渋野日向子が現在2位につける米女子新人王争い! 32年前に受賞した唯一の日本人選手とは?

ロッテ選手権を単独2位で終え、ルーキー・オブ・ザ・イヤー争いでトップをひた走るタイのアッタヤ・ティティクルに近づいてきた渋野日向子。そこで、2022年シーズンの「ルーキー・オブ・ザ・イヤー」争いと、過去の日本人選手の結果をまとめました。

渋野の前に立ちはだかる20年欧州女子ツアー新人王A・ティティクル

 ロッテ選手権で米女子ツアーメンバーとなって以降の自己最高となる2位に入った渋野日向子。気が早いかもしれないが、あるタイトルの獲得へ期待が高まってきた。

 そのタイトルとはルーキー・オブ・ザ・イヤーである。文字通り、最も活躍したルーキーに贈られるものだ。

「ロッテ選手権」の2位で一気にA・ティティクルとの差を詰めた渋野日向子 写真:Getty Images

 タイトル争いは試合の成績をポイント化して順位を決めるものである。通常のトーナメントは優勝が150ポイント、2位が80ポイント、3位が75ポイントというようなポイント配分。40位が10ポイントで、41位以下は一律5ポイント。予選落ちは0ポイントだ。メジャー5大会はポイントが2倍になる。

 ロッテ選手権終了時のルーキー・オブ・ザ・イヤー争いは以下の通りだ。

1位 アッタヤ・ティティクル  463ポイント
2位 渋野日向子  286ポイント
3位 チェ・ヘジン  261ポイント
4位 アン・ナリン  176ポイント
5位 ポリーヌ・R・ボシャール  117ポイント
6位 古江彩佳  114ポイント

 現在1位に立っているアッタヤ・ティティクルはタイ出身の19歳。3月のJTBCクラシックでルーキー優勝一番乗りを果たしているほか、すでにトップ10が4試合ある。独走状態を築いていたが、渋野が今回の2位で差を詰めた。

 このティティクル、まだアマチュアだった14歳の時に欧州女子ツアーのレディース・ヨーロピアン・タイランド選手権で優勝したすごい選手なのだ。

 2020年にプロ転向すると、昨年は欧州女子ツアーでプレーして2勝。ルーキー・オブ・ザ・イヤーはもちろんのこと、プレーヤー・オブ・ザ・イヤー、賞金女王とタイトルを総なめしている。それもわずか18歳で。

 そして昨年末、渋野や古江と一緒に米女子ツアーの出場権をかけた予選会に挑戦して3位通過した。

 3位につけているチェ・ヘジンは日本でいうと稲見萌寧と同じ1999年生まれの22歳。2017年の全米女子オープンでアマチュアながら2位に入った逸材で、韓国ツアーでは通算11勝。2019年には賞金女王に輝いている。

 渋野と古江の日本勢にとって強力なライバルがそろっているわけだ。

賞金ランキング60位ながら新人王を獲得した小林浩美

 では、歴代の日本選手はルーキー・オブ・ザ・イヤー争いで、どのような結果を残しているのだろうか。過去にこのタイトルを手にした選手が1人だけいる。1990年の小林浩美だ。

日本女子プロゴルフ協会会長の小林浩美が日本人唯一の「ルーキー・オブ・ザ・イヤー」受賞者 写真:Getty Images

 小林はこの年、最高順位が7位で賞金ランキングは60位と、それほどいい成績を残しているわけではない。ただ、ルーキー・オブ・ザ・イヤーは限られた選手だけで争うものだから、どうしても年によって選手のレベルにバラツキはあるのは否めない。

 それでも、その中で一番になることには意味がある。小林はその後、米女子ツアーで4勝。ルーキー・オブ・ザ・イヤー受賞者にふさわしい活躍をした。

 運がなかったといえるのがルーキーイヤーで優勝している平瀬真由美と福嶋晃子だ。

 平瀬の場合は同じ新人に賞金女王を獲得したカリー・ウェブがいた。平瀬はポイント2位だったが、ウェブのポイント数は平瀬の約2.5倍。さすがに太刀打ちできなかった。

 福嶋は2勝を挙げて賞金ランキングも15位と健闘したが、韓国のキム・ミヒョンが同じく2勝を挙げたほかトップ10が12試合の安定したプレーをしており、惜しくも及ばなかった。

 2006年に米女子ツアーに参戦した宮里藍は優勝こそなかったが安定した成績で賞金ランキングは22位に入ったが、ルーキー・オブ・ザ・イヤー争いでは4位に終わっている。

 近年で惜しかったのが2013年だ。この年はルーキーが全体的に苦戦してルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得したモリヤ・ジュタヌガーンでもトップ10が1試合だけで賞金ランキングは47位だった。そして日本勢は上原彩子が71ポイント差の3位、有村智恵が178ポイント差の4位という位置だった。

 さて、ティティクルやチェ・ヘジンら強敵がそろう今年のルーキー・オブ・ザ・イヤー争い。小林浩美以来、32年ぶりの日本選手戴冠なるか。こういう点にも注目して観戦するのもいいのではないだろうか。

渋野日向子(しぶの・ひなこ)

1998年11月15日生まれ、岡山県出身。2019年にワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップで初優勝、その年の海外メジャー「全英女子オープン」も制覇する。2022年シーズンからは米国女子ツアーを主戦場とする。サントリー所属。

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韓国女子ツアーで圧倒的な人気と実力を誇っているチェ・ヘジン 写真:KLPGA提供
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「ロッテ選手権」の2位で一気にA・ティティクルとの差を詰めた渋野日向子 写真:Getty Images
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