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- 「日本車出禁ゴルフ場」てどこの国の話? 韓国で「日本製クラブが1番人気」の“なぜ”
今年、韓国でのゴルフ用品の輸入額が6億100万ドルとなり、昨年比で29.2%も増加し、過去最高額を記録したということです。その中でも日本からの輸入が1位だというのですが、なぜなのでしょうか。
日本のゴルフ用品の輸入が2億7900万ドルで最も多い
先月24日、「韓国の関税庁が今年のゴルフ用品の輸入額が、6億100万ドルとなり、過去最高額を記録した」という韓国発のニュースに目が留まりました。
関税庁の発表を韓国の各メディアが一斉に報じていましたが、これは今年1~10月までの輸入額で、昨年同月比(4億6500万ドル)で29.2%も増加したそうです。
一般紙の朝鮮日報は「2015年は3億3700万ドルだったゴルフ用品の輸入額は、16年(3億5200万ドル)、17年(3億8400ドル)、18年(4億4900万ドル)、19年(4億7200万ドル) 、昨年と5年連続で最高値を更新したが、今年は10月までの実績ながら、昨年の年間額を超えて史上最高値を記録した」と伝えています。
また、同紙が関税庁にその要因について聞いたところ、こう答えています。
「コロナ禍で、ゴルフが安全なアウトドアスポーツと認識されて人気が高まっているからです」
日本でも同様の現象が起きているとよく聞きますが、韓国でも屋外で楽しめるゴルフがコロナ禍でも安全という認識が強いようです。
ただ、今回の記事で気になったのは「今年1~10月の輸入額を国別に見ると、日本から輸入したゴルフ用品が2億7900万ドルで最も多く、続いて中国が1億1800万ドル、米国が9600万ドル、タイが4300万ドル」という内容です。
さらに品目別だと「日本のゴルフクラブの輸入が2億4900万ドルと最も多い」と報じられています。記事の中で韓国の流通業界関係者は「ゴルフクラブはゼクシオや本間などの日本ブランドの需要が高く、(タイからの輸入が多い理由は)プロギア、ブリヂストン、ゼクシオのグローブは工場がタイとインドネシアにあり、同国の輸入額が増えたと考えられます」と語っています。
日本国内ですら米国ブランドに押され気味であるだけに、韓国で日本のクラブに人気があるのは少し意外ですが、そこで思い出されるのは2年前の2019年7月に日本政府の対韓輸出管理強化に抗議する形で始まった日本製品の不買運動です。
「買わない、売らない、行かない」とする「NO JAPAN(ノージャパン)運動」が韓国全土で展開されました。最近も日本車での来場お断りというゴルフ場が話題になったばかりですが、日本ブランドのゴルフクラブが人気と聞くと、もはや「どこの国の話?」という感じです。
ダンロップの韓国での売り上げはコロナ禍で1.5倍に
実際に日本のゴルフクラブはどれほど韓国で需要があるのでしょうか。朝鮮日報の記事中で名前が挙がったゼクシオを展開するダンロップ(住友ゴム工業)に話を聞きました。
「確かに韓国での販売は増えております。ゴルフ事業トータルで19年比で約1.5倍、20年比で1.2倍の金額増加となっております」というのは、ダンロップの広報担当者。では、ダンロップとして韓国市場はどのような位置づけで、どのような販売戦略を取っているのでしょうか。
「米国、日本に次ぐ世界第3位の市場として当社としても非常に重要な位置づけとなっています。日本と同様、ゼクシオ、スリクソン、クリーブランドゴルフの3ブランドをそれぞれのターゲット層に向け、韓国のお客様の志向に合わせたコミュニケーション・プロモーション戦略を採用し、販売をしています。さらに、ゼクシオなど主力商品の一部では韓国専用にスペックを開発し、より現地のお客様のニーズに沿った販売を行っています。インビー・パーク選手やK・J・チョイ選手といった世界的に活躍されている韓国のプロゴルファーとも契約を交わし、韓国国内でのブランドプレゼンス向上にも努めています」
韓国市場で好調な理由はどのように分析しているのでしょうか。
「世界的にもコロナウイルスによるパンデミックの第一波後に比較的安全なスポーツとしてゴルフが認知され、既存ゴルファーのプレー・買い替え需要の喚起が起きただけでなく、新規や出戻りのゴルファーが多く参入してきたことが要因と考えています。また、韓国は比較的女性ゴルファーの市場規模が大きく、女性のゴルファー増加、女性市場の拡大も好調を支えていると考えています」
もともと韓国でもゴルフは人気の高いスポーツでしたが、ゴルフ場のプレーフィーが高いため、若い人たちに敬遠されていました。しかし、最近ではソウル市内のあちらこちらに屋外とインドアの練習場ができており、若者も楽しむスポーツに変わりつつあるそうです。
コロナ禍で練習場に通う人が増え、ゴルフを敬遠している人も「やってみよう」という気になれば、必然とゴルフクラブも売れるのでしょう。その中でも日本製クラブの良さを実感している韓国の方が意外にも多いというのが、本当のところのようです。
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