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- 花見や花火大会、小学校の卒業イベントも!ゴルフ場が「ノンゴルファー」にも開放されてきている
ゴルフ場はどうしてもプレーをしない人には遠い存在。でも、そんな常識を打ち破ろうと、積極的に「ノンゴルファー(ゴルフ未経験者)」を含めた市民に開放しようという動きが加速しています。日本ゴルフジャーナリスト協会会長の小川朗氏がレポートします。
千葉県の名門・我孫子GCは市民に開放してお花見
桜前線が日本列島を北上中。桜の名所からの便りが続々と届いていますが、実は日本のゴルフ場も桜の名所がたくさんあるのです。千葉の名門・我孫子ゴルフ倶楽部もその一つ。毎年桜のシーズンになると「市民観桜会」と題して、ゴルフ場の一部を市民に一般開放しています(参加費100円、小学生以下無料)。
我孫子の桜の名所は13番と16番の周辺。ソメイヨシノの大樹があり、ゴルフ場ならではの緑が美しさを引き立てます。実に19回目となる今年は3月28日に開催されることが決まっており、すっかり市民の間にも定着。飲食は清涼飲料水に限られますが、例年約1000人の市民がゴルフ場の広々とした開放感を味わいつつ、お花見を楽しんでいます。
コロナ禍において密にならず、陽光を浴びながらプレーすることで心身ともに健康になれるゴルフの魅力が見直され、ゴルフ場も活況を呈しています。矢野経済研究所の三石茂樹フェローによると、この2年間で約81万人の新規ゴルファーが創出されたそうです。
ゴルフ場や練習場関係者の生の声を聞くと、その新規ゴルファーたちは若年層や女性であることが伝わってきます。ただ、この状態が未来永劫続くことが約束されているわけではありません。そのため、今の状態を維持しつつ、子供たちにもゴルフの良さを知ってもらおうという試みが、始まりました。
地元小学生の卒業イベントを開いた茅ヶ崎GL
例えば神奈川のGDO茅ヶ崎ゴルフリンクス。新型コロナウイルスの影響で修学旅行が中止になってしまった地元の小学6年生たちのためにゴルフ場を開放しました。広いゴルフ場でおいしいものを食べて、ゴルフにチャレンジして楽しい1日を過ごし、思い出作りをしてもらおうというわけです。
題して「茅ヶ崎市4校合同 卒業記念『Special Days』in GDO茅ヶ崎ゴルフリンクス」。3月3、4、7、8日と、各校4グループまたは4クラスに分かれ、アプローチゲームやパターゲーム、フットゴルフを楽しんだ後は人文字制作、エコ風船飛ばしなどの思い出作りで締めくくりました。
普段からゴルフ場の脇を通って通学したり、家の窓からゴルフ場の木々を目にしている子供たちですが、実際に入ってみるまで、ゴルフ場は近くて遠い存在だったようです。
「外からは木しか見えないから、中に入るまでは、こんなに広々としたところだとは思いませんでした」という言葉が証明しています。ただ実際にやってみて、ゴルフの楽しさは十分体感してくれたようです。
「次はもっと長く、またゴルフをしに来たいです」と声を弾ませて語る子もいれば「家に帰ったら『楽しかったよ』って伝えます。ゴルフってもっと難しいゲームだと思ってたけど簡単にできたから、今度は家族ともやりたい」と、ゴルフ関係者が大喜びしそうな発言をしてくれる子供もいました。
コロナ禍で修学旅行もキャンセルになってしまった6年生。「(学校生活の)最後は行事もなくなって悲しかったけど、今日は1日楽しかった」と、思い出作りにもなった様子。ゴルフ場は非日常の空間とあって、子供たちもこの日の思い出を長く心の底に抱いてくれそうです。
敷地を生かしたウォーキングイベントや花火大会も
地元の市民にゴルフ場を開放するイベントを続けているゴルフ場は他にもあります。たとえば三重県の津カントリー倶楽部。みえゴルフツーリズム推進機構との共催で、津市教育委員会も後援。天皇誕生日の2月23日にコースを開放して「とこわかウォーキング2022」が行われ、親子連れなど3000人を超える参加者があったそうです。
サブタイトルは「ファミリー×食×地産地消×発酵×SDGs」。スマホアプリを使ったゲーム感覚の史跡巡りが楽しめるフィールドディスカバリーやスタンプラリーなど、ゴルフ場のフィールドを有効に使った試みは秀逸。
ステージではカラオケ大会やビンゴ大会、キッチンカーやレストランのフード、無農薬味噌づくりのほかスナッグゴルフやパター、ゴルフトライアスロン体験など、市民からも喜ばれる内容が盛り込まれていました。
従来のゴルフ場では考えられなかったチャレンジングな内容の企画を次から次へと繰り出しているのが、栃木で3コースを展開する鹿沼グループです。昨年5月29日に鹿沼72CCで開催された花火イベントは出色でした。周囲に建物がないため、市内では打ち上げ不可能な一尺玉も打ち上げられ、市民の目を楽しませてくれました。
一昨年はコロナ禍により地域の花火大会がすべてキャンセル。そのため医療従事者向けのチャリティーイベントとして花火大会を行ったわけです。昨年も花火大会の中止が相次いだことで、2年連続で開催。「敷地内で完結しますから危険もない。来年(2022年)も継続してやっていきたいと思います」と同グループの福島範治社長は話しました。
マスター室前の立ち見が1人2000円(大人1人につき子供1人まで無料)、テラスでのバイキング&飲み放題付1人8000円のプランも好評を博しました。売り上げの一部を昨年も寄付したそうです。
兵庫県三木市では廣野や鳴尾を回れるチャンスが
ゴルフのまち推進課が市役所にある自治体と言えば、兵庫県の三木市。市内全25カ所のゴルフ場で、4月から9月まで今年もスタンプラリーを行うことが決まっています。
ゴルフ場で配られているカードにスタンプを5カ所以上集めると、賞品がもらえるのです。また入賞すれば、国内屈指の名門・廣野ゴルフ倶楽部でプレーできる「みっきぃドリームチャレンジ2022」も同時期に開催されます。
これは4~9月の半年間、毎月開催される合同コンペで優勝、女性最上位、100位、200位、300位の計30人が、12月15日に廣野GCで行われる決勝大会に招待されるという企画です。また7~9月開催の各月飛び賞(3位、33位、333位)の9人が「のじぎくオープンプロアマ大会」に招待される企画もあります。
廣野GCの設計を担当したチャールズ・ヒュー・アリソンが改造したことでも知られる鳴尾ゴルフ倶楽部も、市民開放のイベントを毎年行っています。今年も「鳴尾ゴルフフェスタ2022」と銘打ち、11月3日に午前8時から午後3時までの開催が予定されています。その内容は(1)芝すべり、(2)スナッグゴルフ、(3)パターゴルフ、(4)ヒッコリーゴルフ、(5)ニアピン、(6)ドラコン、(7)プロアマ、(8)クラブのフィッティングと盛りだくさんとなっています。
昨年、東京オリンピックのゴルフ競技で求められたのが、こうしたイベント。それは税金が投入されたビッグイベントだったからこそ、行われるべきことであったはずです。五輪会場となった霞ヶ関カンツリー倶楽部でも、すでに昨年の秋から計画されており、三木市や鳴尾GCのイベントを参考に準備が進められ、いずれ発表されることになるはずです。
霞ヶ関CCには五輪で地元川越の小中学生1000人などが観戦に訪れるはずでしたが、それもコロナ禍で中止されています。オリンピックの記憶が薄れつつある今、できるだけ早く、市民参加のイベントを開いてほしいものです。
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