ゴルフブームなのに11コースも減った!? そもそも日本にゴルフ場っていくつあるの?

嶋崎平人

2021年11月12日

コラム

一般社団法人日本ゴルフ場経営者協会(NGK)が11月8日に発表したところによると、現在(正確には2020年度まで)、日本国内のゴルフ場数は2216。実は前年に比べ11も減っていて、ゴルフブームなのになぜ?と思わざるを得ません。日本のゴルフ場数はどんな推移をたどってきたのでしょうか?

ピーク時は2500近くでバブル崩壊後も600以上増えた

 コロナ禍で3密を避けられるとして、ゴルフが若い人や女性からも注目を浴び、ゴルフ場がにぎわいを見せています。最近では満員で予約が取りづらいゴルフ場も多いと聞きます。そうなると需要に供給が追い付いていないのではないかと思えますが、現在、日本にゴルフ場の数はいくつあるのでしょうか。

存続を危ぶまれたゴルフ場が外国資本の買収により救われるケースも

 最新2020年度のゴルフ場数が一般社団法人日本ゴルフ場経営者協会(NGK)調べで11月8日に発表されました。これはゴルフ場利用税の徴税データに基づく算出であるため、非常に信用のおける数値と言えます。

 それによると日本には現在、2216のゴルフ場があるということです。十分多いように感じますが、実はゴルフブームと言われる状況にもかかわらず、その数は前年に比べて11も減少しているのです。

 国内のゴルフ場数の推移を遡ってみると、02年が2457とピークで、それ以降11年連続で減少しており、ピーク時に比べると241のゴルフ場がなくなっています。ちなみに、データが残っている今から64年前の1957年のゴルフ場数はたった116でした。

 それがピーク時の2500近くまで増えたのは、80年代のバブル経済が関係しています。折からのゴルフブームと不動産投資ブームが相まって、ゴルフ場を造り会員権を発行すればしただけ売れていくという時代もありました。

 バブル経済の崩壊が始まったのが90年末という見方がありますが、その90年にはゴルフ場数は1818でした。バブル崩壊が始まったのに、その後600以上もゴルフ場が増えていったことは驚きですが、ゴルフ場を建設するまでには時間がかかるため、増加傾向にはすぐにブレーキがかからなかったのです。

 バブル崩壊から13年後の2003年からは減少に転じますが、急激に減ったわけではありません。

 いったんゴルフ場として開場すると、経営的に厳しくなっても、ゴルフ場のオーナーになりたい経営者や、大手ゴルフ場運営グループによる買収などで買い手がつく場合が多く、閉鎖という結論には至らずに済むケースが多かったのです。

都道府県別に見ると一番数を減らしたのは…

 それが大きく減少したのは、11年東日本大震災がきっかけでした。震災の影響で東北を中心に19ゴルフ場が閉鎖。さらに14年には50ゴルフ場が減少しました。ゴルフ場は放置すると荒れ地になってしまい、なかなか次の転用が難しかったのですが、もともと整備された日当たりのよい場所のため、ソーラー発電の用地としてもってこいです。再生可能エネルギーブームにも乗って一気にメガソーラー化が進みました。

 昨年から減少したゴルフ場を都道府県別に見ると、北海道4、群馬3、静岡2、栃木、長野、和歌山、岡山、広島、山口がそれぞれ1減少し、逆に東京、熊本、沖縄で1ずつ増えています。

 地域差はありますが、基本的には日本は少子高齢化で人口が減少し、比例してゴルファーも減少していくことが予想されます。現状でも全人口に占めるゴルフファーの割合は現在5.8%に過ぎません(「2020レジャー白書」公益社団法人日本生産性本部)。しかし、コロナ禍をきっかけにゴルフを始めた、あるいは再開した人たちがゴルファーとして定着してくれれば、ゴルフ場の減少にも歯止めがかかるかもしれません。

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神戸ゴルフ倶楽部のドローン撮影 写真:中村祐治
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神戸ゴルフ倶楽部クラブハウス 写真:中村祐治
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