人気&最新モデルに必ず使われる「MOI(慣性モーメント)」
近年の人気&最新モデルのキャッチコピーによく使われている「MOI(慣性モーメント)」。実はこの数値、ゴルフクラブには主に4つの種類があるのです。

「MOI(慣性モーメント)」とは、物体の回転軸を中心とした回転させる際に【力】がどのくらい必要なのか? を表すための値(物体の【質量】×【半径の二乗】=【MOI】
)です。また、一度動き出した回転を止めるのに必要な【力】もMOI値で表す事ができます。
4つ「MOI」をそれぞれ、体感できる人とできない人もいます。また、あまり気にしなくても良いMOI値もあります。クラブ選びの目安の一つとして、知っていて損はないと思います。
フェースの開閉に影響がある「ヘッド左右MOI(慣性モーメント)」
「ヘッド左右MOI(慣性モーメント)」は、外からでは見えないヘッドの内部重心を左右軸にした数値。R&Aルールでも規制(上限5900グラム・立方センチメートル)されています。

この数値は、スイング中にフェース面を開閉しやすいのか? あるいはしづらいのか? に影響がある値になります。もちろんゴルファー個々によって開閉の度合いに個人差があるのですが、「ヘッド左右MOI」の大小それぞれにメリットがあります。
「ヘッド左右MOI」が低いヘッドの場合、ゴルファー自身がスイング中やインパクト時においてフェースの開閉がしやすくなります。特に自分の操作でフェースの開閉を行いたいゴルファーの場合には俊敏な操作性と感じやすくなります。
一方、「ヘッド左右MOI」が高いヘッドの場合は、スイング中にフェースの開閉をし過ぎているゴルファーにとって左右の方向性の安定につながる可能性があります。
昨今はプロや上級者の人でも「必要以上の操作を行わず、真っすぐに打ちたい」というプレースタイルのゴルファーが多くなってきました。
また、無意識にフェース面を開閉しすぎてしまうエラーを防ぐ狙いで、ヘッド左右MOIが高いヘッドが登場し、「ミスヒットに強い」「直進性が高い」などの評価を得ています。
フェース面の上下の動きに影響する「ヘッド上下MOI(慣性モーメント)」
「ヘッド上下MOI」とは、内部重心を中心軸にした上下方向の回転しづらさの値。この数値が高いほど、フェース面が上を向いたり下を向いたり、といった上下のブレが少なくなります。

ピンゴルフの大人気ドライバー『G425 MAX』で謳われているヘッドMOI 10000 グラム・立方センチメートル超えは「ヘッド左右MOI」と「ヘッド上下MOI」の数字を足した値。
またPGAツアー使用率NO.1ドライバーであるタイトリスト『TSi』シリーズも、ヘッド左右&上下のMOIを総合的に高めたのマルチ設計になっています。
「ヘッド左右MOI」と「ヘッド上下MOI」は、ヘッド内部の重心が中心軸になっています。つまり、内部重心の位置をもとに端的に表したヘッドスペックの一つと言えます。