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- 意味が分かるとギア選びの幅が広がる! “グースネック”と“オフセット”って何が違う?
アイアンで使う「グース(ネック)度」、実は日本だけで使われているギア用語。ほかにも、リーディングエッジ(刃)の出具合を表すFP(フェースプログレッション)など、アイアンには難しい単語が多く使われています。そこでインドアゴルフレンジKz亀戸店・筒康博ヘッドコーチに詳しく解説してもらいました。
“グースネック(ガチョウの首)”はもともと商品名だった
「ガチョウの首」を意味する“グースネック”はもともと、ウェッジの商品名でした。
昔のウェッジは「超出っ刃」と言えるほど大きなFP(フェースプログレっション)だったため、ネック部分を大きく曲げる事でリーディングエッジ(刃)の位置を調整して“グースネック”ウェッジが作られました。
シャフト軸線から引っ込んだ“グースネック”ウェッジは、当然ながらFPが少なくなり“オフセット”が生まれる事になりました。こんな流れがあり、いつの間にか“オフセット”の事を“グース(ネック)”と日本では呼ぶようになってしまいました。
しかし、現代クラブのネックはガチョウの首のようには曲がっていません。グローバルではネックの形に関係なく、リーディングエッジ(刃)の位置がネックの前方から「どのくらい引っ込んでいるか?」つまり“オフセット”を見ています。
改めておさらいすると、FPとは、シャフト軸線からリーディングエッジ(刃)が「どのくらい前に出ているか?」を表す数値。つまり“オフセット”とFPは、測り方も意味も異なる数値になります。
また、“オフセット”は、シャフト軸線からのFPだけでは決まりません。
例えば同じFPだったとしても、ネックが太い方が“オフセット”が大きくなります。“オフセット”は、ネックの外側からリーディングエッジまでの深さ。つまり「見え方」の違いが変わるだけですが、そもそも“オフセット”のわずかな違いがどうゴルファーのスイングにどんな影響を与えるのでしょうか?
“FP”と“オフセット”でインパクトの最下点を調整する
「たった数ミリ違い」のFP(フェースプログレッション)で、インパクトの最下点が変わることになります。結果として、入射角も変わるのでダフリやトップ、フェース向きにも影響を及ぼします。
また、見た目の要素が強い“オフセット”は、ゴルファーにボールのつかまり具合などをイメージさせアドレス時のボール位置にも影響を与えます。
ゴルファーによって「出っ刃のウェッジじゃなきゃ引っかけちゃう!」や「オフセットが大きいとハンドファーストに打ちやすい」「オフセット過ぎてつかまり過ぎちゃう!」などの好みの違いに現れます。
たかが数ミリ程度の「リーディングエッジ(刃)の出具合」と「見た目」の問題ですが、ゴルファーにとってはクラブ選びとナイスショットが出るかどうか? の性能になっているのが「真実」ではないでしょうか?
みなさんは、わざわざナイスショットが「出る気がしない」「構えて気持ち悪い」違和感だらけのクラブを購入はしないはずです。
同じ形のヘッドでも“オフセット”で性格が変わる!?
ウェッジやアイアン以外のクラブ、例えば同じ形のパターでも“オフセット”が変わればゴルファーにとっての操作性や構えやすさが大きく変わります。
ボール位置を比較的に右に置きたいゴルファーにとっては“オフセット”が大きい方がしっくりくるはず。逆にボールを左にセットしたいゴルファーにとっては、オフセットが少ない方が、イメージが出しやすいでしょう。
最下点からやや先でインパクトしたいウェアウェイウッドやドライバーには“オフセット”がなく、リーディングエッジが前に出たヘッド形状になっていて、大きなFP(フェースプログレッション)なのも納得していただけるのではないでしょうか?
【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)
伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数露出するほか、「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン「FITTING」編集長を務める。
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