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- スイング中のフェースと腕は「自分で返す」or「勝手に返る」!? 結局どっちが正解なの?
アマチュアだけじゃなくティーチングプロの間でさえも議論が絶えないのが、フェースと腕を「自分で返す」のか、それとも「勝手に返る」のが正解なのかというテーマ。現代クラブの性能やスイング理論の流行と歴史に詳しい筒康博(つつ・やすひろ)コーチに聞きました。
ゴルファーの感覚は毎日変わるもの
アマチュアはもちろん、ティーチングプロの間でさえインパクト時にフェースや腕を「自分で返すべき」か、「勝手に返るもの」なのかという論議は、令和の時代になった今でも続いているようです。
単なる「スイング感覚論」がテーマなら、はっきりいって「個々の感覚次第じゃないか?」と思います。そうではなく「アマチュアに対するレッスン論」がテーマであれば、他人が持論や反論を展開すること自体がナンセンスではないかと思ってしまいます。

ダウンスイングからインパクトまでの時間は0.2〜0.4秒ほどです。ゴルファーが「考えていること」と「実際に起きていること」を、この短時間で完全に一致させることにはあまり意味がなく、うまいゴルファーのような結果や再現性を優先すべきです。
また「ボールの立場」つまり弾道結果で考えた場合、インパクト時のフェース向きでしか打ち出し方向を決定することができません。
「手打ちで返さなければおかしい」、「ボディーターン主体の場合は返さない」といった議論自体、あくまで体の動かし方の「イメージ」だったり「結果論」だったりします。論点をフェース面にするなら、インパクトで打ち出す方向よりも開いているのか、閉じ過ぎているのかを確認した後でアドバイスするべきでしょう。
そもそも「昨日はフェースターンしていた」のに「今日は勝手に返っている」のように、ゴルファーの感覚は変わるもの。毎日ゴルフするワケではないアマチュアに対する「正しいレッスン」よりも、「今日の自分に都合がいいレッスン」が支持されるのは当然ではないでしょうか。
スイング中に腕と体の動きは「ブレンド」される
「腕だけの動き」つまり止まっている体に対する動きは「自分で返す」や「勝手に返る」というより、上下しながら入れ替わる「ローテーション」になっています。
アドレスからバックスイング時には、両ヒジが上がりながら左腕が上になり、右手はたたまれます。

ダウンスイング時にはアドレスの高さに戻りながら、フォロースルーにかけて両ヒジが再び上がりながら右腕が上になり、左腕はたたまれます。これが腕のローテーションですが、実際には体を回転させながら「前傾姿勢のまま」行わなければいけません。
いくら「腕だけの動き」を意識したところで、実際には体の動きと混ざってしまいます。ティーチングプロでさえ「感覚」や「意識」が個々で異なるのは、腕と体それぞれの動きだけでボールを打つことはないために、曖昧になってしまうのは当たり前です。
写真のように「腕だけの動き」でも肩など体も多少動いてしまうのがスイング。つまり腕と体の動きはスイング時にブレンドされてしまうのです。
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