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「見つけたら即買いレベル」 ヤマハ撤退で価値再燃? 人気フィッターが推す“中古名器”3選

2026.05.20 石井建嗣
ゴルフギア ヤマハ 中古クラブ

ヤマハのゴルフ用品事業撤退を受け、中古市場で再注目される名器たち。人気フィッターが、革新性や性能面で強い印象を残したヤマハのおすすめクラブ3モデルを振り返ります。

 今年上半期のゴルフ業界の大きなニュースの一つが、「ヤマハのゴルフ用品事業撤退」でしょう。同社は「inpres(インプレス)」や「RMX(リミックス)」シリーズなど、多くの名器を世に送り出してきました。

(左から)RMX VD59 ドライバー、inpres RMX UD+2 アイアン、RMX 116 ドライバー ※画像はAI生成
(左から)RMX VD59 ドライバー、inpres RMX UD+2 アイアン、RMX 116 ドライバー ※画像はAI生成

 また、藤田寛之プロや有村智恵プロらトップ選手が使用してきたことでも知られています。正直、非常に残念なニュースでしたが、近年の市場動向を考えると、やむを得なかったのかもしれません。

 そこで今回は、改めてヤマハのクラブに注目し、過去モデルの中から私がお勧めしたい3モデルを紹介します。(文/クラブフィッター・石井建嗣)

1・RMX VD59 ドライバー(2021年10月29日発売)

RMX VD59 ドライバー
RMX VD59 ドライバー

 まず紹介したいのが、個人的にヤマハ史上最も衝撃を受けたクラブです。実は私、このモデルが登場するまで、フィッターという立場でありながらドライバーの慣性モーメントのルール上限値を正確に理解していませんでした。逆に言えば、このクラブのおかげでルールを深く学ぶきっかけになったほど印象的なモデルでした。

 このクラブを一言で表すなら、「ルール限界に迫る横慣性モーメントと、業界初の調整機能を備えたドライバー」です。

 現在、ドライバーの左右慣性モーメントには5900g・cm2以下というルール上限がありますが、このモデルは5820g・cm2という極めて高い数値を実現。圧倒的な直進安定性をゴルファーにもたらしました。

 さらに独自のウェイトシステムにより、慣性モーメントを維持したまま重心角を調整できる点も革新的でした。ヤマハは数々のクラブを世に送り出してきましたが、個人的には“過去最高に革新的なモデル”だと思っています。

2・inpres RMX UD+2 アイアン(2014年6月7日発売)

inpres RMX UD+2 アイアン
inpres RMX UD+2 アイアン

 続いて紹介するのは、当時大きな話題を呼んだ“飛び系アイアン”です。

 「前代未聞のぶっ飛びアイアン誕生」というキャッチコピーで登場したこのモデルは、飛距離性能を求めるゴルファーの心をつかみました。「+2」という名称も、“2番手上の飛距離”を実現することをコンセプトにしていたことに由来しています。

 実は発売当初、そこまで大々的に宣伝されていたわけではありません。しかし、実際に使用したゴルファーが飛距離アップを実感し、その評判が口コミで広がっていきました。

 「知人が飛ぶようになったから自分も替えた」という流れが次々と生まれ、弊社でもシニアゴルファーを中心に大ヒット。ほぼ口コミだけでユーザーが増えていった点でも、非常に画期的なアイアンだったと思います。

 “飛び系アイアン”というジャンルを一般化させた代表的モデルの一つと言えるでしょう。

3・RMX 116 ドライバー(2015年10月23日発売)

RMX 116 ドライバー
RMX 116 ドライバー

 最後に紹介するのは、発売から10年以上が経過した今でも、なお使用するプロや上級者が存在する名器です。

 このモデルから「RMX」という名称が本格採用され、ヘッドとシャフトの組み合わせで最大飛距離を追求するコンセプトが打ち出されました。

 現在主流となっている大型・高慣性モーメント系ドライバーとは対極とも言える存在で、小ぶりでシャープなヘッド形状が特徴。球筋や弾道を操作しやすく、フェースにボールが“食いつく”ような柔らかい打感を味わえるモデルでした。

 近年の「曲がらない」「ミスに強い」といったドライバーとは異なる魅力を持った1本だったと言えます。

 ちなみに、このドライバーをこよなく愛用していたのが今平周吾プロです。2017年にヤマハと契約して以降、2022年まで長期間にわたって使用し、その間に国内男子ツアーで7勝を挙げています。それだけ信頼度の高いクラブだったのでしょう。

 一方で、今平プロをはじめとする契約選手の要望に応え続けた結果、近年主流となった大型高慣性モーメント系ドライバーの開発競争では後れを取った側面もあったのかもしれません。

 なお、今となっては幻となってしまいましたが、今秋発売予定だった新モデルは、このRMX 116の後継機にあたるという報道もありました。

 いかがでしたか。今回は、惜しまれつつ撤退が決まったヤマハゴルフの過去モデルを紹介しました。

 個人的には、「契約プロが本当に求める性能」を優先してクラブ開発を行っていた同社の姿勢は非常に好きでした。ただ、その思想と市場の流れに徐々にズレが生じていったのも事実です。

 この記事を書きながら、改めてモノづくりと商売の難しさを感じさせられました。

【解説】石井 建嗣(いしい・たけし)

香川県丸亀市で「ゴルフショップイシイ」を営むクラブフィッター。フィッター界の第一人者である浅谷理氏に師事し、クラブ&パターフィッター、TPIインストラクター、ゴルフラボ公認エンジニアの資格を持つ。ゴルフはHDCP「9.9」の腕前だが、自身のプレーより他人のクラブを“診る”ことに喜びを感じる職人肌。出演するYouTubeチャンネル「ズバババGOLF」では軽快なトークで人気を集める。

【写真】クラブフィッター小倉勇人氏が選ぶ「ヤマハの名器」4選
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