扱われていたようです。
その後、プレーファストは関東の名門倶楽部に普及し、続いて、大衆コースは経営効率を上げるために、プレーファストを錦の御旗のように掲げ出したのです。
2)ゴルフ場側のプレーファストへの配慮
さて、ゴルフ場はゴルファーにプレーファストをさせる努力をしているのでしょうか?
一番象徴的なのは30年ぐらい前から現れた前進4打ティーですか。ティーショットでOBの場合、1罰打で打ち直しでしたが、前進4打で進行する。しかも相当前に進み、フェアウェイセンターから打てたので、プレーヤーは重宝がりました。
他にゴルフ場側がやっているローカルルールは、スルーザグリーン(現在のジェネラルエリア)6インチプレース、雪&枯葉ルールといって、ボールが雪や枯葉で見えなくなった場合、無罰で打ち直せるというもの。けど、実施しているコースが少ないので効果はさほど出てません。
あと渋滞地点にフォアキャディーを設置する、マーシャルが遅い組に注意をするなどです。けど、いつも後手に回り、渋滞が発生してだいぶたってからのアクションが多いです。
個人的見解としては速くプレーしろと言ってるわりに、さほど対策を練ってないように見えます。
3)より踏み込んだプレーファスト対策
では、どうしたら速い進行が可能になるのか? 簡単なのは、白いOB杭をローカルルールを適用し、全部ワンペナにすれば良いのです。もちろん競技の場合はOBに戻しますが、ビジターのプレーは赤杭扱いにして、しかも杭の外からは打てない。強制ワンペナにすれば、進行が速くなるし、スコアも良くなるでしょう。
実際、南国のリゾートで、OBの白杭をなくして、全部赤杭にしたコースがありますからね。できないことはないと思います。
ロストボールもローカルルールでワンペナにします。ロストボールは実質2ペナになるから、みんな真剣にボールを探し、プレーが遅れるわけです。
あと隣のホールにボールが飛んだ時もワンペナで結構。だいたい隣のホールに打ち込んだ人が、無事にリカバリーショットができるとは思えませんから。しかも隣のホールのプレーヤーが打ってから、こちらが打つから、えらい時間がかかります。
4)打数が多いからプレーが遅れる
簡単に言えば、パー4のミドルホールをパーで上がる人と、8で上がる人では打数が倍違うので、プレーする時間も単純計算で倍違ってくるというもの。
クラブの競技は、ノータッチ完全ホールアウトが基本ですから、オーケーがない。つまり1組で数十打、普段より余計に打たねばならない。
以前クラブ競技に出ていた時は、ハーフ3時間弱がざらでした。けど周りはみんな顔見知りで和気あいあい。世間話をしながら前の組の終了を待っていました。ゴルフってこんなものと思えば腹も立たないのです。
混んで待たされることが多いコースでも、料金がお手頃だし、そこそこ楽しめるし、こういうものだと思ってプレーをしていますから、さほど苦になりません。考え方の違いだと思います。
5)コース側から最大スコアを提案する
ビギナーでいつも10以上叩く人には、コース側から最大スコア採用の提案をしてみたらどうですか?
これは正式なルールブックに記載されている競技形式ですから、コースのローカルルール以上の効力があります。
ルールブックには「委員会が設定した最大ストローク数」とあるので、コンペの場合は幹事さんが、プライベートゴルフならスタート前にプレーヤー同士で、例えばダブルパーカットと決めればいいのではなでしょうか。大叩きしてもスコアはショートホールの場合、6打で打ち止めとなります。
ただ最大スコアは正式な競技形式にもかかわらず、なかなか普及しません。それはビギナーが優遇されて、ベテランゴルファーの優位性が保たれなくなるからです。ビギナーは大叩きの試練を体験してもらわないといけないという、昭和の体育会気質が残っているからでしょう。
しかも、ゴルフは完全ホールアウトするものという考えが根強いです。途中でプレーをやめるのはギブアップ、降参、敗北を意味すると言わんばかりです。
だから、コース側が最大スコアルールを提言して、使い方を提示すればいいんじゃないですか。途中でやめろとはなんだと怒る人もいると思いますが、非常に助かる人がいるのも確かです。
ビギナーの大叩きが減れば、進行はスムーズになると思うんですけどね。
文/木村和久
1959年生まれ、宮城県出身。株式投資から大衆文化まで、さまざまなジャンルで“現代”を切り取るコラムニスト。有名ゴルフ媒体へも長く寄稿してきており、スイング理論やゴルフ場設計にも造詣が深い。近年はマンガ原作者としても活躍。
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