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- 木の幹の穴にボールが消えた! PGAツアーで発生した珍事が教える「アンプレヤブル」の正しい使い方
“第5のメジャー”とも呼ばれる「ザ・プレーヤーズ選手権」で起きた珍事に注目が集まっています。木のうろに入ってしまったボールはルール上、どのように処置すべきなのでしょうか。
鳥やリスが作った穴でも木だと「動物の穴」には当たらない
先週行われたPGAツアーのフラッグシップ大会「ザ・プレーヤーズ選手権」の最終日。12番パー5で珍しいプレーが見られました。
ベテランプレーヤーのケヴィン・ロイのティーショットは大きく右にスライス。ボールはワンバウンド後、大きな木の幹に開いた穴(=うろ、ほら)の中に吸い込まれる“ホールインワン”となりました。
その場にやって来たルールオフィシャルは「アンプレヤブル」(1罰打)の救済を示唆。そこでロイはラテラル救済を選択し、ボールがあると思われる箇所を基点に、ホールに近づかない2クラブレングスの救済エリアにドロップし、プレーを続けました。

この様子をレポートしたゴルフドットコムは、記事のなかで「たとえ、この穴が“動物が作った穴”だったとしても、無罰の救済を受けることはできない」と話を展開しています。
規則16.1で「動物の穴」や「修理地」、「動かせない障害物」、「一時的な水」などの「異常なコース状態」がプレーの障害になったとき、プレーヤーは無罰の救済を選択することができる、となっています。
では、このケースで、木の幹にできた穴が“動物が作った穴”だった場合は?
残念ながら規則上の「動物の穴」は「動物が地面に掘った穴」と定義されています。ですから、ロイのボールが吸い込まれたのが、たとえ鳥やリスが作った穴だったとしても、無罰の救済を受けることはできません。
ちなみに、ロイはちゅうちょなく穴の中に手を伸ばしてボールを拾い上げていますが、「アンプレヤブル」は別のボールで処置することができます。無理に初球を拾い上げる必要はありません。穴の奥にヘビが潜んでいる可能性だってありますから。
アンプレヤブルでドロップした球が救済エリア内の元の場所に戻ったら?
「アンプレヤブル」は一般アマチュアにも無縁ではありません。そこで、少し意外な「アンプレヤブル」の処置を紹介します。
まずは、『ゴルフ規則のオフィシャルガイド』にある「アンプレヤブルの球の救済を受けた後で球がプレーできる状態となる保証はない」という事例。例えば、ドロップしたボールが元の場所に戻った、あるいは(救済エリア内の)前より悪いライに止まったとしても、そのボールはインプレーです。あるがままでプレーを続けなければなりません。
あるがままではプレーできないときは、改めて1罰打を加え、「アンプレヤブル」を選択することができます。その場合の「ストロークと距離の救済」の基点は、最後にストロークを行った箇所です。
次に、打球がすぐ前の木を直撃し、ボールがはるか後方(=ホールからより遠く)に止まったとき、「アンプレヤブル」で「ストロークと距離の救済」を選択すれば、プレーヤーは1罰打でボールがある箇所よりはるか前方で次のプレーができます。元のボールの箇所よりホールに近くなっても違反ではありません。
また、例えばグリーン上からのパットが強すぎ、ボールがアゴの高いガードバンカーに転がり落ちたとき、あるいは花道のダウンヒルを10ヤードも転がり落ちたとき、プレーヤーが「アンプレヤブル」で「ストロークと距離の救済」を選択すれば、1罰打でグリーン上の元の箇所からパットをし直すことができます。
ペナルティーエリア内のボールは「アンプレヤブル」にできない
ジェネラルエリアでの「アンプレヤブル」で、「後方線上の救済」を選択した場合は後方線上のどのコースエリアでも、「ラテラル救済」を選択した場合は救済エリア内のどのコースエリアでも、ドロップをすることができます。ドロップはジェネラルエリアに限らず、あえてバンカーやペナルティーエリアを選択することが可能です。ただし、そのボールは最初に落ちたコースエリア内に止まらなければなりません。
一方、ペナルティーエリア内のボールは「アンプレヤブル」とすることはできません。規則17.1のペナルティーエリアからの救済を選択するしかありません。
にもかかわらず「アンプレヤブル」の救済でプレーを続けた場合、プレーヤーは先の規則17.1違反で2罰打となります。
「アンプレヤブル」の救済を上手に使いましょう。
文・小関洋一
出版社、編集プロダクションを経て83年からフリーランスライターに。テレビ誌・トレンド誌などで主にスポーツに関する記事を執筆。テレビ、ラジオのスポーツ番組の構成も手掛ける。その後はゴルフ誌やネットメディアで内外の最新情報やゴルフ場レポート、ルール解説を執筆。JGAやKGA競技のオフィシャルライターも務める。東京ゴルフ倶楽部や日本ゴルフ協会の年史制作に携わっており、ゴルフ史に関する執筆機会も多い。
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