古江彩佳がデビューから9試合連続予選通過を達成
出場権をかけた予選会(クオリファイングスクール)を経て今年から米女子ツアーメンバーとなった古江は、初戦から一度も予選落ちすることなく、先週のコグニザント・ファウンダーズカップで出場9試合連続予選通過を果たした。

宮里藍が米女子ツアーに参戦したのは2006年のことだ。予選会を2位に12打差をつける圧倒的トップで合格した宮里はツアーメンバーデビュー戦から8試合続けて予選を通過。ただ、9試合目のミケロブウルトラオープンでは初日7位と好発進しながら2日目に77と崩れて初めての予選落ちを喫している。
つまり、「ツアーメンバー初戦から9試合連続予選通過」となった古江は宮里を上回ったというわけだ。
米女子ツアーメンバーとなるには予選会経由とトーナメントで優勝して資格を得る2つの方法がある。日本選手で後者は2人。上田桃子(2007年ミズノクラシック優勝)と笹生優花(2021年全米女子オープン優勝)である。
また、古い話になるが1970年代前半に参戦した樋口久子らの時代はまだ予選会がなく、特例的に認められての参戦。最初の4試合中3試合で出場選手の80%以内の成績を収めればツアーメンバーの資格を得られるというシステムだった。
上田と笹生、それに予選会が始まる前(樋口、佐々木マサ子、中村悦子、山崎小夜子の4人)を除いた日本選手はみな予選会経由で米女子ツアーメンバーとなっている。その人数は35人。
古くは岡本綾子や大迫たつ子、森口祐子といった永久シード保持者から現日本女子プロゴルフ協会会長の小林浩美、ルーキーイヤーで優勝を果たした平瀬真由美に福嶋晃子ら。
近年では主なところでは宮里藍に宮里美香、大山志保、諸見里しのぶ、野村敏京、上原彩子、有村智恵、横峯さくら、畑岡奈紗、そして今年から参戦の古江と渋野日向子といった面々だ。日本を代表するような選手が数多く名を連ねている。
その中で、ツアーメンバー初戦から最も長く予選通過を続けていたのが宮里藍の8試合連続だったのだ。後に米女子ツアー賞金王となる岡本は3試合目で予選落ちを喫しているし、現在世界ランキング日本選手最上位の畑岡はツアーメンバー初戦が予選落ちだった。
ツアーメンバーになる前から海外で実績のあった渋野も7試合目で予選落ち。環境が変わり、慣れない異国の地でいきなり安定した成績を継続的に残すのは簡単ではないということだ。古江は宮里藍だけでなく歴代の名選手たちを凌駕する安定感を示しているのである。
予選会以外の参戦選手だと笹生優花が11試合連続予選通過
予選会組以外の選手はどうかというと、昨年の全米女子オープンに勝ってシーズン途中からツアーメンバーとなった笹生は、年をまたいで11試合連続(ダブルスを除く)で予選を通過した。

予選会創設以前の時代は樋口と佐々木マサ子が9試合連続をマーク。山崎小夜子と中村悦子は年数試合しかプレーしておらず、記録が不明瞭なところもあるが3年にわたって最大で20試合近く続けて予選を通過している。ただ、この時代はまだ出場人数自体が少なく、予選カットがないトーナメントが少なからずあった。
最後に、古江のここまでの試合ごとの成績を記しておこう。
大会 順位
ゲインブリッジLPGA 18位タイ
LPGAドライブオン選手権 30位タイ
HSBC女子世界選手権 23位タイ
JTBCクラシック 32位タイ
シェブロン選手権 44位タイ
ロッテ選手権 67位タイ
DIOインプラントLAオープン 43位タイ
パロスバーデス選手権 49位タイ
コグニザント・ファウンダーズカップ 17位タイ
トップ10入りがなく、最高順位は先週の17位。本人からすれば、まだまだ納得いく成績ではないだろうが、一度も予選落ちしていないという事実は大いに評価していいと思う。
古江の強みはボギーの少なさだ。パーセーブ率(パーかそれよりいいスコアを出す確率。言い換えればボギーを叩かない確率)は86.35%で現在、米女子ツアーに参戦中の日本選手4人の中では畑岡(86.79%)に次いでいい数字である。
ただ、バーディーやイーグルを取る確率(パーブレーク率)は18.10%で4人中最も低い。もう少しバーディーが増えれば、上位争い、そして優勝のチャンスも出てくるはずだ。