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- 筋力が落ちて体も硬くなり飛ばなくなってきた… セッティングどう変える?
筋力の衰えはもちろんですが、柔軟性の低下、あるいはケガや病気などといった、さまざまな要因で若い時と同じ飛距離を保てなくなるパターンは非常に多いです。今回は年齢を重ねて飛距離が落ちてきた際のクラブセッティングについて、人気フィッターの石井建嗣(いしい・たけし)さんに聞きました。
年齢を基準にした安易なスペックダウンは逆効果
加齢による飛距離の低下は当たり前の現象です。コースに行って同じティーグラウンドから打ったにもかかわらず、2打目地点が以前より大分手前になった経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか?筋力の衰えはもちろんですが、柔軟性の低下、あるいはケガや病気などといった、さまざまな要因で若い時と同じ飛距離を保てなくなるパターンは非常に多いです。今回は年齢を重ねて飛距離が落ちてきた際のクラブセッティングをご紹介します。(文/クラブフィッター・石井建嗣)

まず本題に入る前に注意点からお話しします。私のフィッティングのお客様でも多いのですが、「年齢が60歳になったから楽なクラブにしたい」といわれる人がいます。そういう方に「じゃあ昨年よりヘッドスピードが落ちましたか?飛距離は落ちましたか?」と尋ねると大抵のお客様が「いや、そんなに変わっていない。」と答えられます。今回お話しする内容は決して年齢で区切る問題ではありません。年齢を基準にした安易なスペックダウンはプレーヤーにとって逆効果です。そこを念頭に以下の内容を読んでいただけたらと思います。
では、実際に筋力の低下によって飛ばなくなってきたゴルファーに、まず私が勧めるのは現状と同フレックスの10グラム程度軽いシャフトです。シャフトを軽量化する最大のメリットは何といってもヘッドスピードアップです。ヘッドスピードが1m/s上がればドライバーの飛距離が5~7ヤード伸びます。たとえば、ドライバーのシャフトが50g台のSRを使用していてヘッドスピードが39m/s程度のゴルファーがいたとします。これを40グラム台のSRに変えて40m/s以上のヘッドスピードが出るならこれは絶対に変更すべきです。
ちなみによくフレックスも落とした方が良いという人がいますが、基本的にはシャフト重量が10グラム軽くなると同フレックスでも振動数の数値は落ちますので、結果少し軟らかいシャフトになります。さらにシャフト重量を軽くすることで元々より少し長めのクラブを作成する事が可能になります。クラブを長くするメリットもヘッドスピードアップです。軽くすることと長くすることの相乗効果でヘッドスピードを上げる、結果飛距離を伸ばすというやり方が一番良いでしょう。ただし、当たり前ですが人によっては長くするとミート率が落ちます。ここに関しては個々のゴルファーのスイングや技量にもよりますので必ずしも長くしたほうが良いとはいえません。
ちなみに打ち出しが低くなってキャリーが出ないというゴルファーは当たり前ながらヘッドも見直すべきです。一番は以前の物よりロフトアップする。あと、ヘッドが重すぎてヘッドスピードが出ない、あるいは振り遅れるなどの悩みがある人はシニア用のヘッドなど少し軽いヘッドに移行するのも良いでしょう。ただし、同じスピードでぶつかるならヘッドが重い方が衝突エネルギーは大きいので安易なヘッドの軽量化はお勧めしません。前述したシャフトの軽量化で結果が出なかった場合はこちらを試してみて下さい。
体に痛みがある方はカーボンアイアンシャフトがおすすめ
アイアンに関しては単純にロフトが立ったものを選ぶことで飛距離を補えるでしょう。最近はロフトが立っても球が上がる仕様のアイアンが非常に多いので、アイアンの飛距離は同じ番手で以前の飛距離を保つことができます。ただしこれはあくまでもアイアンに書いている表記が同じというだけであって、実際のロフトは違うのでそこは理解した上で選んでください。もちろんドライバー同様、アイアンのシャフトも以前使用していた重量より軽いモノをお勧めします。同時にケガや病気で手首、ひじ、肩、首などに痛みがある方はできる限りカーボンアイアンシャフトを選定して下さい。カーボンはスチールに比べて衝撃吸収能力に優れています。体への負担を減らすためにはこの辺りも意識して欲しいですね。
近年は多少筋力が落ちてきてもそれを補えるギアが多数存在します。その中でもまず一番に試して欲しいのがドライバーに関していえばシャフトの軽量化です。軽いシャフトでヘッドスピードが上がれば飛距離が伸びる可能性は十分にあります。ぜひ試してみて下さい。
【解説】石井 建嗣(いしい・たけし)
香川県丸亀市で「ゴルフショップイシイ」を営むクラブフィッター。フィッター界の第一人者である浅谷理氏に師事し、クラブ&パターフィッター、TPIインストラクター、ゴルフラボ公認エンジニアの資格を持つ。ゴルフはHDCP「9.9」の腕前だが、自身のプレーより他人のクラブを“診る”ことに喜びを感じる職人肌。出演するYouTubeチャンネル「ズバババGOLF」では軽快なトークで人気を集める。
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