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- 「また池ポチャかよ!」なぜ日本のゴルフ場にはだいたい池があるのか?
見ているだけなら美しい景観のゴルフ場の池。けれども、プレーするとなると話はまた違います。「くそぉ、この池埋めたい」なんて言葉を口にしたことがある人も……。そもそも、なぜゴルフ場に池があるのかご存じですか?
池がないコースは日本にはほとんど存在しない
見ているだけなら美しい景観のゴルフ場の池。けれども、プレーするとなると話はまた違います。ラクラク越えられる距離なのに、緊張して力が入り、チョロして池ポチャ。焦って次もまた池……。ボールがいくつあっても足りない、こんな状況を経験しているゴルファーの方も多いのではないでしょうか。「くそぉ、この池埋めたい」なんて言葉を口にしたことがある人もいるでしょう。そもそも、なぜゴルフ場に池があるのでしょうか?
ゴルフ場によってデザインはさまざまですが、池がまったくないというコースは、日本にはあまり存在しません。コースの景観や戦略性というだけでなく、治水という部分で必要だからです。
日本でゴルフ場を造るときには、さまざまな規制があります。開発する場所によって複数の官公庁が絡むことになりますが、いずれにしても都市計画法に基づく開発許可は必要になります。
担当する国土交通省都市局都市計画課に話を聞くと「許認可は各自治体がすることになります。都道府県の場合もあれば、都道府県から市町村に行く場合もある。おおよそ600の自治体が許認可をしているのが現状です」とのこと。この許認可を受ける際に、ゴルフ場から出る水について審査を受けなくてはなりません。
「敷地内の雨や汚水などを適切に処理しなくてはならない基準があります。これがあふれない設計にしなくてはなりません。調整池を造って処理する場合もあります」(前出・都市計画課)。具体的な審査基準に大きな違いはないようですが、自治体ごと独自に定められているということです。
100年に1度の大雨でもゴルフ場の水は外に漏れない?
ゴルフ場を造る現場について、日本ゴルフコース設計者協会の川田太三理事長に聞いてみました。
「日本は水の災害が多いので、ゴルフ場内の水をコントロールできなくちゃいけない。ゴルフ場を造るときには、極端な話、100年に1回の規模の雨が降っても用地内に貯め込めるように設計して認可を受けるという意識でいます。コースの戦略性や景観とは関係ない場所にあるコンクリートやゴムで張られた池はいわゆる調整池です。こうすることで土に水がしみ込まないようにしています。ティーショットを打って歩いていく途中にある窪みも、大雨の際の調整池として設計されている場合があります」
最近、ニュースや天気予報などでよく聞く「経験したことのない大雨」が降っても、ゴルフ場の外に水が漏れないための設計が必要だということです。
まとめると、コース戦略のための池、景観のための池と調整池が一緒の場合もあれば別の場合もあり、普段は池でないところも、増水した場合には池になる設計のこともあります。つまり、ゴルフ場になくてはならないのが池というわけです。
もちろん、調整池の水は資源として活用されることも多くあります。芝を管理するためには、常に大量の水が必要だからです。
池で溺れたときの対処法は「浮いて待て!」
余談ですが、ゴルフ場の池では、毎年、一定数転落事故が起きており、溺れて亡くなるケースもさほど珍しくありません。前述のように底がコンクリートやゴムなどの調整池の場合、滑って陸に上がれず、焦りも手伝って悲劇を招きやすいのです。コースのことを分かっているキャディーさんが拾ってくれる場合を除き、池に落ちたボールをむやみに拾いにいかないようにしましょう。
万一、池で溺れた場合の対処法は、日本水難学会によれば「浮いて待て」だそうです。仰向けになって呼吸を確保し、助けを待つ。覚えておいてください。
※ ※ ※
景観的に美しい池は目で楽しみ、調整池を見たら「水害のときに活躍するのだな」と納得する。池の役割について、決して意地悪で置いているのではないと理解すれば「あっ、やっちゃった!」と頭を抱えることも、少しは減るかもしれません。
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