「とにかく球数打っとこう」は大間違い! ビギナーほど「朝の練習はパットから」である納得の理由

ラウンドの朝、ビギナーのうちは不安を打ち消すために打球練習場でとにかく球数を打ちたいもの。しかし、その練習法は大間違いだと、多くのビギナーをコースデビューさせてきた寺嶋慶介コーチは言います。

小さい動きからカラダを慣らせばミスが減る

「自分はまだビギナーだ」と自覚しているあなた、ゴルフ場に着いて準備をすませたら、数本のクラブをなんとなく選んで、真っ先に打球練習場(ドライビングレンジ)へと向かっていませんか?

いきなり打球練習場に行くのではなく、練習グリーンから始めるのが良い 写真:AC

「ビギナーの方がまずするべきは、ショットではなくパットの練習です」と断言するのは、コースでの実戦的レッスンにこだわるスクール「GEN-TEN」で、日々多くのビギナーにゴルフの楽しさを伝えている寺嶋慶介コーチ。

「ラウンドレッスンでも実践していますが、ビギナーの方ほど小さい動きからカラダを慣らしたほうがスタートホールからクラブがボールに当たりやすいからです。ですから、まずはパッティング練習。次に、アプローチ。打球練習場は最後にすることをおすすめします」

 では、具体的にどんな練習をすればいいのでしょうか。

「ビギナーの場合、短い距離からカップに入れることにこだわりがちですが、それは最後でOK。まずは5メートル以上の長い距離から距離感を整えていきます。打った球が目標に集まるようになるまで続けましょう。目的はあくまでも距離感を自分の中で整えることですから、カップに入れる必要はありません。同じところに集まるようになったら、違う方向からやってみる。ある程度整って来たら、今度は3~4メートル、最後に1~2メートルと、徐々に短くしていきましょう。少なくとも10分はパッティング練習に使ってほしいですね」

ハーフスイングでクラブにボールを当てる

 次にするべきは、カラダの動きを少し大きくしたアプローチ練習。

「15ヤードくらいの距離を、腰の高さから腰の高さに振るハーフスイングで何球か練習します。目的はクラブにボールをヒットさせることなので、打ち方をいろいろ試したり、もしもピンなどがあってもそこに寄せようなどと思う必要はありません。アプローチ練習場があれば、やはり10分くらいはやってほしいですね」

打球練習場へはドライバー1本だけ持っていく

「打球練習場に行くのはそれからです。もしもアプローチ練習場がないゴルフ場でしたら、打球練習場で1カゴの半数をアプローチ練習に使うといいでしょう。アプローチ練習が終わったら、あとはドライバーで思い切り振り切る練習を。ビギナーの方のミスの多くは、コースに出ると当てようとする気持ちが強くなり、肩が回らずスイングが小さくなることが原因です。これを防ぐためにも、練習場では思い切り、しっかり振り切る感覚を覚えていただきたいのです。ですから、打球練習場へはドライバー1本を持って行けばOK。先のアプローチ練習さえしていれば、アイアンも打たなくて大丈夫です」

 ドライバー練習が10分以上とすると、やはり練習には少なくとも30分以上は費やしたいもの。

「どうしても時間がなければ、パッティング練習だけでもしていただきたいですが、スタート時間の1時間前にはゴルフ場に到着し、余裕をもって練習することで当たる確率がぐんとアップします。焦ったり硬くならずに打てるようになれば、コースでのラウンドが何倍も楽しくなりますよ」(寺嶋コーチ)

寺嶋慶介コーチ

コースレッスンでリアルなゴルフを学べるスクール「GEN-TEN」(https://www.gen-ten.jp)所属。ビギナーを対象とした、常識にとらわれないレッスンが好評。

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2段グリーンの練習もできるカレドニアンGCの広大な練習グリーン
さまざまなシチュエーションでの打ち方が練習できるカレドニアンGCのアプローチ練習場
ロングヒッターも落ち際まで確認できるカレドニアンGCのドライビングレンジ
いきなり打球練習場に行くのではなく、練習グリーンから始めるのが良い 写真:AC

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