意外と強いツアープロの郷土愛
ツアープロが拠点を決める際、いくつかのタイプに分かれます。
一つは自分が生まれ育った地域。まさに生まれて初めてゴルフクラブを握った場所であり、練習場やゴルフ場などとも顔なじみのところが多く、練習だけでなく生活もしやすいのが主な理由となります。
ただ、実家に住むよりも練習場やコース、空港や駅などに近い場所に居を構えることが多いようです。印象としては、九州出身のプロに多いのがこのパターンです。比較的他の地域よりもトーナメントを開催する数が多く、何といっても1年中ゴルフをできる気候も魅力になっています。
もちろん、九州以外にも地元から離れたがらないプロは多く、意外にも郷土愛が強かったりするから不思議です。
また、学生時代に過ごしたところをそのまま拠点にするタイプもいます。関東、関西、中部には大学が多いぶん、そこをホームタウンにするパターンです。
自分一人で生活するようになり、その地域に慣れたぶんだけ、住み心地がよくなったことが理由として考えられます。大都市圏以外でも、東北福祉大出身なら仙台、日大出身なら三島と、ゴルフ部の寮がある地域に残ったりすることもあります。
堀川未来夢選手が卒業後も日大ゴルフ部の寮に住んでいたのはよく知られていますし、池田勇太選手も東北福祉大を卒業後、しばらくは仙台に住んでいました。ちなみに、このタイプはツアーに慣れてくると、自分の出身地や別の場所へ移動することも多いようです。
同じカテゴリーとして、高校を卒業した後にゴルフ場へ研修生として入ると、ツアープロになった後も、しばらくはそのゴルフ場の寮に住んでいたりします。ですが、ツアーに慣れてくるとやはり他所へ行くことが多いようです。
そのほか、練習環境を重視して自分に対して協力的なゴルフ場や練習場を見つけ、その地域を拠点にするパターンもあれば、自分が師事しているコーチの自宅近くに住み、いつでもチェックしてもらえる環境を作る選手もいます。
昔とは違い、今はかなり交通の便がよくなっているので、わざわざ都会に住まなくてもいいというプロが主流です。例えば、女子ツアーは開幕戦から沖縄、高知、鹿児島、宮崎、静岡、兵庫、熊本、静岡と転戦するので、東京在住でもしばらく自宅に戻れません。むしろ、九州に住んでいたほうが楽なぐらいでしょう。
また、結婚して奥さんの実家の近くに拠点を持つ選手のように、個人的には縁もゆかりもない地域を拠点にするパターンもあります。