3ラウンドで取得できて最大54までもらえる!?「ハンディキャップ」の敷居が下がるってホント? | e!Golf(イーゴルフ)|総合ゴルフ情報サイト

3ラウンドで取得できて最大54までもらえる!?「ハンディキャップ」の敷居が下がるってホント?

初心者やアベレージゴルファーには敷居が高いと思われているハンディキャップの取得。しかしこの4月から日本でも導入される「ワールドハンディキャップ」により、取得のハードルが下がり、より幅広い技量のゴルファーが公平に競い合えるようになると言います。

世界に6つあったハンデ算出方法を統一

 力量の異なる複数のゴルファーが等しいチャンスで優劣を競い合えるスコアリングシステム――それがゴルフのハンディキャップです。

1ラウンドせず、ハーフ6回分のスコア提出でもOKになるため、誰でもハンディキャップが取得しやすくなります 写真:AC

 従来、世界には全部で6つのハンディキャップの算出方式がありました。しかし、それでは「世界中のどこでも、誰とでも、フェアに競い合える」というハンディキャップ本来の意義が果たせません。

 そこで、R&AとUSGA(全米ゴルフ協会)が中心となって、世界統一のハンディキャップ方式=ワールドハンディキャップシステム(WHS)を開発。2020年から各国(地域)のゴルフ協会が採用を始め、日本でもようやくこの春(2022年4月)から正式に運用されることになりました。

 といっても、WHSはもともとUSGAのシステムをベースに考案されたもので、日本では14年からそれに準拠した「JGA/USGAハンディキャップ」が採用されているため、使用する上では、さほど大きな変化はありません。

 利用するには、従来通りJGA(日本ゴルフ協会)の管理システム「NEW J-sys」(4月から「J-sys」と名称変更)のサーバーに直接、もしくはゴルフ場を通じて間接に、スコアを入力すれば自動的にそれぞれハンディキャップインデックス(以後、インデックスと称す)が更新され、それをもとにプレーする際のハンディキャップの数値を算出することができます。

難しいコースになるほど技量の低いゴルファーが不利になる点を解消

 ここでは、新しく始まるWHSの概要を紹介するのですが、そのためにはまず「スロープレーティング」と「インデックス」を理解してもらう必要があります。

 コースの難易度を示す指標には、一般に知られる「コースレーティング」があります。しかし、これはスクラッチゴルファー(コースハンディキャップ0でプレーできる上級者)にとっての難易度です。

 一方、ボギーゴルファー(同ハンディキャップ20~24のゴルファー)にとっての難易度の指標もあり、「ボギーレーティング」と呼ばれています。

 この「ボギーレーティング」は難しいコースほど、より高い数値になり、「コースレーティング」の数値との差は広がります。

 分かりやすく言えば、ボギーゴルファーがスクラッチゴルファーと競う場合、難しいコースほど大きな「ハンデ(打数)」をもらわなければ勝ち目はなくなる、ということです。

 この相関関係をもとに、あらゆる力量のゴルファーに、あらゆる難易度のゴルフ場で、適切なハンディキャップが算出できるように考えられたのが「スロープレーティング」です。「スロープレーティング」は、力量の低いプレーヤーほど、難しいコースでは大きなハンディキャップが与えられる仕組みです。

 そして、その日のハンディキャップは、各プレーヤーが持つ(それまでのスコアから査定された)「インデックス」と「スロープレーティング」から算出されるのですが、実際には、ゴルフ場に用意されている、使用ティーごとに設けられた「コースハンディキャップ換算表」に、それぞれの「インデックス」を照らしあわせることで簡単に導き出せます。

18ホールも9ホールも関係なく54ホール分で取得できる

 その日のハンディキャップは、各自の「インデックス」と使用ティーごとの「スロープレーティング」によって算出されるシステムは、WHSでも変わりません。ただし、その日の「ハンディキャップ」を算出する換算表は現在の「コースハンディキャップ換算表」から「プレーイングハンディキャップ換算表」に変わります。

 それ以外で変わるのは、「インデックス」取得に必要なスコアカードの枚数です。現在は、18ホールをプレーしたスコアカード5枚ですが、WHSでは18ホールも9ホールも関係なく54ホール分、18ホールプレーに換算すると3ラウンド分のスコアカードで取得可能です。

 つまり、より取得しやすくなるわけです。

 また、「インデックス」の上限ですが、現在の男子36.4、女子40.4から、男女一律54.0まで引き上げられます。より大きなハンディキャップが与えられるわけですから、これもビギナーにはやさしい変化かもしれません。

 なお、「インデックス」取得後、その数値の更新は、基本的に最新スコア20枚中、成績の良い(ベストディファレンシャル)8枚が採用されることになります。

 現在は、最新スコア20枚のうち成績の良い10枚で算出されていますから、WHSの「インデックス」は多くのプレーヤーでより小さくなると思われます。

 もうひとつ、WHSには新たに「プレーイングコンディション計算(PCC)」という査定要素が加わります。これは、気象やコースセッティングなど当日のコースコンディションにより、J-sysの許容範囲以上に大叩きするゴルファーが多かったときは、自動的にスコアを調整するシステムです。ただし、それにはその日、そのゴルフ場においてスコアカードが8枚以上提出されていなければなりません。

 他にもWHSには、「CAP」つまり「蓋(ふた)」と呼ばれる、「インデックス」の大幅な増加を抑制する仕組みも加えられます。
 
 以上、WHSの主な変更点を紹介しましたが、「インデックス」を持つことで、JGAの競技やイベント競技、あるいは関東ゴルフ連盟など各地区ゴルフ連盟のアンダーハンディキャップ選手権に参加申し込みが可能になります。より取得しやすくなることを機に、取ってみてはいかがでしょうか。

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2019年「~全英への道~ミズノオープン」でのザ・ロイヤルGC 写真:Getty Images
2019年「~全英への道~ミズノオープン」でのザ・ロイヤルGC 写真:Getty Images
2019年「~全英への道~ミズノオープン」でのザ・ロイヤルGC 写真:Getty Images
コースレート「78.4」のザ・ロイヤルGCで開催された2019年の「~全英への道~ミズノオープン」 写真:Getty Images
1ラウンドせず、ハーフ6回分のスコア提出でもOKになるため、誰でもハンディキャップが取得しやすくなります 写真:AC

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