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- 池ポチャしたら「球が見えてても諦める」を問答無用の鉄則とすべき理由
池ポチャはアマチュアゴルファーにはよくあること。ボールも1個数百円しますから、岸に近いところなら拾いたくなるのが人情です。しかし、その考え、改めたほうがいいかもしれません。日本ゴルフジャーナリスト協会(JGJA)会長の小川朗氏が、その理由を調査しました。
岸辺に見え隠れしている黒いシートは超危険
今回は「池ポチャしたボールを取りに行ってはいけないこれだけの理由」をテーマに掘り下げていきたいと思います。
「え!? 自分が打って池に入れたボールを、なぜ拾いに行ってはいけないの?」と疑問に思う人がいるかもしれません。その理由は、ゴルフ場の池が、皆さんが思っている以上に危険な場所であるからです。
ゴルフ場の事情に詳しいマグレガーゴルフジャパンの松下健さんは、その理由をこう説明してくれました。
「やはり、ゴルフ場の池は底に防水シートを敷いているケースが多く、水深が浅くても足が滑って溺れる可能性が高いということです」
防水シート。ゴルフ場の関係者でなければ、なじみのない言葉には違いありません。そこで、ゴルフ場の経営者である、中九州カントリークラブ(熊本県)の田中徳市社長にゴルフ場の池事情について、もう少し詳しく聞いてみましょう。
「ゴルフ場にある人工の池は、水を外部に漏らさないように、作るときから防水シートが敷いてあります。でもそれが老朽化によって破れてしまって、水量が減ってしまっているケースがあります。年配の方で、自分の運動神経に自信を持っている人が危ない。うっかり滑って落ちると、そのシートが滑るため上がれなくなってしまうんです」
どうやらゴルフ場の池は、普通の池と違って滑りやすくできているらしいのです。水量が減っていて防水シートが表面に出ている場合、そこに乗っては絶対にダメ。足が滑って、池に落ちる危険度がさらに跳ね上がるのです。
同伴者が落ちたとき慌てて駆け寄るのは二次被害の元
落ちた人だけでなく、一緒に回っている人が助けに行くことで、さらなる悲劇が起きた例もあります。自分も足を滑らせたりして落ちてしまうと、同じ理由で上がれなくなってしまうからです。
2006年、栃木県のゴルフ場で起きたケースでは、池に落ちた仲間を助けようとした50代の女性がおぼれて亡くなったとの一部報道がありました。
11年5月、群馬県では2人でプレーしていた50代と60代の男性が池に浮いているところを後続の組のゴルファーたちに発見され、引き上げられたものの、まもなく死亡が確認されるという悲劇も起きています。仲間が落ちた場合、まず自らが助けに行くのではなく、通報して助けを呼ぶことが大事。落ちた人は落ち着いて、あおむけの状態で池に浮いて待つことが大事だそうです。
実は今年の5月にも千葉県内のゴルフ場で、プレー中の60代男性が池に転落。目撃した同伴プレーヤーが通報して消防に救助されましたが、死亡する事故が起きています。このケースも自分が打った球を探していて転落したとみられています。ゴルフ場の池は危険であることを、肝に銘じておく必要がありそうです。
こうした事故を防ぐため、安全対策を最優先に考えて大掛かりな池の改修工事をするコースがある一方で、価格競争の末、経営状態が苦しくなってしまったゴルフ場の中には、対応できてきないケースも見受けられます。大規模補修とまではいかなくても、ビニールシートを新品に交換するとなれば、かなりの出費を強いられるからです。
一緒に回っているプレーヤーがいても、救助できないケースが多いゴルフ場の水難事故。コロナ禍になってから感染リスクが低いため定着した“おひとり様”のセルフプレーとなれば、池に転落してもすぐには助けが来ないケースも考えられ、さらに命の危険が増すことになります。
やはりゴルフ場の池ポチャは、諦めるのが一番、ということ。前出の田中社長も「ゴルフ場の池にボールが入ったら、諦めてください」と強調していました。
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