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- 青木功が8年間務めたJGTO会長職を退任へ 試合数増加の使命を果たせなかった無念さを語る
16年から8年間日本ゴルフツアー機構の会長を務めてきた青木功が退任会見を行った。正式には3月19日の定時社員総会をもって退くが、この8年間の思いを振り返った。
若手成長の土台作りには満足感
3月4日、都内で青木功日本ゴルフツアー機構会長の退任会見が開かれた。16年から2期8年に渡って務めてきた同職を辞するにあたり、どのような気持ちを抱いていたのだろうか。
冒頭のあいさつでは、「男子ゴルフの発展のために働いてきたので悔いはない」といいながらも、その後の質疑応答では「私が会長をやっている限り、もうちょっと試合数を増やしたかった。増えなかったのは自分自身でも悔しかったが、増えるんじゃないかなと思ったときにコロナの影響もあり、増やすことができなかったのは残念です」と本音をもらした。

試合数を見ると就任前年の15年は25試合開催されていたが、就任した16年は26試合、17年27試合と微増。18年25試合、19年25試合、20年6試合、21年24試合となり、22年27試合、23年26試合と盛り返した。ただ今年は23試合の開催予定となっている。
就任前よりも2試合増えたシーズンもあったが、最終的に2試合減となっただけに悔しい思いが残るのだろう。
ただ、「下部ツアーのネット配信で若い選手の活躍の機会を増やすことができたし、若い選手が次々と育ってきた。今後はなお一層ツアーを盛り上げてくれると思う」と、若手が育つ土壌を整えたという満足感はあったようだ。
本音としてはもっと早い時期から若手の台頭を望んでいたが、金谷拓実や中島啓太、蝉川泰果ら20代の選手がさらに活躍することによって、「自らの役目が終わる」と語っていた。
また、「PGAツアー、欧州(DP)ツアー、アジアンツアー、韓国ツアーと共催することで、日本選手が国際試合に出る機会を増やすことはできた」というように、新たな道を切り拓いたこともプラス要素としていた。実際、以前よりも海外ツアーに目を向ける選手が増えたことは事実だし、近年の活躍を考えると、その功績は大きいだろう。
退任後はジュニアを育成したい
会長退任は昨年から理事らに伝えていたが、今年の8月で82歳を迎えることを考えれば、周囲もこれ以上引き留めることは難しかったのだろう。何事も結果で評価されるだけに、大幅な試合数増加の使命を果たせなかったことで在任当時は批判めいた意見も少なくなかった。
しかし、73歳で就任した青木に対して、周囲は過度の期待を抱き過ぎてはいたのではないか。バブルの時代ならまだしも、青木というレジェンドが頭を下げてお願いしたからといって、簡単に企業がスポンサーになってくれるような時代ではなかった。
何億円という金額を出す以上、それに見合うだけのメリットがなければ首をタテに振ることはない。むしろ、青木が会長を務めていたからこそ、大幅な試合数減を防げた面も少なからずあったはずだ。
生涯一プレーヤーとして、ゴルフ人生を終えるつもりだったにもかかわらず、「自分はゴルフに育ててもらったし、ゴルフ界に恩返ししなければいけないから」と、会長職を引き受けた青木。親友だった今は亡き島田幸作氏から「自分の次はお前がやってくれ」という願いを叶えようという思いもあったが、火中の栗を拾ったのは間違いない。
自分ができることは精一杯にやろうと、トーナメント会場には必ず顔を出し、ギャラリーに話しかけたり、選手を励ますなどコミュニケーションをとっていた。その一方で大会スポンサーには深々と頭を下げて感謝の意を伝えていた。
もちろん、試合数増加に向けて、見えないところで相当な努力もしていたが、残念ながら報われたとはいえないだろう。退任後はジュニア育成に取り組んでみたいと語っていたが、しばらくはゆっくりと体を休めてほしいものだ。
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