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わずか1年で進化した“異例のモデル”! キャロウェイ「OPUS SP」の開発秘話を担当者に聞いた

2025.10.04 田辺直喜
ウェッジ キャロウェイゴルフ ゴルフギア

キャロウェイはウェッジのツアーモデルとして「OPUS SP」を2025年9月に発売。契約プロの多くがスイッチし、話題となっています。前作の初代「OPUS」の発売が2024年9月でしたので、わずか1年ほどで新たなモデルをリリースしたことになります。なぜこれほど早いペースで新モデルを発売したのでしょうか。今回はキャロウェイのプロダクト担当者に開発の裏側について話を聞きました。

スピン性能の向上を目指して新モデルの開発がスタート

 キャロウェイが新しいウェッジのブランドとして「OPUS(オーパス)」を発表したのは2024年9月のことです。美しいヘッド形状に、高いスピン性能を持つウェッジとして、プロアマ問わず高い評価を得ました。

キャロウェイのプロダクト担当の石野翔太郎さん
キャロウェイのプロダクト担当の石野翔太郎さん

 そして初代「OPUS」の発売からわずか1年、キャロウェイはウェッジの新モデルとして「OPUS SP」を発表しました。あまりに早い新製品のリリースに驚いた人も多いのではないでしょうか。一般的にウェッジは2年周期で新作をリリースすることが多く、1年でモデルが入れ替わるのは珍しいことです。

 一方で、「OPUS SP」の評価は高く、すでに多くの契約プロがスイッチしています。最近では国内男子ツアー「ANAオープン」で石川遼が「OPUS SP」の60度・Xグラインドを実戦投入し、プレーオフ進出の2位という結果を残しています。

 なぜこれほどまでに早いペースでプロが満足する高性能なウェッジを作り上げることができたのでしょう。今回はキャロウェイのプロダクト担当である石野翔太郎さんに話を聞きました。

「新たなウェッジブランドとして『OPUS』を生み出すに当たり、最初にこだわったのはヘッド形状でした。いくつもの試作品を作り、約2年をかけて、PGAツアーで戦う選手たちの意見を取り入れながら改良を加えていきました」

「結果、6番目に作った試作品『シェイプ6』がPGAツアーで人気となり、初代『OPUS』に取り入れられることになりました。多くのツアープロがスイッチしてくれましたし、われわれとしては、ウェッジの形状はほぼ完成したと自負しています」

「ただし、性能面ではまだまだ課題がありました。初代『OPUS』を使った選手たちからは、ラフやぬれたコンディションでスピンをもっと安定させたいという要望を受けました。タフなセッティングの中で戦う選手たちにとって、あらゆる状況から安定した打ち出し角、スピンのアプローチが打てることが何より必要な性能だったのです」

「そこでわれわれはスピン性能を高めることを目指して新モデルの開発をスタートさせ、ヘッド形状は初代『OPUS』の『シェイプ6』を継承する形を取りました。スピンを高めるためのテクノロジー開発だけに注力したからこそ、1年という短いスパンで最新の『OPUS SP』を完成させることができたわけです」

半中空のヘッド構造がさまざまなメリットをもたらした

 スピン性能を高めるためにまず着手したのは溝の改良でした。初代「OPUS」では溝を2本増やすことでスピン性能を高める工夫をしましたが、「OPUS SP」では1本1本の溝の形状を細かく見直したと言います。

ウェッジでは珍しい「半中空」という構造は多くのゴルファーにメリットがあると石野さんは話す
ウェッジでは珍しい「半中空」という構造は多くのゴルファーにメリットがあると石野さんは話す

「『OPUS SP』では新開発の溝『17Vグルーブ』を採用しました。溝の角度を鋭角にすることで、ラフなど、フェースとボールの間に異物が絡むコンディションでも低い打ち出しのアプローチが可能となっています」

「アプローチの弾道、スピン量を安定させるために考えたのが、ヘッドの重心を高くすることです。通常であればネックを長くすることで重心を高くできますが、『シェイプ6』の形を崩したくありませんでした。そこで考案したのが半中空のヘッド構造です。ヘッド下部をくりぬき、上部を肉厚にすることで見た目を変えずに高重心化することができました」

「OPUS SP」では、54度以上のロフトで、ウェッジではかなり珍しい半中空の構造を取っています。ヘッド形状を変えずにスピン性能を高めるために必要な構造だったようですが、開発に当たって懸念材料もあったようです。

「半中空にすることで、打感がかたくなる恐れがありました。そこで従来よりもやわらかい金属を鍛造してフェースを作ることで、打感がソフトなものになるよう工夫しました。それでも選手からどんなフィードバックがあるのか懸念がありましたが、結果として打感に不満を持つ選手は少なく、むしろ前作よりも向上したと話す選手もいました」

「重心を高くしたことでフェースに食い付く感覚が強くなりました。フェースの素材だけでなく、ヘッドの重心自体が打感をカバーしてくれるという事実は、われわれにとっても意外な発見でした」

「アプローチの弾道については、『ゆっくり飛ぶ』、『高さや縦距離が安定する』と評価されました。また、スイング中に『ヘッドが感じやすい』という声もありました」

 半中空構造によって、プロがウェッジに求める性能を高い次元で実現した「OPUS SP」ですが、アマチュアのアベレージゴルファーにもメリットがあるものなのでしょうか。

「通常、難しいと言われるローバウンスのモデルもやさしく使えるというメリットがあります。重心の低いヘッドでローバウンスを使うと、エッジが刺さりやすく、ダフリなどのミスが出やすくなりますし、フェースが上を向いてすっぽ抜けるような球が出やすく、距離感がブレやすくなります」

「『OPUS SP』は高重心で慣性モーメントも高くしているので、すっぽ抜けるミスが出にくく、ダフリにも強くなっています。さまざまなタイプのグラインドがあるので、試打してもらいたいですね」

 前作からわずか1年という短いスパンで発売となった「OPUS SP」ですが、ヘッド構造に注力した開発によって、進化を遂げたようです。そしてその進化はツアープロだけでなく、アマチュアゴルファーにとってもさまざまなメリットがあるウェッジといえるでしょう。

【写真】分解サンプルで見る! 「OPUS SP」の中空構造はどうなっている?

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