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- 野球経験者の間で長年の論争!「左打者」はゴルフも「左打ち」で良いのか?
「ゴルフで左打ちは不利だから、左利きでも右打ちで始めたほうがいい」という話を聞いたことがある人は多いかもしれません。スポーツにおいて左利きは有利に働くこともありますが、ゴルフにおいてはどうなのでしょうか?
ゴルフで左打ちが不利だと言われるこれだけの理由
野球経験のある人が、社会人になってからゴルフをたしなみ始めるのは珍しいことではありません。プロ野球選手の中にも、オフにゴルフを楽しむ人は多くいますし、有名なジャンボ尾崎はプロ野球選手からプロゴルファーに転身しています。
そんな野球とも縁のあるゴルフですが、左打者の人がゴルフでも左打ちで始めるかは悩むところかもしれません。一般的に左利きは世界人口の約10%と言われており、野球というスポーツの特性上、優遇されることが多いですが、ゴルフではどうなのでしょうか。
一般的に日本では、ゴルフの左打ちは不利になることが多いとされています。では、なぜ左打ちはゴルフにおいて不利になるのでしょうか。
まず、ゴルフクラブの選択肢が少ないという問題が挙げられます。先述のように、左利きは世界人口の約10%しかいないため、需要が低いぶんメーカーから販売されているクラブのラインナップが少ないです。そのため、自分が欲しいメーカーから左用のクラブが発売されていない可能性があり、選択肢が狭まるというデメリットがあります。
もちろん中古クラブに関しても同様で、ゴルフにおいて自分に合ったクラブを見つけることは重要な要素になるので、不利であると言わざるを得ないでしょう。
また、練習場に左打ち用の打席が右打ちに比べると明らかに少ないという問題があります。一般的な練習場では、両打ちに対応した広い打席が数席しかないため、週末など練習場が混雑している日は、右打ちの人に比べて待ち時間が長くなる可能性があります。
さらに、コースレイアウトの面でも左打ちは不利になる可能性があります。一般的にアマチュアゴルファーの多くがスライサーだと言われています。一概には言えませんが、日本のゴルフ場は「スライサーに配慮したレイアウト」になっていることが多いです。
そのため、右サイドが広めに造られていたり法面で助かったりと、スライスをしてもOBになりにくいです。そのぶん逆に、左側は狭く造られていることが多いので、左打ちのスライスは即OBになってしまうケースが右打ちに比べて多くなる可能性があります。
ほかにも、レッスンプロに直接指導を受ける場合やYouTubeなどの動画コンテンツでゴルフを学ぼうとした際も、右打ちを基準としているものが多いため、左打ちの人が直感的にイメージしづらいといった弊害もあります。
左打ちゴルファーへの指導経験が多数あるレッスンプロの関浩太郎氏は、左打ちゴルファーの苦悩について以下のように話します。
「私が指導している生徒さんの中でも、左打ちは5%未満です。そのため、左打ちの人に教えるのが慣れていないプロも多いかもしれません。しかし、アメリカでは練習場のマットが両打ちできる構造になっていたり、左打ち用のクラブも日本に比べると多く販売されていたりするので、左利きの人は左打ちでゴルフを始めることが多いです」
世界的に見ると、メジャー6勝のフィル・ミケルソンをはじめ左打ちで活躍しているプロゴルファーもそれなりにいるので、競技レベルでは一概に「ゴルフでは左打ちが不利」とは言えないようです。ただし、日本においては右打ちのほうが有利なのが実情であると関氏は話します。
野球「左」ゴルフ「右」の“スイッチヒッター”が理にかなっている!?
実際に、「左投げ左打ち」で小学校4年生から高校まで9年間の野球経験があり、社会人になった22歳から右打ちでゴルフを始めたS氏は、以下のように話します。
「私は、右打ちでゴルフを始めて良かったと感じています。そもそも、左打ちでゴルフを始めてもあまりメリットがないと年配ゴルファーの人からアドバイスをいただいていたので、思い切って右打ちで始めてみました。当初は、右打ちでボールを打つことに慣れていなかったので、同じ時期にゴルフを始めた野球経験者の同期(野球でも右投げ右打ち)と比べるとスイングが明らかにぎこちなく、野球経験者としては少し恥ずかしく感じていました」
しかし、時がたつにつれ徐々に変化を感じるようになります。
「同期の野球経験者は、『野球打ち』が体に染み付いていたのか、いつまでたっても特大スライスが改善されません。一方、私は左右をスイッチすることで変な『野球打ち』の癖がリセットされたのか、野球経験者特有のスライスに悩まされることはなく、右打ちもいつの間にか様になっていました。最初は不慣れでぎこちないかもしれませんが、思い切って右打ちで始めるべきなのかも、と身をもって実感しました」
このように、あえて右打ちで始めることによって、癖のないフラットな状態でスイングを一から固めていけるというメリットもあります。プロの世界で活躍するゴルファーの中にも、左利きの右打ちゴルファーは多数いるので、思い切って右打ちでゴルフを始めてみても良いかもしれません。
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