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- 「会員=社員」のゴルフ場の実態 “一般社団法人”と“普通の会員制”の違いとは?
会員権を調べていると目にする「一般社団法人」のゴルフ場。名前は知っていても、その仕組みを理解している人は多くありません。会員が経営に関わる独特な運営形態の実態を、ゴルフ場関係者に聞きました。
一般社団法人のゴルフ場は会員が社員
ゴルフ場を選ぶとき、多くのゴルファーは「ビジターでもプレーできるかどうか」を基準にしています。予約サイトで空き枠を確認し、料金と時間帯を見て申し込む。その流れが当たり前になった今、「そのゴルフ場がどのような形で運営されているか」を意識する機会は、それほど多くありません。
一方で、会員権の購入を検討する段階になると、ゴルフ場の見え方は少し変わります。同じメンバーシップコースでも、預託金制や株主会員制、そして一般社団法人といった運営形態の違いがあることに気づきます。
ただ、「一般社団法人のゴルフ場があるのは聞いたことがあるけれど、何が違うのかはよく分からない」というゴルファーがほとんどではないでしょうか。
ゴルフ場関係者に話を聞くと、一般社団法人のゴルフ場を理解するうえでの出発点は、サービス内容や料金ではなく、「誰が経営しているのか」という点にあります。

「一般社団法人のゴルフ場は、会員が社員なんですよ。普通のゴルフ場は、株式会社があって、社長がいて、社長を中心に経営を行ないますが、一般社団法人のトップは理事長です。ただし、基本的に無償ですから名誉職です」
「理事長がゴルフ場の経営方針を決める権限を持っているわけではなく、会員が一人一票の議決権を持ち、理事会や総会を通じて経営に関与します」
つまり、特定のオーナーが方針を決めるのではなく、会員全体の意思によって運営される仕組みになっています。この構造が、他のメンバーシップコースとの大きな違いです。
重要な事項については総会で議決を取り、「3分の2の賛成を得ないといけない」といったルールが設けられています。 多くの会員の合意を前提とするため、「いろんなことが簡単に進められない」という側面があるようです。
利益が出ても配当を還元することはできない
さらにもう一つの特徴として挙げられるのが、「非営利法人」であるという点です。一般社団法人は営利目的の組織ではなく、儲かったからといって会員に分配することはできません。 利益が出ても配当として還元することはなく、あくまで法人の中で再投資されることになります。
ただし、この“非営利”という言葉は誤解を生みやすい部分でもあります。非営利だからといって料金が安いわけではなく、利益を出してはいけないわけでもありません。一般社団法人であってもビジターが比較的プレーしやすいコースもあれば、メンバー中心の運営を維持しているコースもあります。制度そのものよりも、各コースの運営方針による差のほうが大きいようです。
では、この仕組みにはどのようなメリットがあるのでしょうか。意外なことに、組織としてのメリットは「ほとんどない」そうです。 かつては税制面での優遇があった時期もありましたが、現在はそうした利点も薄れ、「社団法人だから有利」という状況ではなくなっているようです。
むしろ課題として挙げられるのが、意思決定のスピードや責任の所在です。多くの会員の合意を前提とする仕組みは、慎重な判断につながる一方で、環境の変化に迅速に対応するのが難しい場面もあります。仮に経営が行き詰まった場合、「誰が最終的に責任を負うのか」という点が見えにくいという指摘もありました。
こうした特徴を踏まえると、一般社団法人のゴルフ場は、制度として特別というよりも、「どのように意思決定が行われるか」が異なる組織だと見るほうが理解しやすいかもしれません。その数は日本全国でも限られており、「30コース弱ではないか」という話もありました。
一般社団法人のゴルフ場に対して閉鎖的なイメージを持っているゴルファーもいるようですが、その実態は一様ではありません。会員主体の運営を重視するコースもあれば、外部との接点を持ちながら柔軟に運営しているコースもあります。
そのようなゴルフ場の運営スタイルもあることを知っておくと、今までと違った視点でゴルフ業界全体を広く見渡すことができるかもしれません。
文・保井友秀(やすい・ともひで)
1974年生まれ。出版社勤務、ゴルフ雑誌編集部勤務を経て、2015年にフリーライターとしての活動を開始。2015年から2018年までPGAツアー日本語版サイトの原稿執筆および編集を担当。現在はゴルフ雑誌やウェブサイトなどで記事を執筆している。
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