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- 「飛距離に興味がなかった」レッスンプロが飛ばし練習器具を開発した理由【PGAティーチングアワード受賞】
毎年選考が行われているPGAティーチングプロアワード。今年の受賞者の中にユニークな練習器具を開発して飛ばしのレッスンに生かしているプロがいました。早速お話を聞いてみると「飛距離に興味がなかった」!?
早く振る練習で速筋を鍛え、フェースターンの感覚も
「ゴルフは飛距離じゃない」という話はよく聞きますが、たぶんほとんどの方は「飛んだらいいなあ」と思っていることでしょう。ゴルフショップに行っても、「飛ぶ」がキーワードのゴルフ用品、練習器具が数多く売られています。

日本プロゴルフ協会(PGA)が行っている「2022 PGAティーチングプロアワード」の最終選考が4月中旬から約1カ月、インターネット配信を通じて行われ、一般やメディアの投票で5月25日に第13回の受賞者が発表されました。これはPGAが認めたティーチングの新しい理論や方法論を表彰するものです。
その中で優秀賞を受賞したのが、草場翔プロが発表した「飛距離アップのメカニズム~重心位置とそれに伴う動きの違いについて~」です。
PGAの公式HPにあるプレゼンテーション動画の内容から簡単に紹介します。まず飛距離を出すには、飛びの3要素(ボール初速=ヘッドスピード×ミート率、打ち出し角、スピン量)のうち、重要なのはヘッドスピードを上げること。そのために、速筋と呼ばれる瞬発系の筋肉を鍛えるのがいいのですが、軽いものを速く振る練習が必要です。
しかし、ゴルフでは軽いものを速く振るとスイングが崩れると言われます。また、これまでの棒状の練習器具だと重心がシャフトの延長上にあるので、シャフトの先にヘッドがついている実際のクラブとは違います。クラブと同じ構造で軽い素振り用の練習器具を振ることで、効果的に速筋を鍛えてヘッドスピードを上げる、としています。
そこで草場プロが2019年から開発を始めて、半年後に特許を取得したのが「リバイバー」という、木製のヘッドをつけた練習器具。クラブの中で一番軽いドライバーは一般的に300グラム前後です。リバイバーは190~240グラムと軽く、速筋を鍛え、正しいフェースターンも得られるということです。
その後「リバイバー・プラス」という500~650グラムの重い器具をつくり、こちらは体幹を鍛えるのに適しているとのこと。器具を使用した飛距離アップレッスン会では、2時間のレッスンを挟んだ前後の測定で17人中15人にヘッドスピードアップが認められた、としています。
飛距離は「生まれ持ったもの」じゃない!
福岡を中心に活動している草場プロに、今回の受賞について話を聞きました。
「シニア層の中には、飛距離が落ち、ゴルフが楽しくなくなってやめてしまう方も見受けられます。また、コロナ禍で多くの女性ゴルファーが誕生しましたが、飛距離が出ずにゴルフの面白さまで到達せずにやめてしまう人がいます。そんな方々の飛距離を復活させたい、ゴルフを楽しんでいただきたいという思いを込めて、呼び戻す、復活するという言葉からリバイバーと名付けました」と、器具の開発意図を話してくれました。
教える立場の草場プロ、実は「飛距離にはあまり興味がありませんでした。『生まれ持ったもの』という認識で、スイングが良くなれば飛距離も伸びると思っていました。しかし、実際は正しいトレーニングを行えば飛距離を手にすることができます。真っすぐ飛ばす、正しくスイングすることが先行しているレッスン業界の中で、最大の憧れである飛距離を手にすることができる飛距離アップレッスンに可能性を感じました」と言います。
一般ゴルファーにとっても、飛距離アップの可能性があるのはうれしいことでしょう。男性、女性、ジュニア用が販売(https://regolf.theshop.jp)されています。また、木製ヘッドは家具の街、福岡県大川市の大川木工製ということもあり、同市のふるさと納税返礼品にも選ばれています。
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