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- 【舩越園子の砂場Talk(バンカートーク)】気持ちをボールに伝えれば、きっと願いは叶うから
ゴルフジャーナリスト舩越園子さんの連載コラムが、ついにe!Golfに登場! ここでしか読めない“舩越節”は毎週水曜日公開です。
メジャー2試合初出場・初優勝 コリン・モリカワの強靭な精神力とは
2020年、全米プロに初出場して、いきなりメジャー初優勝を遂げた日系米国人選手のコリン・モリカワが、今年の全英オープンでも初出場にして見事な勝利を飾り、大きな注目を集めている。
異なるメジャー2大会を初出場で初制覇することは「タイガー・ウッズでさえ成し得なかった史上初の偉業達成」だ。
メジャー優勝ににじり寄りながら、最後の最後に崩れて惜敗の涙を流した選手がこれまでどれほどいただろうかと振り返れば振り返るほど、24歳の若さで、初出場のメジャー大会を2つも制覇したモリカワの精神力の強さに驚かされる。
緊張で手足が震えたことはないのだろうか。体が硬直した経験、手元が狂った経験はないのだろうか。そんな疑問を感じていたら、モリカワのこんな声が聞こえてきた。
「もちろん緊張はする。でも、その緊張を自分自身を鼓舞するエネルギーに変えれば、怖いものなんて何もない状態になる」
なるほど。やっぱりモリカワも緊張はするということ。しかし、「緊張してる!どうしよう?」と動揺するのではなく、緊張していることを素直に受け入れ、「よし、この緊張を糧にするぞ!」と逆利用する。フツウに考えればネガティブな要素も、「来るなら来い!望むところだ、ウエルカム!」
その姿勢こそが、モリカワのメンタルコントロールの上手さの秘訣なのだろう。
モリカワのゴルフの最大の武器は精度の高いアイアンショットだが、小技の上手さにも定評がある。全英オープンではロイヤルセントジョージズのグリーン上で、きわどいパットをポンポン沈め、世界のメディアから「モリカワの武器はアイアンとパット」と高く評された。
しかし、彼自身はパットの上手さを否定した上で、興味深い言葉を口にした。
「パットが上手いと言われているけど、僕のパットはスタッツ(統計)的には大したものじゃない。でも、全英オープンの優勝争いのときは、パットのたびに『入る』『入れられる』と信じて打った。そう、スタッツなんて気にする必要はない。問われているのは、自分がどんなプレーをするか。どんなゴルフをするかが大事なんだ」
“気持ちを込める”ということ
ふと、ロイヤルセントジョージズで前回開催された2011年大会の覇者、北アイルランドのダレン・クラークが優勝会見で語った言葉が蘇った。
「フェアウエイが硬いなと思ったときは、ボールを早めに捕まえる打ち方をしようと思いながら打った。風が強いときは、風に流されない低い球を打ちたいと念じながら打った。逆風が吹いているときは、風に負けない強い球威が欲しいと願いながら打った。そうやって僕は、気持ちをボールに伝えるゴルフをした」
モリカワも、クラークと同じように、きっと気持ちをボールに伝えていたのだろう。パットに挑むたびに「どうかカップに沈んでおくれ」と祈るような想いを、ボールに込めて打ったのだろう。
そうしたら、祈りは通じ、願いは叶い、全英オープン覇者になることができた。
ゴルフはそういうスポーツだが、考えてみれば、人と人との触れ合いにも、人生にも社会にも、ゴルフと同じことが当てはまるのではないだろうか。
どんなテクニックより、どんな金銭や画策より、大事なのは気持ちだ。その気持ちを自分の生き方に込めて日々を生きれば、きっと祈りは通じ、願いは叶うのではないか。
クラレットジャグを掲げるモリカワの笑顔を眺めながら、私はそんなことを考えた。
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