プロゴルファーはオフトレ合宿でいったい何をしているのか? 密着取材してみた | e!Golf(イーゴルフ)|総合ゴルフ情報サイト

プロゴルファーはオフトレ合宿でいったい何をしているのか? 密着取材してみた

木村和久

2022年3月7日

コラム

プロはシーズン開幕に向けたオフトレでいったいどんな練習やトレーニングを行っているのか? 多くのゴルフ誌やサイトに寄稿するコラムニストの木村和久氏が、レギュラーツアー3勝の丸山大輔、同2勝の高橋竜彦の沖縄オフトレに密着取材しました。

青木功、松山英樹も合宿したカヌチャリゾートへ

 先日、知り合いでレギュラーツアー3勝の丸山大輔プロが、沖縄で合宿ラウンドをするというので、面白そうだから着いていくことにしました。合宿を一緒に行うのは同2勝の高橋竜彦プロ。現役バリバリのツアープロたちの合宿って、どんなことをやるのか興味津々です。追っかけレポートをしたいと思います。

カヌチャリゾートで合宿を張った丸山大輔(右)と高橋竜彦

 プロの冬場の合宿地は、たいがい沖縄となります。南国ながらパスポートがいらず、しかも交通の便がよろしく、インフラ環境、運動設備も整っており、何かと都合が良いのです。

 今回訪れたのは、カヌチャリゾート・ゴルフコースで、ここはプロ選手の合宿を積極的にサポートしています。過去にはレジェンド青木功プロ、メジャーチャンプ松山英樹プロなども合宿しており、さながらゴルフ虎の穴の様相を呈しています。

 加えてカヌチャリゾートには、マシンジム、プール、サウナ、マッサージなど、アスリートが求める設備がすべて揃っており、受け入れ態勢は万全です。

現役ツアープロのラウンドはフルバックでパープレーがマスト

レギュラーツアー参戦時さながらのスイングと弾道を見せてくれた丸山大輔

 プロの合宿予定は5日ほど。こっちは2日間、プロの後ろの組について回り、ラウンドを見学です。

 打つティーはもちろんバックティー。いきなり朝イチでバシーンと打つでしょう。その打球音がハンパない。カキーンというより、バキ~ンって感じ、音の総量が物凄いのです

 丸山プロは「芯を食ったのは2~3割」と言ってましたが、素人目には毎回芯を食ってるようにしか見えません。

 飛距離はざっくり280ヤードで、フェアウェイキープ率は8割ぐらいか。去年からシニアツアーに参戦している丸山プロは、優勝を狙えるポジションにいるのです。ちなみに昨年は最高2位。

 毎回、われわれのレギュラーティーでのナイスショットより、はるか先にボールが飛んでいました。当たり前やがな。

 ちなみに谷越えショートホール211ヤードは、二人とも4番アイアンでナイスオン。しかもバーディーチャンスにつけてます。

 沖縄の風を読んでのコントロールショットは、見事としかいいようがありません。

 さらに谷越えロングホールでは、ミスショットかと思う方向にボールを運びます。「そこじゃ谷越えは方向的にどうかな」と心配していたら、なんとそこから250ヤードの谷越え2オン狙いでした。いや~、お見事。

 仕事柄、たくさんのプロとラウンドしましたが、多くはトーナメントを遠ざかり、ひと息ついたプロが遊んでくれる感じです。そういうプロのスコアは70台中頃。ひどいとぎりぎり70台ですね、しかもレギュラーティーで。

 けど、現役のトーナメントプロは、フルバックラウンドでパープレーがマスト。連日ラウンドすれば、どれだけスコアが潜れるかが勝負です。

 ほかに合宿ラウンドは何をするのか。そもそも練習ラウンドなので、試行錯誤して打つのは当たり前。キャディーバッグを拝見すると、ドライバーが3本、パター3本も載せてましたから。

 しかも高橋プロはラウンド途中、カチャカチャを使ってヘッド交換をしているし。現場で調整しないでどこでする、そんな感じでした。

ラウンド、ストレッチ&マシンの繰り返しで調整

自重を使った体幹トレーニングを行う高橋竜彦

 無事に1ラウンド終了。お昼を食べて、午後からはマシンジムでエクササイズをします。

 高橋プロと沖縄の空港で会った時、マイマットを持参していたのには驚きました。やはり日頃使い慣れているマットを持ってくるあたりがプロなんだなあと。

 高橋プロの毎日のルーティンは、スマホに入っているエクササイズメニューを10分間流し、それを真似てやるというもの。これだと自分の体重をかけて体幹を鍛えられるので、場所を選ばないとか。

 さらにせっかくマシンジムに来たのだからと、パワー系をたんまりと堪能。

 丸山プロはシニアツアーが今年2年目、さすがにこの年齢になると、ストレッチを多めにして、体の柔軟さを維持していかないといけないそうです。

 そして何よりも体幹。スイングの乱れの原因は、体を筋肉で支えきれなくなるからだそうで、そこはたっぷり時間をかけていました。

 このようにラウンド、ストレッチ&マシンの繰り返しで、コンディションを整え、トーナメントに向け調整すると言います。

 プロの合宿は文字通りの“合宿”でした。アマチュアの飲んで歌えやの、単なる宿を一緒にしてリゾートを満喫するのと、わけが違いました。

 そう思う反面、プロゴルファーとしてトーナメントに出るって、ほんと大変なことだと思います。このようなハイスペックな実力の持ち主が、一同に集まって競うのですから、とんでもないサバイバルなんだなと。

 プロに憧れつつも、アマチュアゴルファーで良かったと思う、今日この頃です。

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カヌチャリゾートで合宿を張った丸山大輔(右)と高橋竜彦
今年48歳を迎える高橋。シニア入りを約2年後に控える
難コースであるカヌチャの攻略ルートを話し合う丸山と高橋
ラウンド中に複数のシャフトとヘッドのマッチングを試す
パターもさまざまなタイプをテスト
丸山と高橋、両プロの契約先ドライバーがごちゃまぜに入っていた
自重を使った体幹トレーニングを行う高橋竜彦
筋力トレーニングは現代のパワーゴルフに欠かせない
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カヌチャリゾートで合宿を張った丸山大輔(右)と高橋竜彦
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