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- 赤ティーハラスメント!? ゴルフ界の女性に対する考え方はNGだらけ
今日、3月8日は国際女性デー。世界中で「女性の社会的、経済的、文化的、政治的成果を祝う」日ですが、ゴルフ界はどうでしょう? ついこの間まで“おじさんの社交場”的な色合いの濃かったゴルフ界のジェンダーギャップについて考えます。
挙げだしたらキリがないゴルフ界のジェンダーギャップ
今日、3月8日は国際女性デー(International Women’s Day)です。20世紀初頭に米ニューヨークで起きた女性労働者の労働条件改善要求デモを起源に、1975年、国連が定めた「女性の社会的、経済的、文化的、政治的成果を祝う」世界的な日。ジェンダーによる差別をなくすことを加速させる日でもあります。
そこで、ゴルフの世界での女性が置かれた立場、ジェンダーギャップについて考えてみましょう。

本来、ゴルフはプレーヤー自身が自分に適切なティーを選ぶことや、ハンディキャップの使用などにより、老若男女が一緒に楽しめるスポーツです。それは素晴らしいことなのですが、ゴルフをする上での女性差別は、減ってはいるもののまだまだ根強いというのが現実です。その多くが、ゴルフ業界全体の調査不足や認識不足によるものですが、先入観に凝り固まった先輩女性ゴルファーの姑、小姑のような意地悪という場合もあります。会社などでの構造とよく似ていますね。
日本でのケースについて、検証してみましょう。まずはゴルフ場からです。ティーイングエリアは万人が目にする差別の温床です。本来は、ゴルファー自身が自分の飛距離に合わせたティーを選ぶものなのですが、日本では赤ティーを「レディースティー」と呼ぶ習慣がなかなかなくなりません。しかも、飛距離に対して適切なティーを選んでいるにもかかわらず、いいスコアを出すと「赤ティーからだろう」とバカにする人も珍しくありません。
少しずつ減ってはきているものの、距離さえ短くなればいいと言わんばかりの適当な赤ティーにお目にかかるのは日常茶飯事。フェアウェイやグリーンに対してとんでもない角度だったり、地面が平らでなかったりするのです。「距離が短い分、あえて難しくした」というわけではなく「造ってやったんだから文句言うな」という”上から目線“がありありと感じられる赤ティーを見ると、そのコースの女性ゴルファーに対する姿勢がよく分かります。
日本では「シニアティー」と呼ばれることの多い(これまた余計な命名ですが)ゴールドやシルバーのティーのすぐ近くで、わずかに前にあるだけのことも多いですね。シニアになってもくだらないプライドだけは高いおっさんへの配慮としか思えません。そんなことをするなら同じティーで、ティーイングエリアを整備したほうがどれだけいいでしょう。
プレーそのものとは離れますが、必要なトイレやロッカールームについても、差別はありありと見られます。コースからクラブハウスに戻った時に、ハウスの外に面した女性用トイレのあるコースは本当に少ないです。これに対して男性用はかなりの数が見られます。排泄という行為にかかる時間は、身体構造的に女性のほうが長いというのに、なんて理不尽なのでしょう。プレーファストのためにも、女性用トイレこそ、外から直接入れるようにしたほうが合理的です。
女性の絶対数が少ないとはいえ…コースも用具も男性中心が過ぎるゴルフ産業
ロッカーやお風呂場については、明らかに男性用のほうが広いコースがほとんどです。通常、筆者は男性用ロッカーに入ることはできないのですが、取材や女性だけのコンペなどで男性用ロッカーに入ると「こんなに広いなんて」と感動し、次に憤懣やるかたない気持ちになります。「ロッカーフィー、同じだよね?」と。圧倒的に男性プレーヤーが多いから、という理由は分かりますが、余りに女性は「ついで」のように扱われていると悲しくなります。
では、用具はどうでしょう? 女性ゴルファー増加を狙い、以前に比べるとレディースクラブ市場は賑わってはきています。レディース、と一括りにされていたスペックも、一般寄りとアスリート寄り、くらいには増えてきています。でも、その程度。クラブをパーツごとにカスタマイズするレベルのゴルファーなら、女性でもいろいろなスペックが選べますが、そうでなければ選択肢はやはり圧倒的に少ない現状があります。ゴルフショップに行けば一目瞭然です。
こんな話もあります。ヘッドスピードが速い女性ゴルファーが「かわいいクラブが使いたい」というのですが、ほぼ男性用のスペックでないと合わないため「かわいいクラブ」は使えません。逆に「女性用なら何でもピンクにしとけばいいと思ってるんじゃないの?」という声もあります。女性といえども千差万別。男性だってかわいいデザインのクラブが欲しい人がいないわけではありません。ダイバーシティーという考え方が当たり前になった時代、そこから考え直したほうがいいのではないでしょうか。
ゴルフウエアについては、さまざまなメーカーが参入し、かなり選択の余地が広がっています。また、ドレスコードも男性に比べると女性のほうが緩いのが一般的です。このあたり、真夏のショートパンツ着用なども含めて、男性側が不公平を感じても不思議ではありません。
“赤ティーハラスメント”や“接待役扱い”を悪気なく行う男性の始末の悪さ
ゴルフ業界の意識はまだまだ男女平等とは言えないことが分かっていただけたと思いますが、ゴルファー同士ではどうでしょうか?
まずは女性4人の組に対する無駄な圧力をかける男性、今でもいますね。ティーイングエリアで「えっ、前の組女4人? こりゃ1日待たされるな」と、聞こえよがしに言っている男。飛ぶけど曲がる男性より、飛距離はなくてもあまり曲がらない女性ゴルファーのほうが、プレーが速い場合も少なくありません。初心者でプレーが遅いというのなら、技術不足や速くプレーするための注意点を知らないのが原因。性別は関係ありません。
無意識でやっている方も多いと思いますが、コンペで全部の組に女性を1人ずつ入れるのも、はっきり言って差別です。「女の子がいないと寂しいから」というのは、接待役を押し付けていることになると気が付かないのでしょうか? 何度も同じコンペに出ていても、女性同士はなかなか回れない、というような事態はこんな男性側の自分勝手な理屈から起こります。
「ゴルフをすることを会社の人には絶対知られたくない」という声も一定数あります。これは男女両方から聞きますが、女性から聞くことのほうが多いのは、やはり接待役を押し付けられるからでしょう。挙句に、ドラコンでも取った日には「赤ティーからだもんな」と嫌味を言われるのでは、怒るのも無理はありません。「器の小さい男、サイテー」と、陰で言われていることに気が付いた方がいいですね。
逆に、女性客を優遇しようとレディースデーを設けているコースも多いようです。これに対しては、男性側から文句が出てもおかしくないと思います。その一方で、女性側のニーズと必ずしも噛み合わないサービスが多いという声もよく聞きます。女性だからスイーツ、女性だから小食、女性だから……。前述のクラブの話と同様、女性を十把一絡げにしているところが透けて見えます。女性だってスイーツより酒という人もいれば、丼物やがっつりメシがいい人だっている。当たり前の話です。
こうして見ると、まだまだ文化的な部分で女性に対して平等とは言い難いゴルフの世界。増えつつある女性ゴルファーをもっと大切にすると同時に、意識そのものを変えていかなくてはいけないことがよく分かります。禁句は「そうは言っても」「そんな意識はないですよ」。こうした女性ゴルファーの実情について話をしたときに、業界の重鎮と呼ばれる人々から何度も返ってきた言葉です。「女性にはこうやっておけばいいだろう」という意識が透けて見えていることに、いい加減気付いてほしいものです。
国際女性デーが、ゴルフの多様性を改めて考える機会になればいいと思います。ゴルファー、そしてゴルフ界に圧倒的に多い男性だけでなく、これまでの慣習になじんでいるからといって、そうでない声をシャットアウトする女性も含めたすべての人に。
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