昼食付1ラウンドが税抜き「408円」になるケースも!カバヤGCで始まった「雨割」はなぜ成立する?

小川 朗

2022年1月14日

コラム

ゴルフ場はホテルや旅館と違い、キャンセル料を取らないケースが多いため、雨予報が出たら気軽にキャンセルしてしまうという人も多いでしょう、しかし、ゴルフ場にとっては大きな機会損失。この問題を解決する「雨割」とは?

午前3時間連続の0.5ミリ以上降水予測で3000円引き

 ゴルフプレー前日の正午が「お楽しみの時間」になりそうです。翌日のプレー代が正午以降に出される天気予報によって、割引となるプランが登場したからです。

3000円割引ともなれば、雨ゴルフでも気分は晴れ晴れ?(写真はイメージです) 写真:AC

 たとえばプレー日の4日前までに、カバヤゴルフクラブ(茨城県常陸大宮市)の公式ウェブサイトから「予約」のアイコンをクリック。昼食付2サム保証(税込み4200円)を選んだとしましょう。

 実はカバヤゴルフクラブの公式サイトから予約をすると、プレー前日の正午の天気予報で、翌日の午前9時から正午まで3時間連続して0.5ミリ以上の降水が予測された場合、雨割が適用され、3000円引きになるのです。4200円のプランですから、実質1200円ということになりますが、このお値段には消費税341円とゴルフ場利用税450円に昼食代までもが含まれているのです。税金が791円ということは、食事代は408円分ということになり、プレー代はタダ同然だと言ってもいいでしょう。

 もちろん雨割が適用されるためにはいくつかの条件があります。ゴルフ場公式サイトから予約することと、プレー日の4日前までに予約(例:日曜日のプレーなら水曜の23時59分までに予約すること)などです。これらをクリアしてプレー前日の正午以降にカバヤGC専用天気予報の上部に「明日雨割DAY」との表示が出れば、雨割適用となるわけです。

 これは株式会社ベストテクニカルサービスとジャパン少額短期保険株式会社が提携し、12月1日から開始した「イーグルアイズ雨割保険」に加入したゴルフ場で実現している新サービス。ゴルフ場がこの保険に加入すると、プレー当日が雨予測となった場合に、保険料(プレーヤー1人当たり249~830円)に応じての保険金(雨割特典付きを予約したプレーヤー1人あたり3000円~1万円の全員分)がゴルフ場に対して支払われます。

 プレーヤーにはゴルフ場からのメールやLINE、フェイスブック等でも通知され、当日の支払い時に反映されるわけです。カバヤGCでは1月11日のプレーを予約したゴルファーに、このケースの第1号が出るかと思われた場面がありました。

 しかし午前9時~10時が4.5ミリ、10時~11時が2.3ミリの予報が出たにもかかわらず、11時から正午までの予報は、0ミリの予報。3時間連続して0.5ミリ以上の雨・雪・みぞれまたはあられが降るという保険適用の条件は満たさず、という結果になりました。

 では翌日、実際の天気はどうだったのでしょう?

「1月11日もほぼ予報通りでした」(ベストテクニカルサービス関係者の話)。前出の関係者は天気予報の精度に自信を持っている理由として「イーグルアイズは施設など拠点周辺の36時間先までの雨、風、天気、気温の気象予測情報を、1キロ四方の詳細さでアニメーション表示できるから」だと解説してくれました。

ゴルフ場にとっては保険料負担を上回るメリットが

 この保険はゴルファーにとって雨割引という特典がありますが、ゴルフ場にとってはそれ以上の大きなメリットがあります。ネット予約が普及するようになって、プレー予定のゴルフ場がある市町村の天気予報が雨となった場合、ゴルフ場によっては大量のキャンセルが出ると言います。ゴルフ場は前金で予約するケースが多い旅行やホテル業界などに比べるとキャンセルポリシーがまちまちであり、キャンセル料を請求しないケースが多いことも大きな要因です。

 しかし、イーグルアイズ雨割保険に加入していれば雨予報が出てもプレー代金の一部または全額が返金されますから、キャンセルを思いとどまるゴルファーは確実に増えることが予想されます。キャンセルによる売り上げ減にブレーキがかかることは、ゴルフ場にとってうれしいニュースであるに違いありません。

 そしてもう一つ、ゴルフ場の公式ウェブサイトなどの直接的な予約客だけに雨割特典を適用することができるため、他社の予約ポータルサイトからのお客を自社の公式ウェブサイトへと呼び込むことが可能になります。

 ゴルフ場予約サイトを利用している場合、ゴルフ場側は1人当たりのプレー料金から10%、あるいは数百円から1000円程度を送客手数料として支払うというのが一般的ですが、雨割保険でゴルフ場が負担する保険料は1人当たり249円(3000円の保険金が支払われる場合)。この金額で自社サイトへの囲い込みができれば安いもの、という考え方もできるわけです。

 あるゴルフ場経営者は「ポータルサイトのスタッフもよくやってくれているし、売り上げに貢献してくれているのも確か。でも理想は自社の予約サイトを使ってくれることだし、実際にこれまでも、雨なのに来てくれたお客さんには1000円のキャッシュバックという試みをやったこともある。この保険は大いに興味がありますね」と興味津々。

 雨割保険では11年の実績を持つジャパン少額短期保険も「ゴルファーのメリットは、割引を受けられることでもう一度ゴルフができる財源が生まれること。ゴルフ場のメリットは、雨でもドタキャンされず売上がキープできることです」と、商品には自信を持っている様子。ゴルフ業界が長年醸成してきてしまったキャンセルに弱い風潮に、風穴を開けてくれるかもしれません。

【写真】渋野日向子や稲見萌寧の雨ゴルフでの奮闘ぶりを見る

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