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- コウライに文句を言うのはベテランだけ!? 芝種を気にしない若者と再評価され始めたコウライの実力
「難しい」と敬遠されがちなコウライグリーン。かつては使用日に来場者が大きく減るゴルフ場もあったといいます。しかし近年は管理技術の向上やゴルファー層の変化によって、その評価にも変化の兆しが見え始めているそうです。
コウライ使用時に来場者が落ち込んでいた時期もあった
日本のゴルフ場で使われているグリーンの芝は、大きく分けてベントとコウライの2種類です。両者を比べるとベントグリーンの評価が高く、「見た目の傾斜どおりに転がる」「ラインが読みやすい」といった理由から、ベントグリーンを好むゴルファーが多いです。
一方で、コウライグリーンは「芝目がキツイ」「ボールの勢いが弱まると急激に曲がる」といった声もあり、やや敬遠されがちです。ラウンド中も「今日はコウライだから難しいね」といった会話が自然に出てくる場面もあります。
こうした体感がある中で、一つ気になるのは、その評価が実際の集客にどれくらい影響しているのかという点です。ベントグリーンの日とコウライグリーンの日で、予約数や来場者数に差は出るのでしょうか。ゴルフ場関係者に聞いてみました。
「コウライグリーン使用時は、明らかに差が出ます。うちのゴルフ場は以前、特定の曜日にコウライグリーンを使用していたのですが、その日はお客さんが入りませんでした。具体的には、ベントグリーン使用時と比べて60%から70%くらいに落ち込んでいました」

「今は基本的に、通年でベントグリーンを使用していますが、グリーンのメンテナンスを行なう更新作業のときにコウライグリーンを何日間か使います。その日程はホームページで告知しているのですが、メンバーさんから『コウライだと分かっていたら来なかったよ』とイヤミを言われることがあります」
ただし、この評価がそのままプレー内容に直結しているかというと、必ずしもそうではないと指摘します。
「コウライで文句を言う人が、必ずしもいいスコアで回っているわけではないんですよ。コウライだからパットが入らないのではなく、普段からパットが入っていないのです」
ベントであればパットが入るのか、コウライだと入らないのかといえば、実際にはプレーヤー側の技術や判断の影響も大きく、単純にグリーンの種類だけで説明できるものではありません。
若いゴルファーはコウライをそれほど意識していない
また、ビジターの反応も興味深いところです。
「ビジターの方は、そもそもコウライグリーンをあまり意識していません。昨年の8月はベントグリーン保護のため、コウライグリーンを1カ月間、使用しましたが、それでもお客さんは来てくれましたし、ビジターの方から『何だよ。コウライかよ』みたいな話はありませんでした」
最近ゴルフを始めた層の中には、2グリーンの仕組み自体を知らない人も多く、「今日はコウライだから」といった理由でプレーを避ける発想がありません。メンバー層とビジター層で、評価の基準が異なっている可能性もあります。
今の日本は夏になると高温が続き、ベント芝にとっては厳しい環境になっています。「ベントだけで運営するのは難しい」という声を多くのゴルフ場関係者から聞くようになりました。そのため、コウライグリーンを再評価したり、コウライとベントの中間的な性質を持つ芝種に切り替えたりする動きも出てきています。
加えて、コウライグリーンの性能自体も変化しています。かつては転がりが不安定とされていましたが、現在は刈り高の調整や管理技術の向上によって、以前よりもスムーズに転がる状態を作ることが可能になっています。トーナメント開催コースでも、コウライグリーンを高速に仕上げ、フェアなセッティングで白熱した試合展開を演出しています。
興味深いのは、昔からゴルフをしているベテランゴルファーがコウライグリーンを毛嫌いするのに対し、最近ゴルフを始めた若い人たちはそれほど気にしていないことです。これはもしかしたら単なるイメージの違いなのかもしれません。「コウライは古い」という印象が残っていることで、評価が実態以上に低く見られている側面もあるようです。
文・保井友秀(やすい・ともひで)
1974年生まれ。出版社勤務、ゴルフ雑誌編集部勤務を経て、2015年にフリーライターとしての活動を開始。2015年から2018年までPGAツアー日本語版サイトの原稿執筆および編集を担当。現在はゴルフ雑誌やウェブサイトなどで記事を執筆している。
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