体格のいい男性に40グラム台がマッチする場合も!? シャフト重量は握力で決まるってホント?

体格がいい男性はカスタムシャフトの60グラム台以上をドライバーに挿している場合が多く見受けられますが、実は最適な重量を決めるのは体格ではなく“握力”という考え方が存在します。どういうことなのでしょうか。

両手の握力の合計が75~95キロなら総重量300グラム

 最近はシャフトメーカーでもフィッティングを積極的に導入していますが、大手シャフトメーカーのUSTマミヤは、握力を重視したシャフトフィッティングを展開しています。その理由とは?

USTマミヤの「アッタスキング」と「ジ・アッタス」
USTマミヤの「アッタスキング」と「ジ・アッタス」

「アッタスシリーズ」を展開している同社では、シャフトフィッティングを受ける際に必ず両手の握力を計測しています。昨年10月、筆者が市ヶ谷にある「USTマミヤ シャフトフィッティングLABO」で取材した際には、フィッティングに関する問診を終えた後、両手の握力を計測していました。

 当時、担当してもらった同社の橋添フィッターは「クラブと体をつないでいるのはグリップです。だから、それを握る力というのは最適なクラブ重量選びの一つの目安となります。身長が高くて体格が良い方でも、握力がなければ男性でも(ドライバーで)40~50グラム台前半のシャフトがマッチすることもあります」

 ちなみに筆者の握力は右が40キロ、左が33キロで成人男性としては平均以下。同社では握力と適正ゴルフクラブ重量をチャート化していて、男性の場合、両手の握力の合計が75~95キロまでがアベレージゾーンで、その握力であれば45インチでクラブ総重量300グラムを基準にするそうです。

 握力の合計が75キロ未満になると、45インチで290グラムが目安となり、両手の握力が95キロを超えると45インチで310グラムの重さを想定するそうです。橋添フィッターは握力と重さの関係について以下のように説明してくれました。

「あくまで握力は重さ選びの基準の一つですが、シャフト選びはまず重さを決めるというのがすごく大事です。自分で振り切れる重さを選んでから、硬さや調子をチェックしていくのが当社のフィッティングスタイルです。男性だと、たまに両手で120キロを超える怪力さんもいらっしゃいますが、そういうタイプは70グラム以上のシャフトになることが多いです」

インパクトの衝撃を受け止めるときに握力が重要になる

 USTマミヤの見解についてギアに造詣の深い今野一哉プロに話をぶつけてみると、こんな答えが返ってきました。

「よく男性アマチュアと女子プロゴルファーはヘッドスピードが同じだと言われますが、男性アマチュアで250ヤード飛ばせる人はほとんど60グラム以上のシャフトを使っていると思います。でも、女子プロだと50グラム台のシャフトが多い。それは握力の差だと思います。握力で言えば、女子プロよりも男性アマチュアのほうが強い場合がほとんどでしょう。だから、シャフトも重めが合うと思います」

 グリップはゆるゆるで握るのが正しいとも言われています。そうなると、握力の強さは関係ない気もしますが?

「もちろんアドレスでは強く握らないほうが良いし、インパクトでも握力測定するときのように両手でギュッとするわけではありません。ただし、インパクトの衝撃を受け止めているのはグリップを握っている手です。そう考えると、握る力というのはすごく重要だと思います」

 大手シャフトメーカーの中でも握力測定をフィッティングに取り入れているメーカーは少ないですが、なかなかベストマッチと思えるシャフトに巡り合えないという人は、USTマミヤ流の握力による最適重量を目安にしてみてはいかがでしょうか。

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