普段より15ヤードもティーショットの飛距離は落ちていた
今季のメジャー初戦、マスターズを制したジョン・ラーム。ラームと言えば今年1月の試合から「パラダイム トリプルダイヤモンド」を使って優勝していますが、マスターズではドライバーのスペックが3カ月前とは違っていました。

マスターズでのラームはあえて飛距離を落としながら、フェードボールを打ち続けていました。それもスライスと呼んでもおかしくないくらい曲がり幅が大きなフェードです。
会場のオーガスタナショナルGCはもともとドローヒッターに有利なコースだと言われていましたが、最近はランを抑えたフェードで攻める選手が増えました。昨年優勝したスコッティ・シェフラーもフェードヒッターです。今年のラームもフェードで攻めていたのですが、フェードはドローよりもバックスピン量が多くなるため飛距離が落ちます。
実際、ラームの平均飛距離は298.25ヤード(出場選手中24位)と、普段のPGAツアーでの平均飛距離(約312ヤード)より約15ヤードも落ちていました。逆にフェアウェイキープ率は85.71%(出場選手中4位)と安定しています。
マスターズでのラームは「パラダイム トリプルダイヤモンド」ドライバーを使っていましたが、ロフトは11.5度。1月の試合では10.5度でしたが、3月以降の試合からロフトを大きくしていたラームは、ロフトを増やすことでバックスピンの多いフェアウェイで止まる球が打ちやすくなっていたと思います。
ロフトだけではなく、ウエートも標準仕様ではありません。通常の「パラダイム トリプルダイヤモンド」は前方部に2グラム、後方部に14グラムのスクリューウェイトを搭載しています。しかし、ラームは前方部を5グラム、後方部を10グラムのウェイトにして重心を浅めにしています。浅重心にすることによってつかまりが抑えられて、フェードを打ちやすくなります。
一方、ドライバーとともによくティーショットで使っていた3番ウッドは16度のヘッドを15度にしてロフトを立てていました。3番ウッドであれば15度でもコントロールされたフェードが打てたのでしょう。
2021年にキャロウェイと契約したラームは、14本ともキャロウェイのクラブを使っています。契約当時から使い続けているのが「APEX TCB」のアイアンです。そのアイアンで同年の「全米オープン」も制しており、ラームにとっては2つのメジャーを制した手放せないクラブになっているようです。
2023 ジョン・ラームの最新セッティング
1W:パラダイム トリプルダイヤモンド(ロフト/11.5度 シャフト/アルディラ ツアーグリーンATX 75)
3W:パラダイム トリプルダイヤモンドT(ロフト角/15度)
5W:パラダイム トリプルダイヤモンドT(ロフト角/18度)
4I-PW:APEX TCB
AW、SW、LW:ジョーズ RAW(52度、56度、60度)
パター:オデッセイ ホワイトホットOG ロッシーS プロト
ボール クロムソフト X