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タイトリスト「GTS ドライバー」3モデルを試打比較 実感した前作「GT」からの進化ポイントとは?

2026.06.20 鶴原弘高
ギアくら ゴルフギア タイトリスト ドライバー 試打

タイトリストが2026年モデルとなる「GTS」を新発売しました。注目のドライバーは「GTS2」「GTS3」「GTS4」の3モデル。前シリーズの「GT」から何が変わったのか、最新シリーズの3モデルは何が違うのか。ゴルフライターの鶴原弘高が試打してリポートします。

軽量で打感のいい独自ポリマー素材の面積を拡大

 前作にあたる「GT」シリーズ(2024年発売)は全世界的に大ヒットしたモデルでした。ゴルファーからは「ボール初速が出る!」との好意的な意見が多く、つまりは飛ばしやすいことが人気の大きな要因となっていました。

 評判が良かった「GT」から、「GTS」はどのように進化しているのでしょうか。

「GTSドライバー」3機種の性能は?
「GTSドライバー」3機種の性能は?

 タイトリストは「GT」シリーズから、新たに独自のポリマー素材「PMP」をヘッドのクラウン部分に採用していました。このポリマー素材はチタンのような心地よい打感を生み出すことができて、なおかつ軽量のためにヘッド重心設計の可能性を広げることができる長所があります。

「GTS」シリーズでは、そのポリマー素材「PMP」の使用面積を約60%拡大し、ソール側までボディー全体をグルリと取り囲むように採用されました。これによってボディ中央部は極限まで軽くなり、ヘッド前方と後方の2カ所にウェイトを重点的に配置することができるようになりました。これをタイトリストではスプリット・マス・フレーム構造と呼んでいます。言い換えれば、「GTS」シリーズでは一つのヘッドで浅重心化と深重心化を同時に実装しているわけです。

左から「GTS2」「GTS3」「GTS4」の構えた見た目
左から「GTS2」「GTS3」「GTS4」の構えた見た目

 一般的にヘッドの重心を浅くすると、ヘッドスピードとボールスピードが上がる反面、ミスの許容性がなくなってしまいます。逆にヘッドの重心を深くすると、慣性モーメントが大きくなってミスには強くなる反面、スピードが落ちて飛距離がダウンします。

「GTS」ドライバーは、ポリマー素材「PMP」によって浅重心と深重心のいいとこ取りを目指して開発されたモデルです。端的にいうと、スピードを上げつつ、なおかつ前作「GT」シリーズよりも寛容性がアップするように設計してあるのが「GTS」シリーズということになります。

投影面積が大きい「GTS2」が振り切りやすくなった

「GTS2」は、3モデルのなかではヘッドの投影面積がいちばん大きいモデルです。前作「GTS2」では付け替え式のウェイトが後方に1カ所あるだけでしたが、「GTS2」では前方にもウェイトが追加され、後方側と入れ替えられるような造りになりました。標準設定では前方に11グラム、後方に5グラムとなっています。

「GTS2」の試打データ
「GTS2」の試打データ

 構えてみるとヘッドの据わりが良く、フェースがすんなりとターゲットを向いてくれます。印象的なのは、極端なオープンフェースではないのに、引っかかりそうな雰囲気がまったくないところ。「叩いても左には来なさそう」な安心感があるヘッドに仕上げられています。これは「GT3」を構えたときにも同じように感じられました。

 スイングしてみると、従来の「GT2」よりもヘッドを軽く感じます。ヘッド重量は変わっていないようなので、あくまでもそう感じるだけ。おそらく前作比ではヘッドの重心位置が浅く(フェース寄り)になっているのだと思われます。

 そのおかげで、ダウンスイングでのもたつき感がなく、スピードを上げてフィニッシュまで振り抜きやすいです。ちなみに筆者は、寛容性を重視して大きいドライバーヘッドを好むタイプなのですが、従来の「2」だとヘッド後方を重く感じるため、後方ウェイトを軽量化していました。新しい「GTS2」であれば、どうやらそんな調整作業は必要なさそうです。

 弾道は中弾道かつ中スピン。打ち出し角がそれほど高くなるタイプではないので、多くのアマチュアはロフト角10度や11度のほうがフィットしそう。球のつかまり感は非常にニュートラルで、左右のミスに関しては前作「GT2」よりも寛容性が増しています。つまり、曲がりづらくなっていると感じられました。

 実際に打ってみると、スピードを落とさず、やさしさを増したというタイトリストの公言どおりの性能に進化していました。

洋ナシ形状でコントロール性がある「GTS3」

「GTS3」に持ち替えても、フェースの見え方は「GTS2」と変わりません。フェースアングルだけでなく、ロフトの角度の見え方なども、PGAツアープレーヤーに気に入られるようにかなり留意して設計されていることが分かります。

「GTS3」の試打データ
「GTS3」の試打データ

「GTS2」と異なるのは、構えたときにヒール側後方が絞り込まれていて、洋ナシ形状になっているところ。そのため若干小ぶりにも見えます。

 ヘッドに搭載されているウェイトは、前方8グラム、後方5グラム。前方のウェイトは横方向のスライド式になっていて、球のつかまりを調整する機能も合わせ持っています。

 打ってみると、「GTS2」よりもヘッドの操作性に長けていることが分かります。ただし、打ちこなすのがすごい難しいかというと、そこまでじゃないです。とくにフェードバイアスになっているわけでもなく、球のつかまり度合いはニュートラル。打ち出し角やスピン量も「GT2」と大きな違いがありません。ほんの少しスピンが少なくなりやすい、という程度でした。

 これまで筆者は従来の「3」に対して、右へのミスには手厳しい(曲がりすぎる)モデルだと感じていましたが、「GTS3」にはそういったネガティブな印象を持ちませんでした。やはり少し寛容性が増しています。

大きくなった「GTS4」は懐かしい雰囲気の男前モデル

 これまでの「4」を知っている人が、「えっ!」とビックリしてしまうのが「GTS4」です。従来の「4」はヘッドが一回り小さく、低スピン弾道が打てるモデルとして存在していましたが、今作はヘッドが大きくなっています。むしろ「GTS3」よりも「GTS4」のほうが大きいヘッドに感じるぐらいです。

「GTS4」の試打データ
「GTS4」の試打データ

 ヘッドに搭載されているウェイトと機構は、「GTS3」とまったく同じです。

 ヘッドシェイプは、丸型と洋ナシ型の中間ぐらい。特筆すべきはフェースのヒール側が少し張り出しているところで、これが「GTS2」や「GTS3」と大きく異なる部分です。この見え方の違いによって、球をつかまえやすそうに感じると同時に、ボールを強く抑え込んで打つような心構えにさせてくれます。

 タイトリストによると、過去モデルのなかでは「TSi3」のヘッドシェイプを好むプレーヤーが多かったため、今作「GTS4」では「TSi3」のヘッドシェイプを採用しているそうです。筆者は、なんとなく昔ながらの国内メーカーの男前なドライバーを思い起こしました。

 打ってみると、3モデルのなかでは振り心地がいちばんシャープです。同じ力感で打っても「GTS4」だとヘッドスピードが上がりました。打ち出し角は「GTS2」や「GTS3」よりも低め。スピン量も抑えられる結果になりやすかったです。

 こちらもフェードバイアスというわけではなく、球のつかまり感はニュートラル。ただし、「GTS3」よりもさらに重心が浅くなっているようで、3モデルのなかでは最もヘッドの操作性が良く、フェースコントロールが上手な人でないと意図せずに右や左に曲げてしまうかもしれません。

 3モデルのなかで最も飛ばしやすいのが「GTS4」だと思います。ただし、ミスしたときの左右ブレが大きくなってしまうのもこのモデルです。

振り心地と見た目の好みで選んでいい3モデル

 3モデルを打ち終わって、「どれでも使える」というふうに筆者は感じました。タイトリスト「GTS」ドライバーの3モデルは、他社ほどにはモデルごとに大きな性能差が付けられていません。これには理由があって、ドライバーに求められる一定の理想的な基準点を目指すと、むしろモデルごとに大きな性能差を付けられないからです。これはボールの「Pro V1」ファミリーにも同じことが言えます。

 基本的にタイトリストのギアは、ツアープレーヤーのニーズを満たすように開発されています。ツアーにはいろんなタイプの選手がいますが、各プレーヤーがドライバーに求めるものは、皆だいたい同じなのです。

 最新の「GTS」シリーズになって、どのモデルもやさしさを増しながら、ヘッド性能がニュートラルになっていると筆者は感じました。なので、アマチュアがモデル選びをするときも、ヘッドの見た目からの受けるスイングや弾道のイメージと、スイング中のヘッドの動かしやすさ(もしくは機敏に動きすぎない感じ)を優先してチョイスすればいいと思います。モデルによってフェース面上の打点が変わってくるので、そこにも注目するといいでしょう。

 弾道の高低や球のつかまりをチューニングしたいなら、ロフト角とネックの調整機能、および付け替え式のウェイトで調整できます。可能であればタイトリストのクラブフィッティングを受けて、フィッターと相談して調整することをオススメします。それによって“チューニング沼”にハマってしまう危険性も回避できます。

試打・文/鶴原弘高
つるはら・ひろたか/1974年生まれ。大阪出身。ゴルフ専門の編集者兼ライター。仕事のジャンルは、新製品の試打レポート、ゴルフコース紹介、トレンド情報発信など幅広く、なかでもゴルフギア関連の取材が多い。現在はゴルフ動画の出演者としても活躍中。YouTubeチャンネル:『A1 GOLF CLUB』(https://www.youtube.com/@A1_GC) Instagram:@tsuruhara_hirotaka

【取材協力】フライトスコープジャパン

「FlightScope Range Gen2」と「Pro V1 RCT」ボール
「FlightScope Range Gen2」と「Pro V1 RCT」ボール

今回の取材はフライトスコープジャパン本社内のパフォーマンススタジオをお借りし、「FlightScope Range Gen2」と「Pro V1 RCT」ボールを用いて計測を行いました。
公式サイトhttps://flightscope.co.jp/

【写真】これがタイトリスト最新モデル「GTSドライバー」3機種の詳細画像です
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