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- 谷原秀人に学ぶ“大崩れのトリガー”を引かないためのメンタルコントロール術【石井 忍のここスゴ!】
ツアープロコーチとして活躍している石井忍が、“ここはスゴイ”と思った選手やプレーを独自の視点で分析します。国内男子ツアーの三井住友VISA太平洋マスターズ。5年ぶりにツアー通算15勝目を挙げた谷原秀人だ。
「普通に考えたら負ける展開だった」をはねのけたメンタルコントロール
■谷原秀人(たにはら・ひでと)/1978年生まれ、広島県出身。2003年に初優勝を含む年間2勝を挙げ、賞金ランキング10位と躍進。16年は年間3勝を達成して、自身2度目の賞金ランキング2位に。同年以降、優勝から遠ざかっていたが、今年の三井住友VISA太平洋マスターズでツアー通算15勝目を飾った。国際スポーツ振興協会所属。
11月11~14日の期間、太平洋クラブ御殿場コースで三井住友VISA太平洋マスターズが開催されました。優勝したのは、最終日の2日後に43歳の誕生日を迎えた谷原秀人選手でした。
最終日のプレーを見ていて感じたのは、気持ちの抑揚をつけずに常に冷静に、表情を変えずにプレーしていたことです。
2位に2打差の首位で最終日を迎えた谷原選手は、前半をトップで折り返しましたが、後半の5ホールで3つスコアを落とします。
11番、13番は3パットでボギー。14番でもセカンドショットを池に入れてボギーとし、2位の金谷拓実選手に追いつかれてしまいました。
プレー後に本人も「普通に考えたら負ける展開だった」と語っていたように、そのまま崩れてしまうのがよくあるパターンですよね。
皆さんでも、ひとつのミスをきっかけに立て直せなくなったという経験はあるのではないでしょうか。アマチュアゴルファーあるあるのひとつに、「朝イチでバーディやパーを獲ると、トータルスコアが悪くなる」というモノがありますよね。
失敗と成功は真逆の結果ですが、「平常心でプレーできなくなる」という点においては共通しています。つまり、“大崩れのトリガー”はミスショットにも、ナイスショットにも潜んでいるわけです。
“大崩れのトリガー”を引かずにプレーできた理由
さて、スコアを3つ落とした谷原選手。1オンが狙える15番パー4では、ティショットをガードバンカーに入れ、さらにスコアを落としかねない状況に陥ります。しかし、この状況でも谷原選手の心は乱れませんでした。
バンカーからピンそばに寄せ、見事にバーディを奪ったのです。その後、16番、17番をパーとし、最終ホールでは難しいバーディパットを沈め、勝利をつかみ取りました。
この試合で谷原選手のキャディを務めていた谷口拓也選手は、「立て続けにボギーがきても、何一つ変わらない精神力がスゴい」とコメントを残していました。一番近くでプレーを見ていたキャディも、そのメンタルの強さに改めて感銘を受けた様子でした。
谷原選手が常に冷静にプレーできたのは、過去に3年連続平均パット1位やサンドセーブ率1位を獲得するなど、実績のあるショートゲームのうまさが大きな要因です。アマチュアの皆さんが、その点をすぐにマネることは難しいですが、心をフラットにプレーするよう心がけることで、粘り強いゴルフができるはず。
メンタルをコントロールするには、体の動きを意識することが効果的です。具体的には、気持ちが浮き沈みすると、肩の動きが鈍くなってスイングにエラーが生まれます。
ミスショットやナイスショットで平常心を失いかけた時は、肩を思い切り上げてからストンと落としたり、水をゆっくり飲んでみてください。 “大崩れのトリガー”を引かずにプレーできるはずです。
■石井 忍(いしい・しのぶ)/1974年生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くの男女ツアープロを指導。「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアにもレッスンを行う。
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