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西郷真央のアイアンが強風でも乱れなかったワケ アマチュアでも真似られる「等速スイング」の練習法とは?【石井 忍のここスゴ!】
多くのツアープロのコーチとして活躍している石井忍氏が、“ここはスゴイ”と思った選手やプレーを独自の視点で分析します。今回注目したのは、国内女子ツアーの開幕戦ダイキンオーキッドレディス。初優勝を飾った西郷真央のアイアンショットです。
手元とヘッドのスピードを保つ等速スイング
■西郷真央(さいごう・まお)/2001年生まれ、千葉県出身。ルーキーイヤーの2020-21シーズンはパーオン率3位、トータルドライビング1位、ボールストライキング1位などの活躍で、シーズン21回のトップ10入り。未勝利ながら賞金ランキング4位でシーズンを終えた。今季は開幕戦でツアー優勝を果たした。師匠・ジャンボ尾崎命名の愛称は“せごどん”。島津製作所所属
JLPGAツアー2022シーズンが始まりました。開幕戦のダイキンオーキッドレディスを制したのは、20歳の西郷真央選手。最終日に5打差を逆転し、通算10アンダーでツアー初勝利を飾りました。
西郷選手は昨シーズン、ルーキーとしてツアーに参戦し、トータルドライビング1位、ボールストライキング1位、パーオン率3位というショットの精度を武器に活躍。未勝利ながら、2位7回、トップ10入り21回という成績で賞金ランキング4位に入りました。
ショットメーカーでもある西郷選手のアイアンは、開幕戦でも健在でした。最終日は6m/sの強風が吹くタフなコンディションでしたが、この日のベストスコアである5アンダーをマーク。
この日、5アンダーでプレーしたのは西郷選手と山下美夢有選手の2人だけ。4日間トータルの西郷選手のパーオン率は2位と、安定したショットで初勝利をつかみました。
強風の中でも高い精度でグリーンをとらえられた一因は、ヘッドを等速で動かす技術にあります。
風が強い日は、ボールを右寄りにセットし、球を潰して低い球を打ちたくなるもの。しかし、これではスピン量が増えてしまい、かえって風の影響をモロに受けてしまうことになります。また、飛距離を稼ごうとしてヘッドを走らせても、スピンが増えて弱い球になってしまいます。
今大会の西郷選手は、手元とヘッドのスピードを保ち、等速でスイングしていました。このスイングをすると、フィニッシュでシャフトが体の左サイドに立つようにおさまります。
西郷選手のフィニッシュはまさにそんな形でした。一方、一般的なフルショットは、シャフトが横になります。ヘッドを加速させて振ると、シャフトが首に巻き付くようなフィニッシュになるわけです。
肩から肩の振り幅で手元と胸の回転速度を揃えて振る
“等速スイング”は、アマチュアゴルファーの皆さんにも、ぜひ覚えてもらいたい打ち方です。今大会のように、風が強い日にスピン量を抑えたい時に有効ですが、それ以外のさまざまなシーンでも使える便利な技なのです。
例えば、狭いホールでラインを出したい時、プレッシャーがかかる場面、番手間の距離を打つ時などに、安定したショットを打つことができます。
マスターするには、肩から肩の振り幅で、手元と胸の回転速度を揃えて振る練習がオススメです。この振り幅の中でスイングスピードを上げていくと、ショットの方向性、安定感が上がっていくでしょう。
コツは、両ヒジを下に向けてアドレスし、ヒジの向きを変えずに振ること。腕と体に一体感が生まれやすくなり、アイアンの精度が高くなるはずです。
■石井 忍(いしい・しのぶ)/1974年生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くの男女ツアープロを指導。「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアにもレッスンを行う。
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