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パー3でもスタンス向きを気にすべき!メジャー初V山下美夢有の“大胆かつ堅実”な構え方
多くのツアープロのコーチとして活躍している石井忍氏が“ここはスゴイ”と思った選手やプレーを独自の視点で分析します。今回注目したのは、国内女子ツアー公式戦「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」で優勝した山下美夢有のプレーです。
番手を考慮した大胆なスタンス向きの調整
先週は国内女子ツアーの公式競技(国内メジャー)第1戦「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」が開催されました。
通算12アンダーで優勝したのは山下美夢有選手。大会初日にコースレコード「64」(8アンダー)をマークすると、最終日まで首位を守り切り、公式戦初勝利を挙げました。
大会が行われた茨城ゴルフ倶楽部・西コースは、過去に数々のトーナメントを開催している名門コース。
フラットな地形に展開していますが、戦略性の高いレイアウトや砲台グリーン、そしてメジャーのコースセッティングが多くの選手を苦しめました。
特に印象的なのは、4つのパー3ホールです。大会4日間のホールサマリーを見てみると、最も難易度が高かったのは6番の3.2807で、2番目が13番の3.2727。
難易度1位、2位はどちらもパー3ホールでした。また、15番のパー3も初日のホール難易度が2位と、ショートホールの難しさが際立っています。
そんな難しいパー3を攻略したことが、優勝の大きな要因だと考えています。見事だったのは、シチュエーションに合わせたティーショットのアライメントの取り方です。
例えば13番ホール(190ヤード)。フォローの風が吹いていた最終日は、ピンが右サイドに切ってありました。
このピンに対し、ウッド系のクラブを持った山下選手はグリーン左端にスタンスを向けて構えます。
フェード系の球筋で打ったティーショットは、グリーンセンター付近に着弾。わずかに奥にこぼれましたが、アプローチでぴたりと寄せてパーをセーブしました。
一方、池越えの15番ホール。最終日は2段グリーンの左手前にピンが切ってあり、ピンまでは132ヤード。
8番アイアンを手にした山下選手は、グリーン右サイドのエッジ方向にスタンスを向けて構えます。
これだけ大胆に右を向いたのは、右から風が吹いていたこと、球がつかまりやすい8番アイアンを持っていたことも影響しているでしょう。
山下選手はこのティーショットでピンの右サイドをとらえ、バーディを奪っています。
おそらく、13番と15番のティショットのスタンス向きは、30度は違っていたはず。
結果だけを見れば、「どちらもグリーンセンターを狙った手堅いゴルフ」と思うかもしれませんが、その裏には、ホールロケーションや風、番手を考慮した大胆なスタンス向きの調整があったのです。
山下選手にとっては、公式戦初優勝がかかった最終日最終組。終始緊張した面持ちでプレーしているように見えましたが、非常に落ち着いたコースマネジメントをしていた印象を受けました。
広く使いたいサイドにスタンスを向けて構える
彼女のスタンス向きの調整は、一般ゴルファーの皆さんにも参考になるはずです。
例えば、「右にOBがあるドライバーショットは左を向いて構える」という人でも、2打目やパー3のティーショットでは「グリーンを向いて真っすぐ構える」という人が多いのでは?
ピンが左の時は右を向く、ピンが右の時は左を向く。広く使いたいサイドにスタンスを向けて構えるだけで、大きなミスを防げるはずです。
山下 美夢有(やました・みゆう)
2001年生まれ、大阪府出身。2019年のプロテストに合格。昨年の『KKT杯バンテリンレディスオープン』でツアー初勝利。今シーズンは、『ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ』で通算12アンダーをマークし、完全優勝を達成。公式戦初勝利を飾った。ツアー通算2勝。加賀電子所属。
石井 忍(いしい・しのぶ)
1974年生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くの男女ツアープロを指導。「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアにもレッスンを行う。
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